「…。」
「…大事ないか?」
目眩いはしないかと案ずれば。頷きながら唇を舐め、甘いと呟いたそのまま小さく微笑った彼が。一体何を喜んだのか、勘兵衛には生憎と判らなかったが。そうかと微笑って、無理はするなと、間近になった耳朶へ囁く。そのすぐ傍ら、おとがいの陰には赤い痣。雪の上へとこぼれた椿の、花びらのよに艶やかで。そのまま上へ、この唇を合わせるまでもなく、同じ跡になると知っている。今度はこちらが取り留めなくも上機嫌になったのへ、久蔵が瞬きをしつつ不審がったが、
「?」
「いや、なに。」
この冷え込みでは明朝は雪かも。そうなれば、表の生け垣の傍らでも同じ跡が見られるかも知れぬ。そんな不埒なことを年甲斐もなく思っただなんて。口には出せぬと自制が働き、その代わりのように苦笑が洩れてしようがなくて。そうこうするうち、自分で小さな猪口へと甘い酒を垂らし始めた連れ合いへ、あまり過ごしてくれるなと、じゃらしがてらに囁く傍ら。無音の夜陰へ、雪が降り積む………。
〜Fine〜 08.1.27.
*あああ、何か変な代物になっちゃったかも。
勘兵衛様が好きで好きで堪らない久蔵さんというの、
うんと意識してみましたら、
好きが嵩じて何だか妙なお人になってしまったかも。(ううう…。)
あらためまして、
いかっち様、サイト開設1周年おめでとうございます。
惚れ惚れするよな勘兵衛さまと可愛いキュウを、
これからも描いてくださいませね?
このようなへたれた代物になってしまいましたが、
よろしかったならご笑納くださいませ。
いかっち様へ、 Morlin.参る
*追記。
こんな珍妙な代物へ、
素晴らしいカットをつけていただきましたvv (うひゃあ!!)
あああ、やはり色っぽいです、お二方vvv
ありがとうございます〜〜〜〜っvv
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