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竜王岳〜五色ケ原〜越中沢岳

室堂山(2668m)    浄土山(2831m)    竜王岳(2872m)
獅子岳(2714m) 五色ケ原(2500m) 鳶山(2616m) 越中沢岳(2598m)                          

富山県 2005.08.27-28 曇り 単独 立山黒部ライン 越中沢岳 二等三角点
コース ■扇沢(7.30)===室堂(9.15)−−−室堂山(9.50)−−−浄土山−−−竜王岳−−−獅子岳(11.40)−−−ザラ峠(12.20)−−−五色ケ原(12.50)・・・五色ケ原山荘泊
■五色ケ原山荘(4.35)−−−鳶山(5.05)−−−越中沢岳(6.10-6.20)−−−鳶山(7.25-7.30)−−−五色ケ原(7.55)−−−休憩(8.10-8.20)−−−刈安峠(9.15)−−−平ノ小屋(10.05-10.20)−−−休憩(12.15-12.20)
−−−ロッジくろよん(12.50)−−−黒四ダム(13.15)===扇沢(13.55)
≪竜王岳≫ =標高順位38位の山、日本の山1000
≪越中沢岳≫=日本の山1000 
五色ケ原と背後の山は赤沢岳
≪1日目≫
五色ケ原はずっと前から訪れてみたいと思っていた久恋の山だった。2500メートルの高度に広がる山上台地は、高山植物もすばらしいと聞く。

自宅から扇沢までは車で1時間ほどの距離、早く着きすぎてトロリーバス始発の7時半まで1時間以上の待ち。夏山最盛期は終わっているが、登山姿の人たちがかなりたくさん始発バスを待っている。

室堂着9時15分、早速室堂山へ向かう。一ノ越方面への道と分かれて石畳の道をたどる。ウサギギク、ミヤマアキノキリンソウ、ミヤマダイモンジソウ、ヨツバシオガマなどが迎えてくれる。浄土山への道を見送り一投足の室堂山を往復するが、せっかくの展望台もガスでまったく眺望はない。天気がよければ白山をはじめ、薬師、笠、奥穂、槍ケ岳などが望めるはず。
分岐へ戻り浄土山へ。岩の堆積した急登を登ると浄土山、「軍人碑」という石碑があるが、ここが山頂ということだろうか、よくわからないままに通過。立山三山というのはこの浄土山と雄山、別山のことらい。

浄土山のすぐ先、一の越との分岐に青ペンキで塗られた富山大学の建物があり、ここから五色ケ原方面へのコースがはじまる。
少し下ってから急な岩場を登ったピークが日本山岳標高順位38位の竜王岳、ここもガスで展望のないのが残念。
どんどん下って行くと荒々しい鬼岳の岩峰が霧の中に見えてくる。登り道がわかれば山頂へ立ち寄りたかったが、「鬼岳東面」という道標あたりにはそれらしい道が見えない。鬼岳の南側を巻くようにして、ガラガラ道の険しい急坂を下って行くと鬼岳西面の道標があって雪渓の残るコルとなる。コルから獅子岳への登りがけっこうきつい。おばちゃん主体の10数人の熟年パーティーが遅々として進まない。道は岩場の狭いコースで追い越も不可能。いらいらしながら待つのは、歩くより疲れるしストレスにもなる。結局獅子岳ピークまでおばちゃんたちの後ろを付き合わされてしまった。

獅子岳からは370メートルの大きな下り、それもザレた岩くずの斜面で歩きにくい。じぐざぐを切りながら急降下すると、佐々成正の峠越えで知られるザラ峠である。
ザラ峠から150メートルほどの高低差を登れば木道があらわれて五色ケ原山荘へと導いてくれる。ガスで大きな広がりは確認できないが、平坦な台地に建つ山荘などのたたずまいを写真とダブらせて感じとる。明日は原全体を一望することができたらいいが。
宿泊した五色ケ原山荘は風呂のある小屋としても知られる。泊まりは数十人ほど、下駄箱には古びたジョギングシューズが一足、私のものだ。それ以外は値段の張りそうな靴がずらりと並んでいた。
夕食の時間まで間があったので、1時間15分ほど五色ケ原の中を木道伝いに散策してみたが、雰囲気は高原そのものであった。


≪2日目≫
曇ってはいるが見通しはいい。
朝食は弁当にしてもらって4時35分小屋を出た。ライトがなくても歩ける。
しばらく木道を行くと鳶山への登りにかる。30分で鳶山のピーク、東の空が赤く染まり日の出は間もなく。今日の行程はコースタイムで14時間コース、ここで日の出を待つ時間ももったいないので、途中で見ることにして先を急ぐ。山頂部に朝陽を受けた薬師岳が巨体を
越中沢岳からの薬師岳
見せている。目指す越中沢岳は思ったほど遠くには感じない。
250メートルほどの高度を下ってから再び250メートルを登り返しに入る。しばらく登ると展望が開けてくる。赤沢岳などを見ながらなだらかな斜面を行くと越中沢岳のピークとなる。
青空も少し見えて展望はすこぶる良い。目の前の薬師岳、振り返ると獅子岳など立山の山々が黒々と横たわっている。
赤牛岳、水晶岳、笠ケ岳、槍ケ岳、野口五郎岳から赤沢岳方面へとつづく後立山の山々、早朝の山頂で10分ほど展望を楽しんでから五色ケ原へ戻る。
鳶山からは眼下に広がる五色ケ原の全貌を俯瞰できた。原にはいくつもの池が銀色に朝の光を反射していた。

原からは黒部湖畔の平ノ小屋へ向かう。原の木道沿いは毛花となったチングルマが大群落を作っている。花の時期が目に浮かぶ。今は紅葉を始めたイワイチョウが草原を埋めて秋本番を迎えていた。

原が終わると樹林に入って、岩のゴロゴロした足場の悪い急な下りとなる。ただひたすら足を運ぶ。
長い長い下りがつづき、アンテナ施設の脇を通過すると刈安峠となる。五色ケ原から1時間20分、膝をかばいながらの下りだったが快調に歩くことができた。
歩きにくい急坂は刈安峠までで、この先からはごく普通の登山道に変わる。ブナの大木が茂る樹林を眺めながら平ノ小屋まではそれほど遠く感じなかった。念願の五色ケ原〜平の小屋のルートを歩くことができて満足する。

平ノ小屋から黒四ダムまでは以前赤牛からの下山で歩いた道。ただしこの道は湖畔に沿っていながらうんざりするほどの登り降りを繰り返さなくてはならない。覚悟はしていても頻繁にあらわれる梯子やアップダウンには閉口する。時には湖面から数十メートル以上の大きな高巻きや、上下した梯子の数はいったいいくつあったことか。
朝からたいした休憩もなくここまで8時間、足もかなり疲れてきた。黒四ダムが近いことを感じて河原でひと休みしてから、黒四ダムへと向かった。

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