kai-024 山梨百名山一覧表へ  「山岳巡礼」のトップへ戻る

山梨百名山 二十六夜山(972m)
登頂年月日 1991/02/17 天候 晴れ 同行者 単独 マイカー利用
尾崎集落(6.50)−−車道歩き−−金高山キャンプ場入口(7.00)−−−露岩(7.45)−−−二十六夜山(8.10-25)−−−尾崎集落(9.40)

“二十六夜山”の名に引かれて、いつか登りたいと思っていた。しかし1000メートルにも満たないような取るに足らない山、なかなか足を向ける機会がなかった。

尾崎集落の入り口に、二十六夜山について案内書きがある。それによると、旧正月と7月の二十六日、夜半遅い月の出を待って拝むと、幸せが訪れると言って人々は二十六夜山に登って拝んだのだそうだ。
登山日和とは言えない北風の冷たい朝だった。マイカーを原、 尾崎集落の中間の空き地に停めて、車道を村営金高山キャンプ場方面へ向かう。キャンプ場からいくつかの別荘の間を行くと山道に入った。最初の急坂の途中に四阿屋が建っていた。しばらくつづいた急登が緩んだと思うと、すぐまた二番目の急坂となる。低山ながらなかなかきつい。下生えの低潅木の小枝がうるさい。夏だったらとても歩く気がしないことだろう。
直登して行くこの尾根は、歩く人も少ないのか、踏みしだかれることなく落ち葉が散り積もって、2月だと言うのにまだ初冬の雰囲気を残している。背後には高畑山、倉岳山のほか、三ツ峠や南アルプスも頭ものぞかせてきた。
傾斜の緩んだあと、もう一度急登をひと頑張りすると、露岩の好展望地に出た。三ツ峠から御坂山魂の展望がいい。奥秩父の連山は雪に煙っているようだ。滝子山と小金沢連峰、奥多摩の山々へとつづく。

北風が強くじっとしていると寒さが体の芯まで染みこんでくる。早々に頂上へ向かった。
露岩から三つほど小さいピークを越すと、山頂を示す表示を見て登山道を分け、5分も歩かずに二十六夜山の頂上だっ た。
北風の冷たい山頂で三ツ峠方面をスケッチ、そのあと頂上付近を散策。東西に細長い山頂はミズナラの樹林が美しいところだった。

時間は早いが寒くて長居ができず、山頂を後にした。
山頂を示す表示の先が、雑木に囲まれた平坦地で、一角に『廿六夜』の石碑が据えられていた。風を避けて日だまりで熱い紅茶を飲んでくつろぐ。このような小さなハイキングで、気に急かされることもなくのんびりするのも悪くはない。春を待つ小鳥の囀りが梢をわたっていく。よく見ると潅木の枝先には、既に新芽がふくらんでいた。

尾崎集落への下りは、直登した登りと違って、じくざぐに歩きいい道が開かれていた。月の出を待って登った当時は、この道が使われていたのであろう。

(1991年2月記)


山梨百名山一覧表へ   「山岳巡礼」のトップへ戻る