kai-015
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山梨百名山 高柄山(733m)
登頂年月日 1989/12/02 天候 晴 同行者 単独 電車
四方津駅(7.45)−−−御座松跡(9.05)−−−新大地峠(9.20)−−−大地峠−−−休憩30分−−−新大地峠(10.15)−−−高柄山(10.35-11.15)−−−矢野目(11.40)−−−矢野根峠(12.05)−−−上野原駅(12.55)


高柄山
初冬の一日、日だまりの低山をのんびりと歩いた。山間の中央線四方津駅に降り立つと、吐く息も白く衣服をとおして冷気がしみこむ。

7時45分、駅前から舗装された街中の道を抜けて、指導標に従い川合橋から川合部落へのだらだら登りを行く。農家の寒々とした庭先には霜柱が立ち、畑には朝早くから仕事に励む姿も見られる。
舗装道から登山道が分れるところに、朽ちた小さな祠があり、その脇に『○常夜燈尊』と刻まれた石塔があった。最初の一字は判読出来ない。ここから畑の中の小径を伝って山道へと入る。落ち葉を踏んで小高く張り出した尾根の末端を越えて、薄暗い谷に下りそのまま山腹を水平に行く。やたらと倒木が道をふさぎ、ハイキングコースにしては整備が悪いと思いっつ、それをまたいだりしながらしばらく行くと、すーっと道が消えてしまった。コースを間違えたようだが、ここまで間違えるような心当たりはない。狐につままれた感じで引き返す。
小高い尾根の張り出しまで戻ると、何とそこには立派な道標があったのに見落としていた。
この時期花もなく、また眺望とて期待できず、ただ歩く事のみが目的であり、それが総てのようだ。 体を動かすことはいいことだ、などともっともらしく納得してそれでも少しづっ標高は上がっていく。
御座松跡という大きな松の木が何本かかたまってある所を過ぎ、左側の山腹を巻いて少し登りを詰めるともう新大地峠に到着した。松林に遮られて眺望もなく、すこし先の大地峠まで足を伸ばして見ることにした。一旦下って緩く登りかえすと、15分ほどで大地峠だった。樹林の間を通して富士山の真っ白な頂上部だけがのぞめた。

新大地峠へ戻る途中の小広いピークは、人気もなくこの上なく静かで、休憩場所にはもってこいとばかりに、腰を下ろして休むことにする。うららかな冬の木漏れ日がやさしい。丹沢の山が高々とうかがえる。目の前に見えるのが高柄山らしい。
小ピークで30分ほどのんびりしてから、新大地峠まで戻り、そこから急坂を下って高柄山へ向かった。鞍部から登り返してからもう 一度急な下りで10人ほどのパーティーを追い越し、わずかな急登で高柄山の頂上に着いた。

静かだった頂上は、先ほど追い越した一団が到着していっぺんに賑やかになった。それを機に矢野根峠から上野原駅へと下山の途についた。

(1989年12月記)


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