平成16年(ワ)第387号 交・損害賠償 請求事件
原 告: ちゃありぃ
被 告: 無責任なスノーボーダ君
上 申 書
平成16年7月20日
横浜地方裁判所 第6民事部はB係 御中
原 告: ちゃありぃ 印
頭書事件の和解にあたり、下記の点についてご留意いただきたく、上申させて
いただきます。
記
第1 本件事故状況について
本件事故は、通常のターンで滑走中の原告に、突然何の前触れもなく、上方か
ら被告が一方的に衝突してきたことにより起きたものです。
被告陳述書に記載されているように、衝突前に被告がとった滑走方法は前方不
注意を産む滑走方法であったことは明らかです。(原告準備書面 -2- 第3 3〜
5)また、直滑降しておりスピードが出ていたことも被告は認めています。前方
不注意で原告の発見が遅れ、スピード超過で衝突が避けられなかったのですから、
被告が主張している「不可抗力」であるはずがありません。
また、事故状況についての被告主張には論理的におかしな点があり事実ではな
いと考えています。原告の右ブーツ側面に衝突時の傷が残っていることから、原
告が右足を山側にして、ターンに入る動作を始動する時に衝突が起きたことは確
かです。(甲23号、甲25の2)仮に被告主張のように「ゲレンデ右端1〜2メ
ートルの地点」で「原告が突然進路上に現れた」と仮定し、かつ原告がターンを
しようと始動する体勢にあったのであれば、ゲレンデは衝突位置から右側には1
〜2メートルしかないわけですから、原告はゲレンデの外側でターンをしようと
いうようなコースどりをしていたことになってしまいます。そんなことは絶対に
あり得ません。
被告主張の事故状況は、スキーやスノーボードを知らない人が被告に有利にな
るよう交通事故を模して後づけで創作した事故状況説明としか思えないのです。
現実の事故の状況は被告主張とは全く異なるにもかかわらず、他人を傷つけた
被告が、事故後はしらん顔をし、かつ裁判になっても自分の非を認めず、「不可抗
力である」と言うだけで、仮に被告の過失が大きく減じられるとしたら、理解で
きません。
第2 被告算出の損害額について
被告は、以下2つの実例で示されるように、本来認められるはずの原告損害を
無視して損害額を算出、主張しており非常に不誠実であると考えます。被告主張
の損害額をベースとして和解案を作成されないようお願い申し上げます。
1 被告は有給休暇を使用した原告損害を無視
被告は、33日の有給休暇を使用した休業補償86万6034円を全く無視
して損害額を主張しました。この点については、6月29日の弁論準備手続きの
場にて、裁判所に原告主張の正当性を認めていただきました。
しかしながら、法を修めたはずである被告代理人による非常識な主張にて審議
が混乱されているように感じます。ご留意いただきたくお願い申し上げます。
2 被告算出の慰謝料は、実通院データを無視した不誠実な主張
原告は本件対応で複数の病院を受診しており、それぞれの通院日数は以下のと
おりです。(詳細は甲12号1および2)
(1)湯沢町K整形外科 … 1日
(2)K病院 … 2日
(3)済生会N病院 …13日 ←手術対応の総合病院
(4)H医院 …35日 ←済生会N病院主治医の指示・紹介で受診
(5)M機O所 … 3日
合 計 53日
被告は、甲12号の1という事実に基づく通院データを無視して、通院日数は
上記のうち(3)の医療機関への通院日数のみ、しかも1日少ない12日間とし、
そこから慰謝料98万円を算出して主張しています。
事実に基づくデータによれば、12日間の入院、53日の実通院日数、186
日間の通院期間、すなわち、入院1カ月、通院期間6カ月となり慰謝料は92万
〜170万となります。さらに、手術を受け,全く自力移動不能の自宅療養48
日間、ギプスによる固定期間69日間(通常の下腿骨折の約2倍)、松葉杖期間1
06日にものぼることから重症な骨折であり、その範囲の最高額である慰謝料1
70万を請求してもおかしくないと考えています。
被告が事実に基づくデータを無視し、一部の医療機関の通院データだけを採用
して損害額を低く主張しているのは、前述の有給休暇の休業補償と同様、作為的
に審議を混乱させているとしか思えません。