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越後百山 金城山(1369m)

登頂年月日 
1996.11.03
天候 晴れ 単独 マイカー 三角点なし

大月(7.05)−−−3合目標識(7.35)−−−林道終点(7.53)−−−電波塔(8.15-8.20)−−−五十沢分岐・6合目(8.30)−−−8合目(9.00)−−−金城山(9.25-9.30)−−−雲洞コース分岐(10.20)−−−6合目(10.45)−−−林道(11.20)−−−雲洞庵(11.40-11.55)−−−大月(12.20)

山頂付近の紅葉
六日町から地図を頼りに自動車を走らせた。大月集落に入ると金城山登山道の標識があった。予定の雲洞コース登山口と決め込んで、標識どおりに山裾へ自動車を向ける。不安を煽るような『熊に注意』の看板。次の道標で林道へ入る。車幅ぎりぎりの細い道、切り返さないと曲がり切れないカーブも幾つかあり不安になって来る。途中で集落まで引き返して村人に尋ねてみるとこの林道で間違いないという。
細いこの林道は、予定していた雲洞コースではなく大月コースだった。結局林道入口に駐車して、予定外の大月コースをたどることにした。
今が紅葉の盛り、林道歩きも苦にならない。皮肉なことに先ほど車を引き返した先から勾配が緩くなり、道幅も急に広がっていた。

間もなく林道が二分して3合目の表示があった。林道に散り敷いた色模様の落ち葉は、踏みつけるのが惜しいほどに美しい。
尾根を乗越すところで林道は終わっていた。数台駐車可能の広場となっている。ここからようやく山道へ入る。最初から潅木の急登だ。熊避けの鈴が耳障りだが、用心のために辛抱す。登山道は明瞭で良く手入れされている。気持ちよく高度を上げて行くと、林道から約30分、一汗かいて電波塔の立つ広々とした展望台に着いた。眼下五十沢の里を挟んで八海山から五竜岳、阿寺山が見渡せる。

電波塔で一息入れてから次の登りにかかった。足元の草や笹の露でズボンの裾が濡れてきたので雨具のズボンを着用。しばらく潅木の尾根をたどって行く。急登の途中で、左から五十沢コースが合流してきた。
クリタケがひと株あるのを見つけて、帰りに採るのを楽しみに残しておいた。七合目を過ぎると今度は右手から雲洞コースが合流する。

七合目から八合目までは案外早かった。ピーク状の八合目も眺望がよかった。行く手の高みに巨岩のそそり立つのが金城山だろう。
岩が目立つようになってきた。ロープや鎖の張られたところが何カ所かあるが、それを頼るほどではない。しばらく展望のいい尾根道を歩いた後、再び樹林へ入り、勾配はさらにきつくなってきた。落ち葉に隠された滑りやすい岩に気を使いなが 一歩一歩登ると九合目の標識となり、山頂はすぐだった。  

突然現れた巨岩の上が金城山頂で、標柱に『金城山登山道頂上』と 記されていた。
岩峰の山頂は標高以上に高度感がある。南側は垂直に切れ落ちた絶壁で、足の裏がむずむずするようだ。痩せた岩稜の先に避難小屋がある。岩壁に張りついた紅葉が絵葉書的な景観を見せていた。
秋晴れに恵まれて展望も上々。南正面には大きな巻機山(割引岳)が、逆光に黒々と聳える。八海山、越後駒ヶ岳、中の岳のほか、利根川源流大水上山などの山々。私の好きな山域の嶺々をしばらく眺め回した。

下山のコースを考えながら山頂をあとにした。雲洞コ ースをとった場合、下山後雲洞から自動車を止めた地点まで歩くのがちょっと気になって迷ったが、結局雲洞コースを下ることにした。そのおかげてクリタケを採り損なった。
落ち込むような急な下りだ。濡れた落ち葉の下の岩に乗って、何回も滑って尻餅をついた。厚い落ち葉の下は、岩があるのか段差があるのか、皆目分からない。滑り落ちるような急坂を終わると沢筋に出た。
沢沿いの道は小滝が次々と出現する。右、左と渡り返しながら、このコースは登りに使った方が歩きいいし、眺めも楽しいだろうと想像した。
里が近づいたと思ってから、沢沿いの道は意外に長く感じたが、林道へ出てほっとする。
雲洞コースを登るときはここまで自動車で入れる。
重要文化財の雲洞庵に立ち寄った。小さな山里には似つかわ しくないほど立派な寺だった。
自動車を止めた大月の林道入口までは20分程だった。
このあと時間があったのでもう一つ坂戸山へ登ることにした。


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