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白根隠山=しらねかくしやま(2410m)
錫ケ岳敗退登山

栃木・群馬県 2005.07.21 単独 マイカー 三角点なし
コース 菅沼白根山登山口(3.55)−−−弥陀ケ池(5.10)−−−五色沼−−−避難小屋(5.45)−−−白根隠山(6.25-6.30)−−−避難小屋(7.00)−−−五色沼−−−弥陀ケ池(7.40)−−−登山口(8.45)
五色沼のハクサンフウロ
『関東百山』最後の錫ケ岳、満を持しての山行のはずだった。昨日99座目の黒桧岳を登り、今日はささやかながら達成の充実感を味わうつもりでいたのに・・・・

前夜は菅沼の白根山登山口に車中泊。12時間と言われる長い行程を考えて3時55分に出発。曇ってはいるがすぐにも降りだすような気配は感じない。
未明から3、4台の車が到着、ライトで白根山へ向かったグループもあった。20分ほどライトを頼りに歩くと足元が確認できるようになる。10数年前の秋、抜けるような快晴に恵まれて妻と白根山へ登った道だ。

ほぼ予定の時間で阿弥陀池、五色沼を通過、急に白根山にガスが巻きはじめ、あっという間にあたりはガスに包まれてしまった。
避難小屋まで1時間50分、まずは順調に進んでいる。小屋から右へ進めば白根山頂、ここは前白根山への左をとる。白錫尾根の稜線が近づくと樹林の梢が騒がしくなり、さらに登ると林を揺るがすような強風となり、稜線に出たとたん体が揺れるほどのひどい風、まさに吹き荒れているという言葉がぴったりだ。

そう言えば湯元から白根山をめざしたとき、前白根の手前の稜線で猛烈な風に遭い、石つぶてが顔面を襲うような状態に登頂を諦めたことがある。この風は白根の特徴なのだろうか。
風を押してとにかく進んでみることにする。ダケカンバの樹林を抜けると風は一段と勢いを増す。まっすぐに前進するのも困難、ふらつきながら何とか進んで行く。視界は数十メートルしかないが、踏跡は比較的はっきりしているのが心強い。一つ小さなピークを越え、裸の稜線を身を低くして一歩一歩前へ進んで行く。帰りに迷わないよう、歩いたコースを振りかえり振りかえり確認する。

ケルンのあるピークまでだどりついた。ここが白根隠山のようだ。本日予定のコースの最高地点でもある。目的の錫ケ岳より22メートル高い。それにしてもこの風はすさまじい。立っているだけでもつらい。しばらく風下側の斜面へ避難して思案する。錫ケ岳までは普通でも2時間半はかかる。この強風の中をその時間では無理、さらにこの先ルートファインディングが難しくなるおそれもある。とにかく一般登山道のない山であることを銘記して思案、結局退却を決意する。関東百山の最後は、白錫尾根らしい展望を楽しめるときに再度訪れることにしよう。
避難小屋への下りまで、コースを外さないように慎重の上にも慎重に歩いて、無事戻ることができた。

今日は白根隠山までだったが、天気さえよければ登山道がないと言われる錫ケ岳も、さほどの困難を感じることなく登れそうな感触をつかむことができた。

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