山行報告・・・二ツ石山・入山・御鷹山・十観山

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信州中信の4座縦走
二ツ石峰・入山・御鷹山・十観山


二ツ石峰=ふたついしみね(1563m) 入山=いりやま(1626m) 御鷹山−おたかやま(1623m) 十観山=じゅっかんさん(1285m)

長野県 2003.11.15 上田市Mさん同行 マイカー
コース 青木アスティに車1台をデポ(5.50)===保福寺峠(6.20-6.25)−−−三ツ石峰(7.00-7.05)−−−林道(7.20)−−−入山(7.55-8.00)−−−御鷹山(8.35-8.55)−−−1568mピーク(9.20-9.25)−−−三ツ頭(9.33)−−−十観山(10.10-10.25)−−−青木アスティ(10.50)===保福寺峠(11.20)
縦走路最高点の入山三角点(二等)
上田市在住のメル友Mさんと、いつか一緒に山歩きをと願いながらなかなか実現しなかった。それがやっと具体化することになった。
上田市周辺の山には特に造詣の深いMさんのプランで、青木村保福寺峠からいくつものピークを踏んで、田沢温泉奥のアスティ青木へ縦走するコースが設定された。

雲量が多くて天気はイマイチ。
田沢温泉の奥にある農協福祉施設「アスティ青木」でMさんと待ち合わせ、ここに車1台を残してスタート地点の保福寺峠へ移動する。移動所要時間は約30分。
保福寺峠付近には夜明けから車の数が多く、なにやら常とはちがった雰囲気がただよっていた。尋ねると今日が狩猟解禁日、イノシシ狩りの人々が終結していたのだ。

「猟銃の誤射やイノシシの突撃に気をつけましょう」と声をかけあって出発。とっつきから急登が待っている。峠の標高が約1350メートル、縦走路の最高点が入山の1626メートル、単純高度差は300メートルにも満たないが、二ツ石山、入山、御鷹山、三ツ頭という名前のついた顕著なピークが4つ、その間にも小さなピークをいくつも越えて行く歩きがいのあるコースだ。
かなり早いペースで急登の足を運ぶ。有刺鉄線が張りめぐらされている。Mさんが牧場の境界だと教えてくれる。
今日のコースは、国土地理院地図にも登山道は記されていない。近年青木村の手によってハイキングコースとして整備されたという。なにしろこの山域を知り尽くしているMさん、地図以上に頼りになる。落ち葉が道にも林床にも敷き詰められて、うっかりするとコースを外しそうになったり、立ち止まって確認したりするが、Mさんは目をつむっていても歩いてしまいそうに熟知している。
入山への分岐を通り過ぎて一投足、一汗かいて最初のピーク「二ツ石山・三等三角点」へ到着する。風が冷たい。潅木に囲まれた小さなピークで展望はない。三角点標石を確認してすぐに入山へ向かう。

入山からは十観山まで尾根を忠実に北上縦走して行く。道の状態は意外に良い。地図に登山道の記入があってもおかしくないほどの道だ。2つの小ピークを越えて鞍部に拓かれた林道へ出る。5分ほどの林道歩きは、北風がまともに吹きつけて思わず身をちぢめる。
再び枯れたカヤ草の中を山道へと入ると、再び尾根歩きとなる。背後に美ケ原がのぞめる。左手に雪化粧した鹿島槍、穂高、乗鞍岳などの北アルプス連嶺も見えてきた。
冬木立の落葉樹林が気持ちを和ませてくれる。落ちつけるなかなか良いコースだ。
二つ目の山頂「入山」も雑木に囲まれて展望はない。枯草と落ち葉に隠れるようにして三角点標石がある。刻字がちょっと読みにくいが等級は二等のようだ。
天候ははかばかしくない。冬の雨は避けたいが、何とかもちそうな気がする。相談の結果予定どおり縦走と決める。

樹間から垣間見られる北アルプスを眺めながら歩を進める。落葉した冬だからこそ得られる展望だ。樹相は主として落葉樹、それに年数を経たカラマツ林がまじったりする。相変わらず冬枯れ樹林の雰囲気が気持ちいい。小さなコブをいくつも越えて御鷹山のピークとなる。ここには三角点はなく、カラマツに囲まれるようにして石祠が1基祀られていた。保福寺峠から約2時間、寒風を避けてはじめての小休止にした。

御鷹山からのアップダウンは、それまでに比べると小さなもので苦にならない。休憩から30分ほどで石祠が3基並ぶ明るいピークに出る。御鷹山・1623mの表示があるが、この1623mというのは先ほど休憩したピークのもので、ここは地図上の1568mピークである。東面の展望が良い。眼下に塩田平が広がり、浅間山、烏帽子岳など東信の山々がゆったりと並んでいた。
陽も射してきて天気は回復傾向にあるようだ。
さらに一投足で「三ツ頭」の表示のあるピークに着く。ミズナラなどの梢から木漏れる陽射しが心地よい。最終ピークの十観山へとつづく長い尾根が、左に弧を描いて延びている。十観山から三ツ頭まではハイカーも多いのか、遊歩道のような良い道に変わった。落ち葉の積ったほどよい下り勾配の道は、足が自然に前へ出てゆく。途中、奥秩父のコメツガ原生林を彷彿とさせるところもある。
三ツ頭から長い尾根に見えたが、十観山まで30数分しかかからなかった。
塩田平から東信の山々が見渡せる山頂で、少し時間は早かったが昼食にする。Mさんが東信の山々を一つ一つ指呼して教えてくれる。上空には青空が広がってきたが、風は強く、めっぽう寒い。体が冷え切らないうちにと、車をデポしたアスティ青木まで、足取りも軽く下って行った。

昨日の鍬ノ峰につづいて、本日の御鷹山も標高が1623メートル、同じ標高の山を2日つづけて登るという偶然にあとで気付いた。


このコースを縦走するには、車2台を使い、1台を下山口に置くことになります。車の都合がつけば縦走することでその良さが味わえるコースです。

所要時間は休憩こみで5時間でしたが、普通に歩くと6時間から6時間半というところでしょう。
 
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