書評

文庫本の書評、というか読んだメモ。概ねフィクション。

新・雨月 ★★★★

作成日、2013年03月31日(日曜日)

新・雨月 上

船戸与一著 徳間書店

720円 2013年01月 ISBN9784198936488

新・雨月 中

船戸与一著 徳間書店

670円 2013年01月 ISBN9784198936495

新・雨月 下

船戸与一著 徳間書店

680円 2013年01月 ISBN9784198936501

一般 文庫 日本文学、小説・物語 (C0193)

慶応四年、西軍・長州藩の間諜・物部春介は修験僧に扮していた。木戸孝允から新発田藩での一揆使嗾の命を受けて、成功。次に武器商人スネル兄弟経営の商館を潰すための新潟へ。長岡の元博徒・布袋の寅蔵は、家老の河井継之助に信服して組を解散。以降、継之助のために動いている。会津藩政務担当家老・梶原平馬は、奥羽越列藩同盟結成を機に、北方政権樹立を夢みる……。

六月、会津城下に輪王寺宮公現法親王が到着。しかし、西軍に奪われた白河口奪回は膠着状態にあった。西軍側は伊地知正治と共同で指揮をとるため土佐の板垣退助が加わった。奥羽越列藩同盟軍による白河の小峰城奪回の総攻撃は八回とも失敗。長岡城を奪還したものの、負傷した越後の蒼龍・河井継之助は斃れ、秋田久保田藩が西軍側に寝返り、三春藩も裏切った。奥羽越列藩同盟の瓦解が始まった。

西軍、薩摩には西郷吉之助が戦略を立てて、伊地知正治に戦術を任せた。長州は大村益次郎が戦略を立て、山県狂介に実戦を指揮させた。一方の奥羽越列藩同盟、会津の佐川官兵衛は戦場では猛将だが、戦況を変える力はない。そして土方歳三は局地戦には強い、戦略なき戦術家だった。……冒険小説を牽引してきた船戸与一が独自の史観で日本近世史に真っ向から取り組んだ渾身の巨篇!

読む前は奥羽越列藩同盟は何もかもが西軍に劣り負けたのではないかと考えていたが、少なくとも……と書き始めるとたらればの話となるので、まあ、負けていたのだろうな。

夜来香海峡 ★★★

作成日、2013年03月31日(日曜日)

夜来香海峡

船戸与一著 講談社

790円 2012年04月 ISBN9784062771368

一般 文庫 日本文学、小説・物語 (C0193)

消えた華嫁と二億円。東北から、北海道へ。中国から「輸入」された女の、最後の行き先はどこか?ノンストップ土着ノワール。船戸節、全開。

全開はしていないだろ。

現代の日本が舞台となるとパワーは幾分か削減される感じがする。

あるキング ★★★

作成日、2013年03月31日(日曜日)

あるキング

伊坂幸太郎著 徳間書店

620円 2012年08月 ISBN9784198935870

一般 文庫 日本文学、小説・物語 (C0193)

この作品は、いままでの伊坂幸太郎作品とは違います。意外性や、ハッとする展開はありません。あるのは、天才野球選手の不思議なお話。喜劇なのか悲劇なのか、寓話なのか伝記なのか。 キーワードはシェイクスピアの名作「マクベス」に登場する三人の魔女、そして劇中の有名な台詞。「きれいきたない」の原語は「Fair is foul.」。フェアとファウル。野球用語が含まれているのも、偶然なのか必然なのか。 バットを持った孤独な王様が、みんなのために本塁打を打つ、そういう物語。

著者自身のあとがきでもいままでの伊坂幸太郎作品とは違うと書かれているが、このような話は他に誰が書けるのかと聞きたい。

魔女や視点となった人が次の章の結末を言ってしまうのは意図した事であろうとはいえ、覚めてしまう。

古代ローマ人の24時間 ★★★★

作成日、2013年03月31日(日曜日)

古代ローマ人の24時間

アルベルト・アンジェラ関口英子訳 河出書房新社

998円 2012年04月 ISBN9784309463711

一般 単行本 外国歴史 (C0022)

2000年前にタイムスリップ!臨場感たっぷりに再現された―驚きの1日を体験する。食事、服装、住宅、買い物、学校、裁判所……そして公共浴場、剣闘士と観衆、夜の饗宴など、貴族からド奴隷までいまに日々の暮らしを送っていたか鮮やかに再現した画期的な一冊。

