kai-007 山梨百名山一覧表へ 「山岳巡礼」のトップへ戻る
登頂年月日 1992/12/31 | 天候 晴れ | 同行者 単独 | 汽車利用 | |||
東京駅〓〓〓高尾乗換え〓〓〓笹子駅(7.10)−−−山腹取付き地点(7.45)−−−宝越え(8.35)−−−鶴ケ鳥屋山(9.05-10)−−−宝越え(9.40)−−−本社ケ丸(10.40-11.00)−−−清八峠(11.15)−−−変電所(12.00)−−−笹子駅(12.45) | ||||||
大晦日、この年登った日本300名山は36座。今年も悔いのない山行を重ねたものと自分では満足している。 300名山すべてを登れるとは思わないが、それでも既に200を3つ超える所まできた。
初電で東京駅まで行って高尾行に乗り換える。高尾でもまた松本行純行列車乗り換えで笹子へ。相模湖駅あたりで真っ赤に焼けた夜明けの空が美しかった。 笹子駅では私の他に若者3人のグループが下車した。霜を置いて凍てた日陰の林道を登山口ヘ向かう。冷え冷えとした船橋沢沿いを道が延びている。林道終点から堰堤を高巻くとすぐに左手山腹に取り付く道標があった。足元の悪いざれた急傾斜がしばらくつづく。“宝越え”という尾根筋に出る。 宝越えまでは笹子駅から1時間30分。今日のコースは5万分の1図には載っていないが、登山道は明瞭である。ただ現在地がよく分からない。宝越えから鶴ケ鳥屋山までは、東方へほんの一投足と見当をつけて向かった。目の前のコブがピークかと思って登りつくとその先にもうひとつコブが現れる。あれが本物のピークと確信して着くと、山頂はさらに先というように何回も騙されて、私の速足で30分強、普通の足なら1時間近くという行程だった。この間に九つのコブを越えた。 せっかく着いた鶴ケ鳥屋山々頂は喬木に遮られて展望はきかない。宝越え方向へ少し戻ると南面の開けた展望地があり、ここで富士山や三ツ峠山、これから向かう本社ケ丸などを望むことができた。 寒さが身に染みる中、急いで富士山を1枚スケッチしてから、再び尾根筋の登山道を西へ向かい宝越えまで戻る。ほんのひと歩きのつもりだったのが、鶴ケ鳥屋山往復にほば1時間を要した。 宝越えから本社ケ丸へは、最初のピークを巻いたあと忠実に尾根をたどって行く。徐々に高度を上げて大きな送電塔に達すると、歩いて来た鶴ケ鳥屋山をはじめ、滝子山、小金沢大菩薩連嶺、奥秩父連峰と北の眺望がいい。 柔らかに降り注ぐ大晦日の日差しの中で、しばらく日なたぼっこをしてから本社ケ丸へ向かった。 本社ケ丸山頂はそこだけ樹林の切れた露岩の山頂で、想像もしなかっ たほどの好展望を楽しむことができた。標高1631メートル、冷たい北風の中でしばし眺望に目をこらす。富士山、三ツ峠、それに南ア ルプスの3000メートル級も意外に近い。八ヶ岳、奥秩父・・・さらに雪雲に見え隠れしているのはきっと北アルプスだろう。 1992年度、軽く登り納めにと選んだ近郊の山だったが、眺望にも恵まれ、それなりの歩きでもあって満足しながら山頂を後にした。 下山は清八峠まで下り、三ツ峠への道を左に見送り、右手雑木林の道を笹子駅へ向けて下った。 (1992年12月記) |