Leica M3

 〜 古き良き時代の結晶 〜
    


 1954年、フォトキナ(新製品見本市)においてErnst Leitz(エルンスト・ライツ)社からM3が発表されました。

 それまでライツ社は、オスカー・バルナックが“小型で機動的なカメラで、シャープな画像を”というコンセプトの下に開発したバルナック型に、数々の改良を加えてきました。そして、そのコピーと言ってよいカメラを製造してきた日本のカメラメーカーも数多くあったのです。そこに突如登場したM3が巻き起こした反響は、しばしば「衝撃の」といった言葉で語られるように、文字通り想像を絶するものでした。それまでLeitz社が主力として改良を重ねてきたバルナック型カメラの問題点を“一挙に”解決していたからです。

 M3では、ビューファインダーで構図を決めながら同一のファインダー内でピント合わせができ(バルナック型では二つのファインダーに分かれていた)、非常に速写性に優れたものとなりました。シャッターダイヤルはボディ上部に高速から低速までを一軸に備え不回転式としたため、操作が容易になり、また外付けの露出計との連動も可能になりました。ボディシェルの一体構造を踏襲しながらも裏蓋が開くように改良されたため、フィルム装填時の確認がし易くなり、そして、レンズマウントがねじ込み式(Lマウント)から僅かな回転角での装着が可能なバヨネット(Mマウント)に変わりました。しかも、フランジバック(マウント面からフィルム面までの長さ)を1ミリ短くしておくことで、アダプタによる従来Lマウントレンズとの互換性も確保されているのですから、正に“完璧”です。

 M型ライカの中でも“M3は別格”とはよく言われるところですが、実際に操作してみると何よりその存在感に圧倒されます。バルナック型は世界中でコピー機が作られましたが、M型ライカのコピー機というものは基本的に存在しません(デザインを真似たようなものはありますが)。ボディのスペックでは、例えば比較的最近のモデル・M6と比べても大きな違いはないのですが…重量感、剛性感、精密感、といったような言葉で表せばよいのでしょうか、その感触は「全く異なる」と万人に言わせるだけのものを、手にする者に感じさせてくれます。



〜 Specifications 〜

形式         
画面サイズ
ファインダー倍率
フレーム表示
距離計基線長
有効基線長
シャッター形式
シャッター速度
フィルム巻上げ
フィルム巻戻し
フィルムカウンター
セルフタイマー
ボディサイズ
重量
距離計連動式35mmフォーカルプレーンシャッターカメラ
24×36mm
0.91倍
50・90・135mm
68.5mm
62.3mm
機械制御式横走り布幕
B・X・1〜1/1000秒
1作動レバー式・分割巻上げ可能(初期型は2回巻上げ)
引き上げ式ノブによる手動巻戻し
自動復元順算式
内蔵(製造時期により省略)
138(W)×77(H)×33.5(D) mm
595g