
毛髪の発毛によって脱毛が改善するレベルには、わずかな産毛のみが再生する程度から始まって、脱毛以前の状態にほぼ毛髪が再生するレベルに至るまで大きな差が有ります。脱毛に悩む人にとっては毛髪が再生して、外見が改善しなければ成功したと思えないのが本音でしょう。産毛が生えた程度では見た目は全く改善されないため満足感はほとんど得られないはずです。 育毛剤を使って外見が改善する程度までに毛髪が再生する成功率はミノキシジル2%〜5%で10%〜35%、フィナステライドで42%〜66%程度です。弱いミノキシジル(例:リアップ1%)や効果の保証されていない育毛剤を使用しても、満足できる結果が得られる可能性は相当低い(ほぼ失敗する)と考えるのが妥当です(5%以下?)。さらに遠慮なく言えば、臨床試験の偽薬と効能の大差がないものが国内で大量に販売されているという驚くべき状況です。脱毛に悩む善良な市民を詐欺まがいの誇大広告が狙っていますのでご注意ください。かすかな産毛しか生えてこなくても、発毛効果があるというのが大方の言い分です。確かに発毛には違いないが、発毛によって外見が改善した成功率で議論して欲しいものです。因みに、ミノキシジル2%を使用してわずかな産毛が再生する成功率であれば84%もあります。ほとんどの人が発毛すると言う夢のような数字です。現実は、上記で示したようにせいぜい10%〜35%の人しか満足が得られません。しかも、頭頂部の脱毛のみにしか効果はありません。 ミノキシジルは毛髪の発毛を促進する効果を持っているが、脱毛の根本原因である男性型脱毛症を治療する効果はありません。言い換えれば、脱毛原因は野放しの状態で放置されたままということです。 病的な原因による脱毛を除くと、脱毛の原因はほぼ男性型脱毛症(全脱毛の95%)によって引き起こされています。脱毛治療にミノキシジルのみを使用していることは、一方で発毛を促進し毛髪を増やしているが、もう一方では男性型脱毛症による脱毛の速度は少しも衰えていないことを意味します。ミノキシジルによる発毛の速度が脱毛を上回れば毛髪が増えて回復することになりますが、逆になれば毛髪がまるで増えないか、さらに脱毛が進行することになります。いわば、権兵衛さんがせっせと畑に種を蒔いている端から、カラスがどんどん種を食べてしまっているようなものです。カラス(男性型脱毛症)を退治しない限りは、成果の得られない徒労に果てしなく付合っているのも同然です。男性型脱毛症の影響の度合いが弱い人はミノキシジルのみでも発毛しますが、影響の強い人はどんなに頑張ってミノキシジルを塗っても毛が生えてこないという訳なのです。 脱毛の治療には、根本原因である男性型脱毛症対策は必須条件なのです。つまり、男性型脱毛症対策を施したうえでミノキシジルを使用しなければ、発毛の成功率は上がりません。 また、ロゲイン5%の使用説明書にも明記してあるように、ミノキシジルは男性型脱毛症の典型である前頭部、及び生え際の脱毛には効果がありません。この事実も、男性型脱毛症対策の必要性を示すものです。 育毛の実践の考え方 育毛を実践するにあたっては、毛髪の知識、脱毛の状態、育毛剤、などに関する情報を総合的に判断して、個人個人の脱毛に合せた適切な育毛方法を選択する必要があります。基本的な考え方は次の3つの原則に基づきます。 1. 男性型脱毛症治療対策は必須。 2. ミノキシジル単独では使用しない(男性型脱毛症対策と組み合わせる)。 3. 病的な脱毛は専門家(医師など)に相談する。 この原則は、素人では男性型脱毛症しか対処すべきでないということも意味します。 育毛剤の目的別分類 使用目的に分けて育毛剤を以下のように分類します。この中で主要な育毛剤として使用されるのは、フィナステライド、デュタステライドあるいはミノキシジルです。その他は、症状に合せて補助的に使用します。 男性型脱毛症治療薬(経口用錠剤) フィナステライド(Finasteride):男性型脱毛症を抑え、発毛を促進する飲む育毛剤 デュタステライド(Dutasteride):フィナステライドより強力と期待される飲む育毛剤 発毛促進剤(頭皮外用剤) ミノキシジル(Minoxidil):毛根を刺激し発毛を促す頭皮用塗り薬 男性型脱毛症用育毛補助治療剤 単独では使用せずに、フィナステライド、デュタステライドあるいはミノキシジルと併用する 男性型脱毛症抑制シャンプー(頭皮用洗剤) ケトコナゾール(Ketoconazole):フケ、男性型脱毛症を抑える 男性型脱毛症抑制治療剤(皮膚外用剤) スピロノラクトン(Spironolactone):男性型脱毛症を抑える 男性型脱毛症を抑える効能もある高血圧治療薬(経口用錠剤) アゼライン酸(Azelaic Acid):男性型脱毛症を抑える 育毛剤の吸収促進剤(皮膚外用剤) トレチノイン(Tretinoin):ミノキシジルの皮膚吸収を促進する ここでは脱毛の症状に合せて、脱毛治療剤を使用した様々の育毛対策をご紹介します。脱毛の治療は、虫歯にならないために毎日歯を磨くのと同様に、日々の治療を継続することが大切です。発毛が確認できるまでには早い人で2、3ヶ月、遅い人では6ヶ月以上かかることもあります。1、2ヶ月で結果が出ないとあきらめるのはあまりにも気が早すぎます。最低でも6ヶ月から1年間は治療を継続する必要があります。成功をあせらずに、日々の生活習慣として気長に継続すれば、神(髪)の恵が与えられる幸運も得られます。 単独の育毛剤では効き目が十分でないのであれば、できるだけ多くの育毛剤を使えば良いかといえば、そうでもありません。育毛剤の中にはかなり作用の強い薬や、副作用の恐れもあるものも含まれるため、個人の身体の状態に合せて慎重に判断する必要が有ります。複数の脱毛治療薬を同時に使用した場合の副作用に関する報告はされていないようです。素人の安易な判断で多くの薬をまとめて同時に使用することは副作用に遭う危険性があります。