hkk-026   ≪山岳巡礼≫のトップへ戻る

大道山=だいどうざん(1289m)大峰山=おおみねさん(1327m)

長野県 2003.04.28 単独 マイカー
コース 水晶林道終点(6.25)−−−稜線(7.30)−−−大道山(7.40-45)−−−芝峠−−−大峰山(8.40-55)−−−2回コースを間違える−−−芝峠(10.00)−−−水晶林道終点(10.35)
大峰山山頂の石祠

坂城町の東方に長く山稜を延ばしている里山が見える。北から鏡台山、鳩ケ峰、大道山、大峰山、太郎山など、千曲川を眼下にのぞむ1300メートル前後の山々である。
その中の大道山、大峰山に登るべくでかけた。
コースはいくつかあるようだが案内書は無視、五万分の一図だけを参考にして計画を立てた。地図は10何年も前のもので、その後この付近を上信高速道が開通したりして様子が変っているおそれもある。

18号線から坂城ICへのアプローチ道路へ入る。ゲートの直前で左手の道へ反れると、すぐに二又とにり、右手のダートに「水晶林道」という道標が立っている。多分この林道だろうという覚束ない判断で林道を進む。途中で林道は二つに分かれるが右をとる。とたんに悪路となる。軽自動車で出かけてきたが、ときどきガリガリ言わせて腹をこする。四輪駆動だから何とか走るが、そうでなければ少々やばい。

あれ?道路が遮断されている。車を降りて様子をうかがうと、すぐ先で道路が決壊していて通行不能になっていた。路肩のやや広がったところで何回か切り返してUターンし、付近の路肩に駐車して出発する。
林道は遮断個所から200メートルほどで終わっていた。 登山道を示す道標などは皆無、林道終点からか細い踏跡を追って山の中へ入って行く。地図にある芝峠まで登って、そこから大道山をピストンし、今度は逆方向の大峰山をピストンする計画である。芝峠からピストンする稜線上には登山道は記されていない。コース状況の悪いのは覚悟の上だ。

間伐作業を中断したのか、間伐材が無造作にあっちこっちに積んである。ビンクや黄色のテープが無秩序の感じで右や左に数多く目につく。それが間伐作業の目印なのか、道しるべなのか判断がつかない。
10分も歩くと登山道なのか作業道なのか区別がつかなくなり、やがて道型は完全に消えてしまった。
間伐後の急斜面を、藪を分けながら強引に上を目指す。下山は駐車場所に降りなくてはならないので、ルートを頭にたたきこみながら登って行くが、はたして同じように降りられるかどうか自信はない。

大汗をかいてようやく稜線らしい尾根上に登り着いた。どの位置にいるのか見当がつかない。踏み跡とも言えないほどの薄い道型がある。取り敢えず北方向にあると思われる大道山へ向かって北へ進路を取った。
道型は薄くてよほど気をつけて歩かないといぐに外れてしまう。

石像などが並ぶピークまですぐだった。山頂直下まで藪を漕いで登ってきたというわけだ。このピークが大道山だと思われるが、何の表示もない。石像や石碑が数個、信仰の山という雰囲気が漂っている。
西に開けたピークからは、眼下の千曲川の流れ、そして北アルプスの眺めがよかった。ピークから北へ向かって良い道が延びている。これが大道山への正規のルートのようだ。

登ってきた稜線を戻り、先ほど登り着いたところも通りすぎて芝峠へ向かう。獣道同然の藪っぽい道を、稜線を外さないように下って行く。とぎとぎ進路を確認しながら下り着いた鞍部が芝峠らしい。黄色いテープがあるだけで、芝峠と確認できるものは皆無。
芝峠に間違いないということにして、大峰山へ向かう。  登山道というより獣道そのものだ。藪をかき分けるようにしていくつかのコブを越えて行く。途中落ち葉が深々と積ったヌタ場のようなところを横断する。帰りにはこの横断箇所を間違うないようにしないといけない、そう思って通過した。

慎重にルートを選びながらいくつ目かの小ピークに立つと、ようやく道が明確になった。そこから下って登り返すと大峰山の山頂に出た。ここには小さな石祠と大峰山の山名表示もある。太郎山方面へ向けての明瞭な登山道も延びていた。
山頂からは西と南の展望がいい。北アルプスは五竜岳から穂高、乗鞍までが一望、鉢伏山、美ケ原、蓼科山、八ヶ岳と展望良好。大気が済んでいれば南アルプスの眺望も得られることだろう。三角点標石は損傷が激しくて等級が確認できなかった。

同じ道を芝峠へ向けて下山の途につく。
下山は登りよりルートの選択が難しい。注意しなくてはと思ったヌタ場で失敗してしまった。その手前のヌタばらしいところで、登りに目印にしたものが見つからない。変だと思いながら横断して進んだために、違う尾根をとってしまった。おかしいと気づいて樹間から大道山を探すと、かなり方向が違っているような気がする。取り敢えず登り返してみることにした。
樹木で見とおしがきかない。今度は間違いないだろうと思って下りはじめる。登ったときの記憶より藪がさらに深い。足もとの踏跡も獣道そのものだ。しばらく下って樹木の薄くなったところから確認すると、もう一つ尾根が見える。どうもそれが芝峠へのものらしい。
再び登り返し、見えていた尾根へたどりつくと、今度は比較的はっきりとしたルートとなりひと安心する。

結局登ったときのヌタ場はどこかで迂回することになってしまったらしい。
あとは迷わずに芝峠まで下ることができた。これが確かに芝峠なら、ここから西への道を下って行けば駐車した林道へ降りるはずだ。藪漕ぎしないですむ。
しかしここが芝峠という確信はない。自信がないままに登山道らしい明瞭な道を下って行くと、猟犬のトレーニングで入山していた人と出会い、尋ねると水晶林道へ降りられることが確認できた。
間伐作業でなどで登山道がわかりにくくなっていたために、途中で直角に右折するところを直上してしまったということがわかった。
里山というのは、北アルプスなどの整備された山とはちがう難しさを、改めて認識した登山だった。


2007.06.24の太郎山〜大峰山〜大道山はこちらへ
 
≪山岳巡礼≫のトップへ戻る