面白かった。

でも、読むほどに古代ローマには住みたくない感じがした。

わが友マキアヴェッリ ★★★★

作成日、2013年03月31日(日曜日)

わが友マキアヴェッリ 1

塩野七生著 新潮社

420円 2010年04月 ISBN9784101181387

わが友マキアヴェッリ 2

塩野七生著 新潮社

515円 2010年04月 ISBN9784101181394

わが友マキアヴェッリ 3

塩野七生著 新潮社

460円 2010年04月 ISBN9784101181400

一般 文庫 外国歴史 (C0122)

権謀術数の代名詞とされるニコロ・マキアヴェッリ。しかし彼はそれほど単純に割り切れる人間ではなかった――。16世紀のフィレンツェ共和国に仕え、権力者たちの素顔を間近で見つめ続けた官僚。自由な精神で政治と統治の本質を考え、近代政治学の古典『君主論』を著した思索者。そして人間味あふれる愛すべき男。その実像に迫る塩野ルネサンス文学の最高峰。待望の文庫化、全三巻。

悲しいのはマキアヴェッリの思想に耳を傾けるものはいても、実現は誰にも出来なかったということだ。

完訳フロイス日本史 4、5 ★★★

作成日、2013年03月31日(日曜日)

完訳フロイス日本史 4 豊臣秀吉篇1

ルイス・フロイス松田毅一川崎桃太訳 中央公論新社

1,100円 2000年04月 ISBN9784122035836

完訳フロイス日本史 5 豊臣秀吉篇2

ルイス・フロイス著 松田毅一訳 川崎桃太訳 中央公論新社

1,200円 2000年05月 ISBN9784122035843

一般 文庫 日本文学、小説・物語 (C0193)

サブタイトルの通り、桃山時代編。

逆説の日本史 別巻1、2

作成日、2013年03月31日(日曜日)

逆説の日本史 別巻1 ニッポン風土記西日本編

井沢元彦著 小学館

710円 2012年09月 ISBN9784094086942

逆説の日本史 別巻2 ニッポン風土記東日本編

井沢元彦著 小学館

650円 2012年10月 ISBN9784094087604

一般 文庫 日本文学、小説・物語 (C0193)

著者の主観による地方の風土の紹介。

悪口は俺が言っているんじゃない。「○◯からの引用だ」というのは「これはジョークで、タイタニックが沈没するとき、命令を言い聞かせるには、○○人には○○、○○人には○○……」といった言い方に似ている。

逆説の日本史 14、15 ★★★

作成日、2013年03月31日(日曜日)

逆説の日本史 14 近世爛熟編

井沢元彦著 小学館

790円 2011年12月 ISBN9784094086027

逆説の日本史 15 近世改革編

井沢元彦著 小学館

690円 2012年06月 ISBN9784094087284

一般 文庫 日本文学、小説・物語 (C0193)

江戸時代中期の話。

天平冥所図会 ★★★

作成日、2013年03月31日(日曜日)

天平冥所図会

山之口洋著 文藝春秋

750円 2010年04月 ISBN9784167773632

一般 文庫 日本文学、小説・物語 (C0193)

宮廷文化が華ひらく平城宮(ならのみや)。木っ端役人の葛木連戸主(かつらぎのむらじへぬし)は、ひょんなことから夫婦となった和気広虫とともに粛々と日々を送っていた。ところが穏やかな日常の裏では魑魅魍魎が跋扈し、権謀術数が渦巻き、戸主も知らぬ間に政治抗争に巻き込まれ……。あの世とこの世、政界も俗界も入り乱れる痛快歴史ファンタジー。

奈良の大仏の建立から、正倉院、恵美押勝、弓削道鏡までのエピソードが書かれている。

天使の歩廊 ★★★

作成日、2013年03月31日(日曜日)

天使の歩廊

中村弦著 新潮社

620円 2011年05月 ISBN9784101355139

一般 文庫 日本文学、小説・物語 (C0193)

建築家・笠井泉二は、一風変わった建物をつくりだす。それは、足を踏み入れた者が、異様な空気に酔いしれる……。老子爵夫人には、亡き夫と永遠に過ごせる部屋を、偏屈な探偵作家には、異次元に通じる家を。そして嫉妬に狂う男には、怒りを静める別荘を。その悪魔的とも言える天才の産物が、不思議世界へと誘う6話。――選考委員絶賛!第20回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。

鹿鳴館の話に引かれた。

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