総身改メ (お侍extra お侍 習作33)

          〜千紫万紅、柳緑花紅 口絵もどき

 


 ざん・さらら、どん・ざわわ…と、弱く強くの間断なく続く重い囁きは。漆黒の夜陰の中ではその境も判然としないながら、延々と連なる浜辺へ寄せては返す、大海原からの誘うような波濤の響きに他ならず。陸から海への風も強い、そろそろ未明にならんかという頃合いの夜更け。沖から戻る夜釣りの漁船が灯した小さな明かりが、暗闇の中の唯一の星のように覚束無い光を揺らしている。明日の漁への仕掛けを残すため、他の船より遅れての帰港を構えていたらしく、それがようよう戻ろうとしていたところ。今宵はさしたる波もない中、不意に大きく跳ね上がり、頭上に瞬く星たちの、仲間にでも入りたかったかというほどに躍り上がって…そのまま消えた。小ぶりな漁船と言ってもそれなりの大きさや重さはあろうに、それを容易く呑むほどの大きな波は立ってはいない。………と、

  ――― どん…っ、と。

 浜の方から地響きがして、その辺り一帯の空気が震えた。浜と言ってもその辺りは岩礁のすぐ隣り。こちらも結構な距離の続く岩場を挟んだ向こう側には桟橋があり、大きい漁船や商船などが出入りする立派な港になっているのだが、こちらは漁師たちが住まわる浜に沿った側。彼らが漁場とし仕事場にしている沖へと向いて、砂浜のただ中、すっくと立っていたは白い衣紋の壮年の侍で。なかなかに上背があるその背丈ととっつかっつな大弓を、その双手へ差し渡して構えつつ、揺らぎもしないでの仁王立ち。潮の香も濃い磯の風に、背中まで伸ばした蓬髪をたなびかせ、それはいい姿勢のまま ぎりぎりと弦を引き絞っていたものが。ふっと刮目すると、こちらも相当に大ぶりな矢を放つ。目指すは沖合の先のとある一点で、真っ暗闇の中ではあったが、先程消えた灯火の位置をば真っ直ぐ狙っての一閃は、弦を引いての“ため”の間に、男が矢へと込めし…侍のみが生み出せる“超振動”の螺旋力を帯びていて。
「おおっ!」
「何と凄まじい…。」
 疾風のような剛の矢が唸りを挙げて通過した後には、満々と満ちて不動な筈の海の水さえ左右に分かれて跳ね上がり、数拍あとになって…まるで驟雨か霧雨か、潮風の中を降り落ちて、地上や海へと舞い戻って来たというから、その矢の威力は半端ではない。そんな強矢が狙いしは、正に海中の獲物が一匹。海面へと躍り出ていたその間合いをこそ狙っての一矢は、人ならぬ身から繰り出されたような強さと速さで、まんまと目当ての獲物へ到達したらしく。

  ――― ごおぉぉぉん、と。

 水棲の生き物でも叫ぶものかと。その場に居合わせた海人全てが、生まれて初めて耳にしたよな怒号を上げて。巨大な炎の塊が、波間から空中へ、断末魔の叫びと共に高々と跳ね上がった。
「あ、あれはっ!」
「鮫…か?」
 シャチやクジラに比すれば巨大というほどには大きくもないが、それでも…凶暴そうな面構えのその顎の幅は、成年の男衆が易々と丸呑みされそうなほどはあろう一頭の大鮫。先程放たれた矢の鏃
(やじり)に含ませてあった特殊な揮発薬が、突き刺さった腹の中でほとびてそのまま発火したらしく。鮫そのものが大きな行灯のようになっているのを目当てにし、
「…。」
 こちらは灯火もないまま岩礁の突端で待機していた原動機つきの艀
(はしけ)が、今や煌々と明かりを灯しつつ、するすると“現場”へ飛ぶように駆け寄る様が浜からも見て取れる。少々及び腰の船頭が船尾に座して操舵する小舟の舳先には、その身へと叩きつける潮風に柔らかな金の髪と紅色の長衣の裾とをなびかせている、双刀使いの若き侍の痩躯が見えて。
「…っ。」
 波間をのたうち、大きに暴れる鮫へは目もくれず、沖合の側から…やはり鮫へと目がけて走り寄る、一隻の菱垣船を睨みつけ。肩口と腰の脇、双刀それぞれの柄へと伸びた白い手が抜き放ったは、月光の青をぬらぬらと浴びて冷たく光りし、どちらも業物の和刀が二本。
“確か“月峰”と“雪峰”とか言うておったかの。”
 無論のこと特別あつらえの、彼にしか扱えぬだろう奇抜な得物。普段はそのしなやかな背に向かい合いて眠る、それらの妖しき光が同時に抜き放たれ。しかも蒼銀の弧を、夜陰の中、大きく描いて高々と跳ねたからには、無事に相手の船への揚陸に成功したらしく。随分な距離がある沖でのそれら一連を見届けた勘兵衛、

