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越後百山 越後白山(1012m)
登頂年月日 
1994.06.12
天候 晴れ 単独 マイカー 二等三角点

慈光寺(3.25)−−−白山神社(3.57)−−−5合目(4.15)−−−白山(4.55-5.10)−−−天狗の腰掛(5.27)−−−6合目(5.35)−−−慈光寺(6.15)

松村町からの白山
 本平山を下山後、白山登山口となる慈光寺まで自動車で移動。日暮どきまでにはまだ間のある境内には、観光の人々の姿があり、茶店も繁盛していた。
慈光寺は越後の古刹として古くから人々の信仰を集め、隆盛を極めた時期もあったという。鬱蒼とつづく並木、古色蒼然とした寺院には年代の重みがにじんでいた。寺の1キロほど手前の大駐車場に一夜を過ごした。

いくらか白み始めた3時半、夜明けを待ちきれずに懐中電灯を照らして出発。コースは二つ、『尾根線』と『田村線』があるが、尾根線を登って田村線を下ることにする。コースといわずに線というのが珍しい。
夜の闇が支配する林道を進むと、『付近に熊が出没・・・』の注意書きがあった。
尾根線登口はすぐにわかった。取りつきからいきなりの急登だがジョギングシューズで足は軽い。ぐいぐいと高度を上げて行く。
夜が明け始めて足元もはっきりして来た。急登を30分ほどで尾根上に出ると、そこが白山神社跡で急登も一段落した。
雑木の尾根道は緩急を繰り返して行く。西方には蒲原平野が朝もやの中に沈んでいる。標高わずか1000メートル余の山ながら、登山口から山頂まで高低差は800メートルあり、それほど楽ではない。

よく手入れされた尾根道を、ペースを落とさずにたどる。背中を汗が流れ落ちる。4時15分、五台目を通過するころにはすっかり夜は明けきった。
六合目あたりから潅木の背丈が低くなって、尾根の雰囲気も明るくなって来た。汗に濡れた体に、ときおり通り過ぎる風が心地いい。
慈光寺から1時間30分で白山山頂着。山頂直下には最近できたばかりの立派な避難小屋が建っていた。 大きな山名表示板が設置されている。広場のような 頂上真ん中には二等三角点標石、それと二体の石仏が静かにたたずんでいる。時刻は5時前で勿論人影はない。
白山と名のつく山は全国にたくさんある。ここは越後白山と呼ばれるが、何と言っても有名なのは加賀白山である。この越後白山は標高1012メートルという低山ながら、豪雪地帯という立地から、冬になると深雪が樹木を覆い尽くして白一色に変わるのだという。
東方には昨日登頂した日本平山が朝もやにかすんでぼんやりとその影を見せ、粟ケ岳ら矢筈岳へとつづく川内山地が目前に起伏していた。潅木の薮からは野鳥の囀りもすがすがしい。

帰りは田村線を慈光寺目がけて駆け下った。


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