平成16年(ワ)第387号損害賠償請求事件            

原  告  ちゃありぃ

被  告  無責任なスノーボーダ君

 

                 準 備 書 面 1

                事故概要、事故原因に関する反論概要

 

                         平成16年5月27日

横浜地方裁判所 第6民事部 はB係 御中

 

                       原 告  ちゃありぃ 印 

 

 平成16年4月22日被告作成準備書面での被告主張の事故状況に対する原告

の反論を述べる。

 

第1 本件事故の大要

 原告は、斜度のゆるやかな初級コースを、通常スキーヤーが滑るようなS字形

のパラレルターンでゆっくり下方に向かって滑走していた。数ターン、斜面開始

地点から約100メートル程度下方にさしかかったところ、被告がゲレンデ上方

よりスノーボードで直進し、原告の足首に被告のスノーボードを衝突させた。そ

の際原告が受けた衝撃はあたかも全くブレーキもかけていないかのような猛スピ

ードを思わせるような衝撃であり、その衝撃により原告の体は下方に約10メー

トル以上も突き飛ばされた。この衝突事故により原告は骨折という重症を負った

ものである。

 

第2 被告主張の事故状況への反論

1 事故は原告の滑走ルートに被告が後方から突込んで来たことにより発生

 原告は急激な進路変更は全く行っておらず、一定のリズムのターンで斜面下方

に向けて滑走していただけである。事故は、原告の通常のスキー滑走ルートに被

告が上方(後方)から猛スピードで突っ込んで来たものであり、原告の飛び出し

であるかのごとくの被告の主張は事実に反する。(甲25号証の2)

 

2 衝突時の衝撃は猛スピードを想像させるほどの強度であった 

 衝突時に被告が受けたものすごい衝撃は、ほとんどブレーキもかけずにまっす

ぐ突っ込んで来たかのごとくの強い衝撃であった。尻餅を突きスピードが吸収さ

れた後の衝突衝撃であるかのごとくの被告の主張は事実に反する。

 

第3 原告の主張概要

 事故は、一定のリズムで通常のパラレルターンをしていた原告の滑走ルートに、

被告が斜面上方(後方)から猛スピードで一方的に追突してきたものであり、原

告に何ら過失はない。このことは、事故直後に作成された甲2号証、甲3号証、

および甲8号証3で裏付けられている。また事故調査の場で、被告が原告の後ろ

から突っ込んだことと事故原因が被告にあることとを被告が認めて謝罪していた

ことにつき、本件事故調査を担当したパトロール隊員の証言が新たに得られてい

る。(甲19号証)

 被告は、事故後に原告に連絡をとらなかった理由について、事実を曲解し、原

告の行動に問題があった為かのごとくの事実と異なる主張を行っている。これと

同様に、事故原因についても事故発生直後は自分の非を認めていたにもかかわら

ず、裁判に至って前言を翻し、原告に過失があったかのような事実と異なる主張

を行っている。

 後方滑走者であった被告には、前方注意義務、衝突回避の責任がある。衝突を

回避できないスピード超過状態であったことの他にも、一時停止し安全確認して

いない、斜面中央側を確認しずらい姿勢をとり続けた、という前方滑走者の発見

の遅れを誘発するような行動をとっている。このことは被告陳述書で確認できる。

 

 以上の原告主張、反論根拠につき、下記の文書構成にて詳細を述べる。

(1)        準備書面 -1-  事故概要、事故原因に関する反論概要(本準備書面)

(2)        準備書面 2-  事故原因に関する反論(詳細)

(3)        準備書面 3-  被告指摘事項に対する反論

(4)        準備書面 4- 「誠意のない対応」に関する被告弁明への反論