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剣御前(2777m)奥大日岳(2606m)

富山県 2005.09.13 単独 扇沢までマイカー 剣御前 三等三角点
奥大日岳三等三角点
コース 扇沢(7.30)===富山黒部アルペンルート===室堂ターミナル(9.25-9.30)−−−雷鳥沢(9.50)−−−剣御前小舎(10.45)−−−剣御前(11.05-11.10)−−−剣御前小舎(11.25)−−−室堂乗越(11.50)−−−奥大日岳(12.50-13.05)−−−室堂乗越(13.50)−−−新室堂乗越(14.00)−−−雷鳥沢−−−室堂ターミナル(14.50)
剣御前ピーク(左)と剣岳

剣御前・・・日本山岳標高70位の山

日本300名山は人の手を借りずに自力・単独を持って全山踏破するつもりだったが、行きがかり上5座だけは複数人での踏破となってしまった。奥大日岳もその一つ、いまさら二番煎じで単独登頂しても意味がないことを承知しながら、いつか単独で登りなおそうと思っていた。そのついでに標高70位の剣御前を登ることにして出かけた。

ガイドブックを参考にすれば行程所要時間は10時間ほど。扇沢始発バス7時半、室堂着9時25分。帰りは室堂終バスの一つ前のバスには間に合うように戻りたい。ということになると使える時間は7時間。30分程度の余裕を見ればかなり急がなくてはならない。

室堂はガスの中、またもや天気予報ははずれか。毎度のことで腹も立たない。
硫黄臭の噴出ガスを浴びながら雷鳥平へ。雷鳥沢を渡って剣御前小舎への急登にとりつく。背後に立山連峰が見えてきた。天気がいい方へ向かっているのなら嬉しいが。やや早足で立ち止まることもなく次々と追い越して行く。高低差500メートル余、2時間という急登を55分で登りきる。これで帰り予定のバスに間に合う目途がつく。


肌寒い強めの風が吹き付けている。
小舎の前から右手の巻き道を見送って目の前のピークめがけて岩っぽい尾根を登る。「剣御前三角点を経由して剣岳へのコースは荒れていて通行困難」という表示が出てるが剣御前までは問題ないだろう。
登りついたピークは2792メートル、目指す剣御前より15メートル高い。このピークから巻き道に合流するまで岩の尾根道を行くことになるがコースが判然としないほど荒れていた。巻き道と合流するとあとはハイマツの中の歩きよい道となる。剣岳を隠していたガスが突如として取り除かれ、威厳に満ちた姿を目の前に現した。骨格たくましく、鉄の鎧をまとったごとくの姿は、まさに岩の殿堂にふさわしい威容であった。その姿を見せたのはほんのわずかの時間で、剣御前に着いたときには再びガスの中だった。
剣御前山頂には三等三角点と、大きな岩の根元にイワツメクサが一株咲いているだけ、標柱一つとしてない。標高70位の山にしてはやや淋しいがこれはこれでいい。立山方面は良く晴れていて、浄土山から雄山、大汝山、別山などがよくのぞめる。

奥大日岳山頂から立山をのぞむ
山頂をあとにして、今度は巻き道で剣御前小舎まで引き返す。休憩なしで室堂乗越への下りに入る。ここも急ぎ気味に足を運ぶ。
最低鞍部の室堂乗越から登りとなる。最初はゆるい登りで足も快調に動いたが、勾配が増すにしたがって次第に足の重さが気になってくる。最初に見えたピークは肩を巻くようにルートがついていてほっとする。左手には室堂平から立山連峰が終始目の中にある。剣御前もよく見えている。最初のピークを巻き終わったところで忽然たる感じで再び剣岳が姿をあらわし、しばし見とれて足をとめた。

目の前にある二つ目のピークが奥大日岳山頂と思ったが、三角点は実はその少し奥にあってまだ見えない。
足場の悪い岩の登りがつづく。休みたい誘惑にかられるが、一気に山頂目がけた方が気が緩まなくていい。がんばる。二つ目のピーク直下を巻いて稜線を北側へ乗越すと、あとは平坦道が山頂へといざなってくれる。ここは高山植物が何種類か見える。ヨツバシオガマ、ウサギギク、ミヤマアキノキリンソウ、タテヤマリンドウ、ミヤマダイモンジソウ、ミヤマトリカブト、オヤマリンドウ、タカネツメクサ、ハクサンボウフウなど。

2回目の奥大日岳だが、前回は妻も連れ立った4人パーティー、残雪と濃霧の中、ただ登ったというだけで、展望は皆無、山頂の様子さえ記憶に残っていない。そう言えば大雨で増水した雷鳥沢の木橋を渡るのがとても怖かったのを思い出す。
山頂に着いたときには剣岳はガスの中に姿を消していた。時間があれば先に見える大日岳も登ってみたいところだがそれは無理な相談だった。立山や眼下の弥陀ヶ原などを眺めながら、始めて腰を下ろして15分の休憩にした。

下山は新室堂乗越から雷鳥平へ下る。疲れた足には室堂ターミナルまでわずか150メートルの登りがかえしがきつかった。
結局予定のコースを休憩込み5時間20分で歩ききることができたが、疲労感のほうもかなり強かった。
 
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