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権現山(1223m)

長野県 2003.06.012 単独 マイカー
コース 山頂往復30分
≪長野県の一等三角点≫
権現岳一等三角点


長野県の一等三角点は全部で35あるが、最後に残った権現山へ登ってきた。何の資料も見当たらず、地図だけが頼りの山である。  

大町市青木湖の東方にあって、標高はたったの1223メートル。北アルプスの連なるこの地では、山のうちにも入らないような低山であり、その存在する知る人もほとんどいないし、私も知らなかった。  

中条村でR19号と分かれて31号へ入る。小川村『青具』の信号を左折して大町方面へ向かう。すぐに池の平入口というバス停前で右折する。池の平集落を過ぎて立派な林道をどんどん上がって行くと、道路脇にドコモの通信施設(鉄塔)がある。この先が林道の最高点。ここへ自動車を止めて権現山らしい高みを目で探すと、ドコモ鉄塔の背後に細い鉄塔のようなものが見える。多分ここが権現山のピークと見当をつけた。  
しかし山頂への登山道らしいものは見当たらない。藪漕ぎをしてもたいした距離ではない。ピークの西側から藪の中へ入る。尾根状と見られるところを、両手で藪を押し開きながら登って行く。私の苦手なヤマウルシやハゼの木が多い。触らないようにこれを避けながら進むので、面倒だし、余計な時間もかかる。  

突然南側からよく踏まれた道が上がってきていた。2万5千図にも道は記入されていないし、どこから来ているのだろうか。  明瞭な踏跡を上へたどると、それから5分もかからずにピークだった。
山名表示はない。鉄塔のように見えたのはアマチュア無線の中継施設だった。やや広い平坦の山頂中央には一等三角点の標石、ここが権現山に間違いはかった。この前は佐久市根岸の一等三角点探しに苦労したので、こんなに簡単に見つけることができてほっとした。  

標石は保存状態も良い。ハイカーが訪れるほどの山でもないし、山の名前さえも知る人の少ない忘れられたようなピークなのかもしれない。  
草むらの中に赤錆びた鉄がある。良く見るとブランコの壊れたもののようだ。何でここにそんなものが?不思議なものでも見るような気がした。  
潅木に覆われて展望はないが、間近には鹿島槍、爺ケ岳、白馬三山、針の木、蓮華、それに頚城の山々などがあるはずだ。  
山頂には取る人もないのか、ワラビがたくさんあった。10分ほどで両手で掴むほどの量を採って土産にした。
 
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