南魚沼市議会議員 佐藤剛 |
亀田メディカルセンター 亀田病院は亀田メディカルセンターの中核として、また一般802床、精神60床、医師数350人で救命救急センター併設(千葉県第3次救急指定)の基幹病院として、優れた医師、高度な医療機器を備え千葉県南部の急性期高度医療を担っている。 第1印象としては、患者と医療スタッフの動線を別にしていることもあり、またISO9001の認証や病院機能評価機構の認定を受けていることからか、病院がきれいだということ、そして何より医療の質の向上を目指している姿勢が随所に感じられた。 当日の院長の話は、現在の「医療」全体、「地域医療」の抱える問題点をわかりやすく解説し、今後の魚沼圏域の医療のあり方にもたいへん参考になる有意義な話であった。 概要は以下のとおり。 ・・・現在の医療は何が起こっているのか・・・ ・医師、看護師の不足 ・医療提供者のモラルの低下 ・医療提供者と患者の信頼関係の崩壊 などにより、医療、地域医療は崩壊の危機にある。したがって、ハードな箱物はいつでもできる。「人」は10年かかる。政策転換をして医師をどう育てるか。 併せて、国民がより質の高い安全な医療サービスを期待する中で、国民皆保険の堅持と医師不足等による世界標準の医療の提供をどうするか。そのために医療費急騰の対応、医療提供制度の崩壊の対応、世代間格差による社会保障制度の限界等どうするか。早急に対応が必要であると指摘している。 3次救急対応の基幹病院については ・医師がどれだけ確保できるかにかかっており、病床数何床の病院を開設したいではなく、何人の医師を確保できるかを先ず考えなければならない。 ・医師数に見合った病床数であれば、運営はうまくいく。黒字になる。 ・医師の勤務状態等を考えれば、150人以下で3次救急がやれるわけがない。 ・基幹病院が400床程度で3次救急をやるのであれば、150〜200人以上の医師がいなければ崩壊する。 ・家庭医と基幹病院をどう組み合わせるか。(それぞれ、やりたい医師はいる) なども、これから基幹病院が具体化する中で参考になる話でありました。 (私の主な質問) Q:新潟県は当市隣接の県立2病院を統廃合し、基幹病院を予定している。ここで1番問題になるのが医師確保である。都立病院も5年後には全部閉鎖になることが懸念される現状で、当市に予定される基幹病院の医師は首都圏から募集する考えがあるが、3次救急を行う地方の基幹病院で高度医療を行うだけの医師確保の方法は、どういう方法が考えられるか。アドバイスいただきたい。 A:基幹病院を独立行政法人である新潟大学の分院として設立し、医師には教授、助(准)教授のポストを与えるなどすれば、集まる可能性はある。 |
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藤岡総合病院、外来センター 藤岡総合病院においては、入院部門と外来部門を分離しているところに、今後予定される基幹病院と市立ゆきぐに大和病院の関係を重ね合わせることができ、興味深く研修した。 入院と外来を分けた意図は視察の中では明確でなく、結果として経営がうまくいかず失敗であったと考えているようであるが、形としては中核となる病院とその周辺に家庭医的な医療施設があり、そこで1次医療を担い、それ以上は中核の病院という構図は、今後望まれる形だと私は個人的に感じた。 ただ経営的には両施設ともに多野藤岡医療事務市町村組合で一緒であるため、医療機器の設置等は、入院施設の病院と外来センターまたは健康管理センターとで重複した機器配置にならざるを得ないところがあり、たいへんな面は感じられた。 但し、公立ということもあり医療に対する「公」の役割というか、医療、保健、福祉の連携を推進する姿勢が感じられた。 そのひとつの形かとも思うが、健康管理センターは外来センターの中にあり、当市のゆきぐに大和病院と同じように、ワンフロアーで全ての検診ができるよう配慮されていた。 (私の主な質問) Q:当市では、基幹病院が2次、3次を担って、隣接する市立ゆきぐに大和病院が1次を担う方向で検討が進められているが、外来に特化することで運営、経営上のアドバイスをお願いしたい。 A:1つには、病院にするか、診療所にするかの問題がある。 病院にすれば病床数に対応して医師を確保しなければならず、診療所にすれば医師の制限がなくなるが、ベッド数の制限がある。 外来特化では収入が少なく経営的には難しい。外来プラス慢性期の入院を受けることが必要。 急性期対応の基幹病院の慢性期患者の受け皿も必要なはず。病棟があってこそ運営が成り立つ。 |
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