hkk-531 山岳巡礼≫のトップへ戻る  

東太郎山(1301m)

長野 2005.05.27 単独 マイカー 二等三角点
コース 金井(5.30)−−−送電鉄塔(5.50)−−−林道終点付近(6.30)−−−東太郎山(7.00-7.05)−−−林道終点付近(7.20)−−−送電鉄塔(7.45)−−−金井(8.00)
山頂の二等三角点

上田市郊外の寂峰、二等三角点。

事情があって山へ行きにくくなっている。早朝スピード登山をすべく未踏の東太郎山へ行ってきた。大久保コース、金井コースというのがあるようだが、金井コースの方を選んでみた。

坂城方面から国道18号線のバイパスへ入る。新田東信号を左折、信号を一つ通過してさらに走ると、左手に『喫茶店サンボー』の看板がある。ここを左折して道なりに上って行くとログハウスがある。これが看板の喫茶店らしい。ここで道が二又に分かれる。左手を直進、だが道が細すぎる上に、200メートルほどで行き止まりとなる。付近に駐車スペースはない。やっとUターンしてログハウスのさらに下方の墓地のあたりに駐車。

東太郎山への道標のたぐいは一切見当たらない。
先ほどの細い車道を終点まで行き、リンゴ畑の脇にある薄い踏跡をたどる。すぐにリン畑は途切れて草ぼうぼうの原っぱに出る。踏跡も定かではない。原っぱ右手の縁に道がついていた。

わずか進むと直進する平坦道と左手へ上って行く踏跡がある。気持ちは上へ引っ張られて藪っぽい中を行くと小さな祠が少し離れて2基鎮座している。その先がまた踏跡不鮮明。戻って平坦道の方を進む。
この後も道型は一応ついているが、それとは別にいくつもの踏跡に惑わされる。どうしても高い方へ向っている踏跡について行きたくなる。そのあげくに道もない尾根を藪を左右に避けながら余計な体力を使ってしまう。このあとも2回ほどそんな無駄をしてしまった。
(道はおおむね尾根筋の東側へ少し下がったあたりに付いていることが多かった。薄い踏跡は無視してはっきりした方の道をとれば間違いないようだ))

上に行くほど道は明瞭になってきた。
中部電力の送電鉄塔を過ぎて勾配のある登りがつづくが、足を休めることなく早いペースを保つ。コースは落葉樹、赤松の混生林の中で展望はないが、満開の山ツツジが初夏の山を飾っている。800メートル近い高低差を、汗を流してひたすら上を目指す。
明るく開けたところでふと見ると、足下すぐのところに林道が見える。そこが終点らしい。一般車でも入って来られるのだろうか。

案内書には山頂まで1時間45分、私の健脚でかつ早めのペースを維持して歩いているので、それよりかなり早く登れると思った。山頂まであと15分くらいだろうか。しかしその読みは甘かった。

先に見えるピークが山頂と思って着いてみればまだ先、そんなことを繰り返す。赤松の明るい林を通過するあたりからは勾配が緩んで楽になってきた。イノシシの仕業だろう、登山道が判別できないほどに、かなりの長さで土が堀り返されている。まるで畑だ。
あと15分と読んだのは大きな見込みちがい、結局30分かかってしまった。山頂までの所要時間トータルは1時間30分。道を外れて藪の中を歩いたりしたことを考慮しても、一般ハイカーがこの1時間45分という案内書の時間で歩くのはかなり大変だろう。

とにかく大汗をかいての山頂だった。山頂は樹木に囲まれて展望は皆無。狭い山頂に二等三角点があるのみ、手製のものも含めて山頂表示は一つも見当たらない。隣の太郎山は連日多くの市民が訪れるのに、こちらは実に地味な山頂、まさに寂峰だ。
カメラに電池が入っていない。登頂の証拠が残らない。仕方なく数分で二等三角点を鉛筆スケッチしてからすぐに下山にかかった。

帰りは「こんなころを歩いたかなあ」という惑いが何回もあった。間違ってちがうところへ降りてしまうとマイカー駐車地点に戻るのが大変だ。道標一つないコースでは他の山でもそんな不安がつきまとうものだ。しかしどっちへ転んでも遭難なんていうバカバカしいことにはならないという安心感もある。
そのうちにはっきりとした記憶に残る箇所が出てきて、あとは安心して一気に下った。
 
≪山岳巡礼≫のトップへ戻る