  「合図の法螺貝と篝火を。」
  「はっ!」

 きりりと冴えた指示の声に、すぐ間近で控えていた網元の大将が腕を振り上げれば、待機していた若衆らが、大きな鉄籠を幾つもに用意した薪に手際よく火を点けて、並木のような篝火とし。はたまたそちらは恰幅のいい壮年が構えた、これも大きな法螺貝を高々と持ち上げて吹き鳴らせば、沖合のあちこちへ一斉に灯るは、そちらもじりじりと待機していた海上警邏の奉行船。
「早よう駆けつけてやらねば、えらいことになる。」
 褪めた深色の蓬髪を潮風にたなびかせ、此処からは遥かに遠い沖合を、まじろぎもせぬままに眺めやる、壮年の侍の零した呟きへ、
「さようですね。お仲間様がご無事ならよろしいのですが。」
 相手の船足が飛び抜けて早いことを警戒しての、捕り逃しを恐れた“奇襲作戦”となったがために、こちらの一番槍はあの年若な侍を乗せた艀
(はしけ)のみ。それで相手を現場に釘付けにしたところを取り囲めという段取りとなっており、早く駆けつけてやらねば、そのお侍様がお一人では多勢に無勢で危険だと言いたかったらしい網元だったが、

  「いや、その逆だ。」

 先程までの真摯なお顔が一転し、節々に骨の立った大ぶりな手で顎にたくわえたお髭を撫でつつ…どこか困ったような苦笑を浮かべておいでの壮年のお侍様。
「早よう駆けつけてやらねば、海賊共が瞬殺にての皆殺しにされてしまい、盗品の行方などへの調書が取れなくなるのだ。」
 そんなとんでもないお言いようを、しかも…まんざらでもないという気色に満ちたお顔にて、こぼされた勘兵衛様だったものだから。
「………は?」
 初老の網元は意味が判らず、ただただキョトリと目を見張ってしまったそうである。





            ◇



 どういう手管を用いてか、飼い慣らした大鮫を巧妙に操って。漁船や艀
(はしけ)を襲ったり、商船の航路を塞いだり。板子一枚下は地獄とまで言われる危険な海を相手の日々を送る、歴戦の侍にも劣らぬ豪胆さが自慢な筈の、漁師や船乗りたちを怯えさせては、船を壊しの人死にを出しの。そんな騒ぎのどさくさに金品を強奪したり、しまいには脅した上で献上させまでしての、恣(ほしいまま)に暗躍していた海賊一味が相手の今回は。現場が現場だったこともあり、珍しくも公的な機関、海上の監視や警邏、事故・事件の捜査を束ねる、現地の海上港湾奉行との連携による大捕物と相成ったのだが。それを…到着した翌日にはもう、鮮やかな采配と手際でお見事に片付けてしまった、巷で評判の“凄腕”賞金稼ぎのお侍様 二人連れ。その大活躍を目の当たりにした皆の興奮、なかなか冷めやらないのも無理はなく。奉行所へと連行された一味はそのまま取り調べに入るとのこと、公的な賞金まで懸かっていた連中のその懸賞金を、担当の役人から隠し切れないにこやかさで“どうぞ”と下げ渡されたお侍様がたを、そのまま引っ張り込んでの祝勝の席が、網元の屋敷の大広間にて早々と設けられたほど。有りったけの燈台やロウソクによる灯火で、広間は真昼のように煌々と明るく照らされ、豪華な料理に上等の酒、次から次へと供されて。

