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糸瀬山(1867m)

長野県 2004.12.07 同行者2名 マイカー 二等三角点
コース 菖蒲平登山口(7.35)−−−松原横手(8.00)−−−丸屋の鳥屋(8.25)−−−糸瀬山(10.15-10.35)−−−山居の鳥屋(11.20-11.45)−−−登山口(12.30)
糸瀬山のシンボル「のろし岩」

塩尻ICでCさんと合流、19号線で木曽路を南下、須原駅前でY子さんと合流してメンバーがそろう。
須原駅から19号線を少し北へ向かうと、糸瀬山の道標が林道へと導いてくれる。林道途中の二又は道標の字が読みにくいが、ここは右へ進むと菖蒲平登山口がある。登山口前の駐車スペースは2台だけだが、手前には十分な駐車スペースがある。

登山道へ入るとしばらくは薄暗い植林帯を行くが、間もなく落葉樹の明るい林となる。
山頂までの高低差は約1000メートル、ときどき勾配は緩むが、長く急な登りがつづく。いくらか足が慣れたところで胸突き八丁の急登が待っている。左の谷は砂礫状の花崗岩が険しく切れ落ちている。歩くのに危険な箇所はないが、この後も両側は深く切れ落ちた尾根がつづく。

ミズナラなどの木々はすでに落葉を終って、山全体が静かに冬の眠りに入っている。足元に鳴る落ち葉の音以外は静まり返った急登を黙々と高度を稼いで行く。汗がしたたる。
丸屋の鳥屋、山居の鳥屋というような表示がある。昔渡り鳥を捕獲するカスミ網猟をやっていたところかもしれない。
まむし坂の手前で小休止、汗の体がたちまち冷えて行く。

足の休まる間も与えない急な登りを、ゆっくりした歩調で一歩一歩登って行く。落葉樹の中にコメツガやダケカンバが混じるようになり、亜高山帯の雰囲気が濃くなってきた。ときおり右手に中央アルプス方面が開けるが、中腹から上は雲がかかって確認はできないが、南駒ケ岳から越百山、安平路山あたりだろうか。やがて林床にクマザサが目立つようになり、コメツガなどの原生林へと変ってくる。足元に雪が見えてきた。

山頂が待ち遠しくなってきたころ、大きな崩壊地の縁を通過、「あおなぎ」という薙である。谷底にはエルラルドグリーンの湖面が目を惹く伊奈川ダムが見える。薙から少し登ると山頂の雰囲気となるが、ここは山頂手前の「しらび平」で、ピークまではまだ少しあった。
2、3センチの雪を踏んで笹の間を進むと、岩石の累々とした一角に出て、岩を踏み越えて行くと糸瀬山二等三角点の山頂だった。黒木の原生林と、薄く雪をかぶった大岩が重なる山頂は、奥秩父をしのばせる幽邃の雰囲気が漂っている。三角点標石は岩を彫って据えつけられていた。
糸瀬山のシンボル「のろし岩」はさらに50メートルほど奥にあった。梯子がつけられていたが、雪のついた登山靴では巨岩のてっぺんへ立つ勇気はなかった。

人知れないマイナーな山だと思っていたが、登山道は良く踏み固められていて、常時登山者が入っているのを感じた。多分中京方面からの登山者が多いのだろう。
1本調子の標高差1000メートルは少しきついが、静かな山を楽しみたい人には良い山である。
 
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