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山梨百名山 身延山(1153m)
登頂年月日 2003/05/10 天候 高曇り 同行者 なし マイカー利用
久遠寺駐車場(1.37)−−−三光堂(2.10)−−−身延山(2.55-3.00)−−−三光堂−−−久遠寺参拝(3.50)−−−駐車場(4.00)

身延山々山頂

今回の山梨山行の主目的は、甲府の山友Aさんのグループと、西沢渓谷鶏冠山登頂で、その前日に山梨百名山をいくつか登っておこうというものであった。  
ところが鶏冠山山行予定の11日は、どうやら天気が崩れる模様、沢の遡上、岩尾根という難しいコースには条件が悪い。  
源次郎岳を登ったあと、Aさんと連絡しあって、鶏冠山への参加をどうするかは、天気予報を見た上で夕刻決めることになった。

鶏冠山は中止となる公算が大きい。しかし多少天気が悪くても、せっかく山梨まで出かけてきたのだ、低山なら問題はない。2日日程の一日目は、源次郎岳、足和田山と登って予定は消化できた。考えた末、未踏の山梨百名山が10座ほど残っている身延線沿線へ移動することにした。    まったく予定になかった身延沿線方面、さてどこへ登って良いかわからない。足和田山から下山後、富士吉田市の書店で「山梨百名山」なる本を買いこんで検討した。前回山梨百名山の標柱の立つピークを登り残した春日山へ登り、そのあと身延山へ登ることにした。

本栖湖から下部温泉を経由して身延久遠寺へマイカーを飛ばした。
駐車場着は午後1時半になろうという時刻、購入した案内書では、山頂まで2時間半、往復4時間半という行程になっているが、ごく大雑把なコース案内しかなくて、詳しいことはわからいな。
小さい山ながら源次郎岳、足和田山と歩いたあとだ。しばらく逡巡したが登ることに決めた。どうせ観光に毛の生えたピクニック気分の山という舐めた気持ちもあった。

ほとんどの観光客は、7分で山頂に達するロープウエイに向かって行く。時間を気にして、最初から早過ぎるほどのペースで足を運ぶ。一般車は通行不可となっている舗装された車道だ。
しばらく登って、なんとかいう寺の石段にさしかかると、掃除をしていたおばさんが「奥の院まではこれから2時間はかかるよ」という。とんでもない、2時間もかかったらたまらない。なお一層足を早める。
ロープウエイで上がり、帰りを歩いて降りてくる人や、ハイキング姿の帰りのグループなどに出会うが、この時刻に登る人はいない。

三光堂までの所要時間は30分余、案内書は1時間半だ。最高に良いペースだが、もう全身汗びっしょり、ズボンの尻まで濡れている。まるでマラソンでも走っている気分だ。
三光堂から先は自動車はすべて禁止となっていた。
舗装された道も、いつしか砂利道と変った。山頂まで50丁あるというが、丁目石が良い目安になる。三光堂が25丁目だった。路傍にニリンソウの白い花がたくさん咲いているが、足を止めて見入る暇はない。
30丁を過ぎたあたりから勾配が急になってきた。息が切れる。息をはずませながら、スピードは緩めない。残り15丁、10丁・・・3丁、2丁、そして思親閣のある奥の院へ到着。最高点は奥の院の裏手という感じだったが、三角点も何もない。山梨百名山の標柱は、奥の院から少し先へ進んだとろこにあった。展望台にもなっている。案内板には南アルプスをはじめとする山岳展望が記されていたが、生憎の高曇りでその展望を得ることはできなかった。
40年以上前に登ったことのある山頂だが、記憶のかけらも残っていない。七面山から下ってきて、またこの山頂を経由して久遠寺へと降りたのだと思う。
展望台の看板には、聞きなれた詩があった。

  『山のあなたの空遠く 幸い住むと人のいう
      ああわれ人と尋めゆきて 涙さしぐみ かえりきぬ
       山のあなたのなお遠く 幸い住むと人のいう』

全身濡れネズミほど汗をかいた体が冷えて行く。きびすを返して下山にかかる。下りはなかばジョギングと見まがう歩きで駈け下った。

この日は小さい山ながら、山梨百名山3座を登るとができた。鶏冠山は結局取止めとなり、翌日は身延周辺の山を登ることにした。


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