  『そりゃあもうもう、えれぇ活躍をこなされてよ。』

 久蔵と共に沖合近くで待機していた艀へ同乗していた、船頭役の若い漁師の言うことには。駆け寄った相手の船からは一斉に、数本は飛んで来ただろう鋼の銛
(もり)を、次から次へと叩き斬って、片っ端から海へと切り落とし。こっちの船端を踏んで、波の高低を読み、程よいバネにしの、風を切って高々と宙へ舞ったお侍様の、まあ何とも颯爽とカッコ良かったこと。大鷲みたいに躍り上がってのそのまま、相手の船の主甲板へと飛び降りて。手に手に蛮刀を振り上げながら、どっと駆け寄る海賊どもを物ともせず、月光の照らす中にすっくと立った姿勢もすらりと崩さぬままに、細身の刀を右へ左へ。どんな名芝居の剣劇だって、ああも上手に相手へ無駄なく当たりはしない。打ち合わせがあったんかと思ったくらいに、空振りも、はたまた牽制威嚇のためのただの棒振りもなしの見事さで、次々の休みなく、相手をばさばさ斬って斬って…と。大仰にも身振り手振りも混じえての興奮気味に、仲間内へと語って聞かせていた彼だったけれど。

 “随分と腰が引けておったからの。”

 語ったほどには…斬ってるところの詳細をまで、ずっとまじまじ見てはいなかったであろうにと推察する勘兵衛で。いくら日頃から、刀のような大包丁にて 大マグロや何やを豪快に切り捌いていても、それとこれとは完全に次元が別物。人の命を奪り合う、言わば殺人と等しき残酷な切り結び。実際に斬り裂かれていた凄惨な場面はよくよく見てもないからこそ、あんな風に自慢げに語れるのだと。こういう展開にも慣れている勘兵衛が、安堵の意も込め、盃の陰にてこそりと苦笑した宴の席から。
『…。』
 潮風に冷えたからだろか。それとも相手の陣営に、機巧侍のミミズクや乗用型装甲のヤカンも混じっておったらしいので。久々に手ごたえがあってのこと、さすがに疲れた彼なのか。日頃以上に寡黙な連れに気づいて早々に立ち上がり、用意されていた宿の、離れの部屋へと戻ったところが。

  「…久蔵。」

 先程まで身を置いていた網元の屋敷にもほど近い、この村での一等地という高台にあるがため。灯台のある岬と海原とを見渡せる絶景が見事だった窓にも今は。潮除けの鎧戸が重く引き下ろされた、広々とした畳敷きの居室の真ん中辺り。砂壁の違い棚へと置かれた、趣味のいい有明行灯の。和紙の囲いから放たれる、柔らかな明かりの中へと上がり、たんっと後ろ手に襖を閉じたその途端。それまではどこか、肅々としてさえ見えたほど大人しかったものが。いきなり動いて…連れの衣紋を掴むと、その前合わせ、自身の両腕の尋の目一杯、大きく左右へと割り開いている久蔵であり。
「…。」
 名指しの声かけへも、ほとんど表情を動かさぬままの無反応。相手の広々とした懐ろ胸板、丹念に丹念に凝視で辿り。その視線の先が肩の一点へ到達すると、
「…。」
 赤い双眸からの視線が見る見る内にも細められ、それは鋭く尖ってしまう。それが…応急の手当てをしたのだろう、晒布に下から滲んで乾いたらしき、黒ずんだ血の跡へと突きつけられていることは、勘兵衛の側でも察しており、

