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スキー 鍋倉山(1289m)

長野・新潟県 2005.04.08 単独 マイカー 二等三角点
コース 温井集落(8.00)−−−田茂木池(8.35)−−−小屋付近(8.50)−−−鍋倉山(10.50-11.00)−−−滑降終了(11.10)−−−小屋付近(11.15)−−−車道でスキー外す−−−温井集落(12.00)
山頂手前で一服
無雪期には2回登っているが、残雪期はこれがはじめて。
古くなった山スキー道具一式を買いかえるつもりで処分してからもう3年、その後新しい道具を買う踏ん切りがつかないままになっている。

今回の登山はアルペンスキーをザックにくくりつけ、足はアルペンスキー用ブーツでツボ足登攀といういでたち。
ゲレンデ以外のスキーは何年ぶりになるだろうか。楽しくてウキウキしながら出かけた。

温井集落外れで車は通行止め。集落から歩きはじめる。通行止めにして除雪作業が行われているが、田茂木池手前までは完全除雪されていた。除雪された舗装道路をスキーブーツでテクテクと歩く。両側は雪の壁。
約30分で田茂木池のとっつき。ここからは除雪未了で、田茂木池を左に見下ろしながら、雪の上を行く。足が沈んで歩きにくい。
左下に小屋が見えるところで車道を離れて山へ向かう。

東に向けて2本ある尾根のうち北側の尾根をルートに選ぶ。かすかにシュプールの跡らしいものが見えるが、トレヘルはほとんど残されていない。この2、3日の暖かさで消えてしまったようだ。
けっこう勾配はきつい。キックステップで一歩、また一歩と登って行く。雪の締まりは弱く、数歩に1回の割りあいでズブッと足が沈んで意外に疲労を感じる。しかたなく超スローペースで足を運ぶ。キックステップの蹴りこみの角度によって沈みぐあいのちがうことを発見、地面につま先を向けて強く蹴りこむと沈みが少ない。

しばらく登るとすばらしいブナ林となる。ブナ以外の低潅木はすべて雪の下。森姫、森太郎は・・・キョロキョロ探すがわからいな。とにかく立派な巨木がいくらでもあるから、どれも姫・森に見えてしまう。根元に大きな穴は雪解けの進んでいることを感じさせる。
勾配の強いところは斜登高に切り替えたりす
心洗われるようなブナ林
るが、概ね直登を保って登って行く。
振り返ると田茂木池ははるか足下、右手には広々とした平原状の雪原が広がっている。残念ながらレースのカーテンをかけたようなモヤで遠望はほとんど利かない。山頂展望も無理だろう。

杉の木が点在するようになると、勾配が緩んで歩きやすくなる。杉やブナの混成林をしばらく登ったところで休憩。山頂はそれからわけなかった。
休日には賑わうという鍋倉山だが、今日は借り切り。温井を出発するときスノーボードの二人連れがいたが、どのコースを取ったのか、超スローペースの私より先に着いていると思ったが、姿は見えなかった。

いざ滑降!このために汗を滴らせて登ってきたのだ。
スキー技能検定最高位の“テクニカル”の資格を持つ息子によれば「オヤジの技術は1.5級というところだな。20年以上もやっていたにしてはちょっと情けない」なんて言われる程度の技術。
雪は水気たっぷりの腐り雪、ターンにも相当力が必要になり、快適にというわけにはいかない。登ってきた急斜面をなぞるようにして滑り降りる。ときにはブナの木立を右左と縫ったりして、2時間近くかけて登った部分を、たった10分ほどで降りてしまった。
雪質が悪く、何回かの転倒は覚悟していたが、1回も転倒しないで降りられたのは上出来だった。

温井集落までスキーで降りようと思ったが、見たところあまり傾斜がない。途中スキーが滑らなくなったとき、このベタ雪ではスケーテングも無理だし、変な苦労に遭うのも避けたい。除雪された車道へ出たところでスキーをザックにくくりつけて歩くことにした。

次のシーズンには山スキーを何とか購入したいものだ。

鍋倉山はブナの美林として知られています。かつて皆伐の危機があったようです。金になる木、つまりスギやヒノキ林に造り変えようとしたところ、ブナ林の保護運動が湧き上がり、保存されることになった。これが自然保護運動の原点となったという話しを聞いた記憶があります。
 
長野・新潟県 2002.09.24 Z氏同行 二等三角点
コース 田茂木池の先(8.15)―――稜線(10.15)―――鍋倉山―――黒倉山(11.00-11.30)―――関田峠(12.00

知り合いのZ氏同行。

ブナに覆われた自然豊かな山、一時は皆伐の危機に見舞われたが、保護運動のが功を奏して難を逃れたという過去を持つ山。

黒倉山のピーク

田茂木池から2.5km先の巨木コース入口がわかりずらい。自然保護のためにあえてわかりにくくしているとの配慮らしい。頼りない踏跡を、半信半疑でたどることにする。背丈以上の雑草をかき分けて進むと、やがてブナの大木が見えてて来る。と同時踏み跡が消えたのか、あるいは見失ったのか、ルートが分からなくなってしまった。

灌木の藪は恐れるほど酷くはない。藪を分けながら適当に斜面を這い登って行く。これでは目指すブナの巨木「森太郎・森姫」に会えるかどうか難しそうだ。勾配も増し、手足総動員で藪をかき分けて行くと登山道に出た。やれやれ・・・。
森姫、森太郎は下の方に過ぎてしまつたようだ。残念。
 

登山道が見つかり、ほっとした気分でブナ一色の森の中を登り詰めて行くと、鍋倉山目前の稜線、一投足で鍋倉山山頂だった。
ここは信越の国境、信州百名山最北の山でもある。眼下に高田の平野から直江津の海、霞んではいるが妙高山など頚城の山々も確認できる。
しばし展望を楽しんでから次のピーク黒倉山へ。
黒倉山で昼食をとってから、関田峠へ。9年前に歩いたときに比べると、ブナの若木がずいぶ成長していた。

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