治療薬に関する説明書などをよく確認したうえで、治療薬を個別に順番に試してみて、副作用のないことを確認しながら慎重に治療を進める必要があります。また、副作用と思われる症状があらわれた場合は、必ず医師などの専門家に相談してください。 ここで紹介する育毛対策に関しては、全てを試したわけではないし、個人によっても治療の結果は異なりますので、効能や副作用に関してはこのサイトでは責任は持てません。ここで紹介する情報はあくまでも参考情報として利用していただき、育毛対策実施にあたっては個人の自己責任で行ってください。 脱毛が始まってから15年以上も経過し、産毛も消失するほど完全に脱毛した人はどのような育毛治療剤を使っても効果は期待できませんので、カツラや植毛により外見を改善する方法を選択することをお勧めします。 軽度の脱毛症向け発毛対策 楽々メニュー (外見改善成功率:42%〜66%) 一日に一回1錠の錠剤を飲むだけの簡単な対策法。中度以上の脱毛にも有効。 使用する育毛剤:フィナステライド(プロペシア、あるいはフィンペシア) デュタステライド(アボダート) お勧め:仕事などで忙しい人、不規則な人、男性型脱毛症の人全般 使用法:一日に一回1錠の錠剤を服用 簡易メニュー (外見改善成功率:10%〜35%以上?) 比較的安く簡単に実施できる対策法。毎日朝晩二回の治療が必要。 使用する育毛剤: その(1)ケトコナゾールシャンプー、及びミノキシジル5% その(2)ミノキシジル5%(アゼライン酸含有)単独使用 その(3)ミノキシジル5%、アゼライン酸 その(4)ミノキシジル5%、スピロノラクトン お勧め:几帳面で規則正しい人、頭頂部のみ軽度の脱毛の人 使用法:ケトコナゾールシャンプーは週に2回洗髪 アゼライン酸は一日に2回1mlの量を頭部に塗布(ミノキシジルの使用前) スピロノラクトンは一日に2回1mlの量を頭部に塗布(ミノキシジルの使用前) ミノキシジルは一日に2回1mlの量を頭部に塗布 中度の脱毛症向け発毛対策 強力メニュー (外見改善成功率:10%〜35%以上?) ミノキシジルの吸収を促進して発毛効果をさらに高める対策法。 育毛剤: その(1)ケトコナゾールシャンプー、トレチノイン、アゼライン酸、及びミノキシジル5%以上 その(2)ケトコナゾールシャンプー、ミノキシジル5%以上(アゼライン酸、トレチノイン含む) お勧め:几帳面な人、少しでも多く増毛したい人、頭頂部の軽〜中度の脱毛の人 使用法:ケトコナゾールシャンプーは週に2回洗髪 トレチノインは1日1回少量を頭部に塗布(ミノキシジルの10〜15分前) ミノキシジルは一日に2回1mlの量を頭部に塗布 中度以上の脱毛症向け発毛対策 最強メニュー (外見改善成功率:42%〜66%以上?) ミノキシジルとフィナステライド、デュタステライドを組合わせた万全の対策法。 育毛剤: その(1)フィナステライド、トレチノイン、及びミノキシジル5%以上 その(2)フィナステライド、ミノキシジル5%以上(アゼライン酸、トレチノイン含む) その(3)デュタステライド、トレチノイン、及びミノキシジル5%以上 お勧め:何としてでも確実に増毛したい人、中度以上の男性型脱毛症の人 使用法:フィナステライド、デュタステライドは一日に一回1錠の錠剤を服用 トレチノインは1日1回少量を頭部に塗布(ミノキシジルの10〜15分前) ミノキシジルは一日に2回1mlの量を頭部に塗布 発毛成功後の毛髪維持対策 発毛剤によって回復した毛髪は、治療を止めてしまうと再び脱毛が始まります。適切な維持対策が必要です。状況によっては上記の発毛対策メニューも取り入れます。 軽度の脱毛症(頭頂部の脱毛)用維持対策 (1) ケトコナゾールシャンプーのみ、あるいはミノキシジル2%〜5%のみ 中度の脱毛症用維持対策 (1)ケトコナゾールシャンプー、及びミノキシジル2%〜5% (2) ミノキシジル5%(アゼライン酸含有)のみ (3) フィナステライド、あるいはデュタステライド |
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| 参考資料 1)European Journal of Dermatology. Vol. 9, Issue 8, December 1999: 606-9, Review article Hans WOLFF Christian KUNTE Klinik fur Dermatologie und Allergologie, Ludwig-Maximilians- Universitat, Frauenlobstrase 9-11, D-80337, Munchen, Germany. 2)Clin Pharmacol Ther 1990 Apr;47(4):439-446 Influence of tretinoin on the percutaneous absorption of minoxidil from an aqueous topical solution. Ferry JJ, Forbes KK, VanderLugt JT, Szpunar GJ Clinical Pharmacokinetics Unit, Upjohn Company, Kalamazoo, MI 49001 Clin Pharmacol Ther 1990 Apr;47(4):439-446 3)The Mystery of Alopecia by US Pharmacist Topical Minoxidil Therapy Issue date: April 1997 4)Guidelines of care for androgenetic alopecia American Academy of Dermatology 5) 米国National Institutes of Health (NIH) 提供の医薬品情報MEDLINEplus http://www.nlm.nih.gov/medlineplus/ |