 「…何故、庇った。」

 どうして、浜から矢を射たという今宵の彼の担当した仕事の中でこのような怪我を負えるのか…などというような、間抜けなことは訊かないところがまた、周到というか恐ろしいというべきか。
「お主の持ち場は違うたはずだが。」
 どうして“庇った”ことまで知っておるかと訊くことで、勢いづく語調への間合いをおこうと図ったが、
「見てなかったと思うたか。」
 すかさず返るは、短いながらも確定的な一言であり。何とも省略しまくりの彼らのやり取り、詳
(つまび)らかにするためには、今日本日の昼間まで逆上った話になる。
『…っ!』
 此処で何が起きているのかという事情を余さず訊いて、さてでは いよいよの仕掛けをと構え、ここいらの状況を探査の途中。彼の動向を窺っていたらしき相手の内通者、所謂“草”らしき娘がおり、尾行に気づかれた勘兵衛から逃げるように駆け出すのを捕まえて、揉み合いになったところ、どこやらからか吹き矢が飛んで来た。どうやら別口の草もいたらしく、そやつが口封じを構えて為したこと。自分の体の陰へと引き入れた上で、咄嗟の手刀で娘を気絶させ、吹き矢の矢は勘兵衛が庇って当たってはおらず。これで相手は娘は死んだものとでも思ったろうからと、意識が戻った彼女から向こうの内情を逐一吐き出させた…のだが、
「毒でも塗布されていたものか、傷から熱が発したのでな。」
「…っ。」
 そんな言いようを続けるものだから、それへはさすがにハッとして、その表情を硬くした久蔵へ、

 「なに、防護の肩当て越しであったから、大して深くは刺さっておらなんだ。」

 皮革製のプロテクタを当ててあった位置だったので大事はない。熱を感じたことから、
「一応の処置として、そこを小柄で抉って難は逃れた。」
 物騒ではあれ最善の対処を取った、その痕跡がこの傷よと。だから大事はないし、だから言わなんだとの含みを載せた、あくまでも穏やかな視線を、懐ろに居続けの相手へと返せば、
「…。」
 多少は安心したらしく、強ばりを見せていた薄い肩から力みは去った。とはいえ、

  「…今の今まで。」

 お怒りの原因となっている要素は他にもあって。そんな騒ぎがあったのは昼の内。娘の生存を隠すため、コトは内密にされており。とはいえ、この自分へまで、こんな怪我を負ったこと、今の今まで黙っておったはどういう料簡かと。俺が気づかなんだなら そのまま、黙って通すつもりでおったのか?とばかり、今度は…静かな怒りにも似た、責めるような気色を帯びての、いかにも不服そうな眼差しが、すかさず見上げて来たけれど。
「いや。」
 勘兵衛がやはりゆるゆるとかぶりを振ったは、決して“これ以上怒らすまい”と迎合してのそれなぞではなくて。こんな風に、仕事を終えると身体中のあちこちを改められるのは…実は今に始まったことではないからに他ならない。そんなにも信用がないのかと、一度訊いたことがあったものの、
『…。』
 無言のまま、それは大きく頷首されては二の句も継げずで。事後に一緒に風呂にでも入らぬ限り、この検分、もはや当然の仕儀・流れにさえなりつつあったから。つまりは、

  ――― 黙っておっても探し当てるではないか、と。

 暗にそうと言いたかった勘兵衛であるらしく。
“そんなにもこの身を損ねさせるのが嫌なのかの。”
 いつか自分が斬るためだと言いつつも、それだけとは思えぬほどのムキになって。自分が護るのは勿論のこと、その身を損ねてはならぬと、勘兵衛自身へも一丁前にもお叱りを向ける彼なのが。それはそれは大事にされてるそこからの、慣れないことゆえのこれも余波だろうということくらい、それこそこちらでも重々判っている。なので。理不尽にも叱られても、平気…どころか、あまりの微笑ましさが擽ったくも嬉しいくらい。そして、
「…。」
 悪びれるでない、むしろ、柔らかく微笑ってさえいるお顔に見下ろされ、
「…。/////////」
 ああ、いつもこうだと。いつもこのお顔に丸め込まれてるなぁと。そんな想いへのささやかな憤懣が、久蔵の胸の奥のどこかで膨らんだけれど。相手の衣紋の合わせを握ったままでいた手へそぉと、暖かで大きな手がそれぞれに重なって。操られるようにして…袷
(あわせ)の衿元、ぱたぱたと重ねて直したそのついで。衿から剥がされた手の、利き手の方を掴み上げられ、そぉっとそぉっとの口づけが指の節へと捧げられると。もうもうそんなことは、彼の中でも どうでもいいことになってしまう。少し枯れてもいるせいか、低められるとその響きが微かに掠れる声を、頬を伏せた胸元から直に聞いておれば、

