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早川尾根
高嶺
=たかみね(2779m)・赤抜ノ頭=あかぬけのあたま(2750m)

                  

山梨県    2005.09.01   天候・・・晴れ   同行者・・・単独   アクセス・・・バス    三角点・・・高嶺三等

コース 奈良田駐車場(7.27)===広河原(8.25)−−−登山口(8.40)−−−休憩ポイント(9.20)−−−ガラ場で休憩5分−−−白凰峠(10.40)−−−高嶺(11.25)−−−赤抜ノ頭(12.00-12.20)−−−高嶺(13.00)−−−白凰峠(13.30-13.35)−−−休憩5分−−−休憩ポイント(14.40)−−−登山口(15.20)−−−広河原(15.35-16.00)===バス===奈良田(17.00)===自宅(20.15)

≪高嶺≫ =標高順位68位の山
高嶺の山頂と背後は鳳凰観音岳
前日は大籠岳・広河内岳から奈良田へ下山、ゲート手前の駐車場で車中泊。夜半から星空が広がる。

広河原への始発バスは7時27分、夜が明けてから2時間以上、もったいない時間が過ぎて行く。お盆後は広河原行きのバスは1日2便しかない。
始発バス(22人乗り)はほぼ満員だが、3分の二は釣り人である。
広河原着8時25分、高嶺を往復して夕方4時発のバスに間に合うように帰ってこなくてはならない。コースタイムは高嶺までのピストンだと8時間20分、赤抜の頭まで足を延ばすと1時間余計になる。
午後3時半下山を目標にすると、休憩も入れて7時間半しかいな。

北沢峠への車道を早足で登山口へ向かう。
15分で白凰峠への道標から登山道へ入る。のっけから息もつかせぬような急登が待っている。つかまることの出来るものには何でも手を延ばしてつかまり、手足すべてを使って攀じ登って行く。15年前、妻と連れ立ってアサヨ峰へ登ったときもこのコースだったが、これほど険しくは感じなかった。体力があったということだろう。
40分の急登で休憩に適した平らがある。ここで左に折れるとかなり歩きやすくなってほっとする。あとは大岩を鉄梯子3、4本で登るところが少し険しいが、比較的楽な勾配がつづく。下ってくる登山者に何人か会う。地蔵岳か観音岳方面からだろう。
林床がコケで覆われたシラビソの原生林帯に気づくようになると、まもなく岩石の体積帯に出て展望が開ける。順調に高度を稼いでいる感じで気持ちに余裕も出てきた。岩石帯で北岳や小太郎山を眺めながら小休止をとる。涼しい風が心地いい。

この上もさらに岩石帯がつづき、矮樹のシラビソ林に入ると稜線の白凰峠となる。コースタイム3時間半という登りを2時間で登りきった。昨日のハードな行程で疲労が残った状態、それを考えれば上出来である。どうやら赤抜ノ頭を踏む時間はありそうだ。
峠から左のアサヨ峰方面はかつて歩いたコース、右手稜線の高嶺を目指す。すぐにハイマツ帯となって展望が開ける。甲斐駒の姿がひときわ目を引く。なだらかな稜線から急峻な岩場に変わると山頂はあとわずか。岩角をつかみながら最後の踏ん張りがしばらくつづく。
登りついた山頂はさえぎるものは何ひとつない岩のピーク、三角点は三等、日本山岳標高順68位にランクされている高山である。涼風に吹かれてしばし四周の展望に目をこらす。
甲斐駒、アサヨ峰、仙丈、北岳、間ノ岳など南ア北部の高峰群、八ヶ岳連峰、地蔵岳のオベリクスと観音岳、そして奥秩父連山とすばらしい展望が広がっていた。

山頂をあとに赤抜ノ頭を往復することにする。
コルに向けて下って行くと、花崗岩の奇岩と白砂の景観を呈してくる。燕岳か甲斐駒のミニ版という雰囲気だ。オブジェ風の奇岩と地蔵オベリクス、観音岳を視野に入れながらゆるく登り返し、赤抜ノ頭まであと2、3分というとき、突然ガスが湧き上がってきて地蔵岳を視界からさえぎってしまった。まったくついていない。以前鳳凰三山へ登ったときにこの頭は踏んでいるので、残念だが諦めはつく。
これで空白だった赤抜ノ頭と白凰峠の間がつながり、鳳凰山から仙丈ケ岳までが赤線で接続した。

案じた時間の方は余裕がある。赤抜ノ頭付近で腰を下ろして昼食休憩にしたあと、同じコースを引き返す。高嶺のピークを通過するころには、甲斐駒にもガスがからみつき、北岳の山頂も見えなくなっていた。
白凰峠からの下りは疲労がたまった足が言うことをきかない。バスの発車まで時間はたっぷりあったので、時間調整もかねて出来るだけゆっくりと下る。特に急峻な下りでは木や岩につかまり、地べたに手をついたりして足の負担を軽くしながら、登りと同じような速度で一歩一歩足を運んだ。 それにしても脚力の衰えを実感せざるを得ない下りだった。

これで山岳標高ベスト100の残りは6座となつた。

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