  「お主こそ、この傷はいかがした。」

 この薄暗がりの中では見分けもつくまいから、ずっと明るかった広間にいた折、既に見咎めていたのだろう。こちらの背中でゆるく交差されてる腕の先。頭の側という後ろから回されて、頬までへとすべり込んで来た、少ぉし堅い指の腹にて。そぉと撫でられて、だが、かぶりを振る久蔵であり。
「大事ない。」
 呟けば、
「なくはない。」
 すかさずの声が返って来たのへ、

  ――― 俺は治りが早い。

 壮年の勘兵衛とは回復力が違うのだと。ふふんと鼻で嘲笑って見せたは、小憎らしいほど綺麗なお顔。それへと一瞬眸を見張り、だが…再びのやわらかい苦笑を浮かべた勘兵衛の、それは精悍で男臭いお顔が大好きな久蔵。離れていた間を取り戻したいと言わんばかりに、今度は胸と胸とを合わせるようにとその痩躯を伏せていた、広くて深い男の懐ろから。

 「…。」

 思うところがあってのこと、少しばかり身を起こした彼であり。それへと応じてそぉっとそぉっと降りて来たのを、まつげをゆるく伏せての 夢見るような眼差しで迎え入れ。重なった唇の温かさに、二人揃って生きている証しを感じ取る。

  ――― そう。二人、揃って。

 落ち着ける懐ろへとあらためて抱き込められて。他には傷を負うてはおらぬか? そんな囁きへ、調べれば良かろうと返しながら嫣然と笑えば。良う言うたのと笑うと同時、今度は男の手がひょいと機敏に動いて。久蔵の膝から足元までを、あっと言う間に掬い上げ、それは軽々と抱き上げており。
「…。」
 頼もしい腕へと身をゆだね、もっと間近になった深い笑みを陶然と見やりつつ。先程は刀を振るうことでざわりとうねって沸き立った血のざわめきが、今度はまた別の甘い囁きに擽られ。潮騒の音だと誤魔化すには…間近過ぎて無理のあるほど、さわさわと落ち着きなくも騒ぎ立つのを感じ取ってしまった久蔵で。
「…。////////」
 さぁっと血が昇りし自身のお顔を覗かれるのは嫌だから。相手の首元へと頬を埋め、早よう寝間へと促すように、相手のお背
(せな)の髪を引く駄々っ子へ。痛いというにと叱る勘兵衛の声も、くつくつ笑いが滲んでの、静かで優しいそれだったりし。あんな豪快な活劇さえ、彼らにとっては単なる“お仕事”に過ぎないらしく。それより意味ある“時(いとま)”を過ごすため、今この時ばかりは互い以外には何も要らぬと。ただただ見つめ合うことで、それ以外の“世界”を 夜陰の帳へと切り落とし切り離す。


  ………さぁさ、よい子は早よう寝た寝た。ババの話はこれでしまいじゃ。
(苦笑)







  〜どさくさ・どっとはらい〜  07.3.10.〜3.11.


*いかっち様から、垂涎の逸品を頂きましたvv →


  *サメはどうやって退治したのかとのご質問への、
   これがご納得のゆく答えになっていればいいのですが…。
(笑)

  *久蔵さんにしてみれば、
   “助けは要らぬっ”とか言っておきながら、なのに、
   結構危ない戦い方をしていた勘兵衛様だったのを覚えているので、
   毎回、お仕事の後にはこうやって検分していると笑えるかなとか思いまして。
   鉄砲の気配へも、七さんがいつも先に気づいてましたしね。
   そこんところはやはり寄る年波な(略)

  *そしてそういう久蔵さんも、勝てば官軍と言いますか、
   案外と自分の身には構わぬ“五十歩百歩”なお人だったりして。
   も、だらだらと流血しているほどの大怪我しておきながら、
   このアザは何だと、勘兵衛様の大したことない怪我へ猛烈に怒る、
   大人の矛盾で一杯な人になっちゃうその前に、
   是非とも七さんから助言してもらっといた方がいいぞ、おっさま。
(苦笑)


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