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山梨百名山 雁坂嶺(2289m)破風山(2318m)甲武信岳(2475m)
(甲武信岳、雁坂嶺、東破風山、西破風山、十賊山)
登頂年月日 1988/06/18 天候 晴れ 同行者 単独 マイカー利用
西沢渓谷P(7.15)--雁坂峠入口(7.30)--雁坂峠(9.40)--雁坂嶺(10.10)--東破風山(10.40)--破風山(11.00)--甲武信岳(12.20)--木賊山--戸渡尾根--二つ瘤--ヌク沢(14.20)-- 西沢渓谷P(15.00)

甲武信小屋一泊の予定だったが、ペースは快調でコースタイム14時間ほどの行程を日帰りで歩ききった。日帰り登山としては、これまでの最長コースかもしれない。

7時過ぎ、西沢渓谷村営駐車場に自動車を止め、朝の大気を胸いっぱい深呼吸してから出発した。梅雨のさなか、天気が気になるが、すぐに降りだすことはなさそうだ。
登山口のすぐ先で『工事中につき迂回』の表示を見落としてしまった。スタートからやりなおしだ。
今度は迂回して自動車道に出る(雁坂トンネルへの工事中の道)。この車道は30分も歩くと山道に変わった。勾配は緩やかで歩きいい。
コースは昔からある雁坂峠へ通じる道で、整備が行き届いている。雁坂峠は日本三大峠の一つと聞いた。(他の二つは針の木峠と三伏峠、あるいは針の木峠、清水峠とも聞いた)

沢を渡るたびに冷たい水で喉を潤す。ブナの木が目立つようになり、それがシラビソに変わり、やがて笹原とコメツガになって高山の様相を呈してきた。
笹原の中の急登で一汗かくと稜線に出て、そこが雁坂峠であった。ここまでで標高差1200メートルほどを登ったことになる。甲武信岳へは残り500メートルの高度差、そう思った。

霧がまいて肌寒く視界もきかない。雨が案じられる。時計を見るとここまで2時間半、ガイドブックの半分以下の時間しかかかっていない。快調だ。この調子で行けば小屋泊りの必要はないかもしれな い。雁坂峠をあとにして稜線のコースを雁坂嶺へと登って行く。天気がよければ展望の尾根歩きだろう。
雁坂嶺から東破風山を越え、登り降りを繰り返し、汗を絞られて2317米の西破風山(破不山)の頂上に立った。山頂から目を先にやると、いっとき霧が切れて前方の山影が目に入ってきた。甲武信岳へはこのまま登って行くものと思っていたのに、意外にも目の前から大きく落ちこんでいる。谷を隔ててその向こうにそびえ立つのが木賊山、甲武信岳はさらにその奥。この谷を急下降してまた登リ返すのかと思うと、力が抜けていくようだった。せっかく稼いだ高度が何百メートルも帳消しとなってしまう。日帰りでと思ったのは、少し虫が良過ぎたかもしれない。

とにかくこの岩塊の中を急降下しなくてはならない。シャクナゲの花が咲き乱れている。岩にシャクナゲの取り合わせもよく以合う。花に気を紛らせながらどんどん下る。もうこのあたりでと思うのにまだ下る。ようやく下りきったコルに避難小屋が建っていた。ここからの登り返しはきつかった。

木賊山と甲武信小屋の分岐で甲武信小屋への巻き道を行く。小屋へ着いて時計を見ると、まだかなり早い時間だった。
小屋泊まりはやめ、そのまま頂上へ向かった。
今朝から人に会ったのは雁坂嶺付近で下って来た若者一人だけ。淋しいほど静かな行程だった。
甲武信岳山頂を一人じめにして満足感に浸る。曇り空ながらそこそこに見とおしはあり、国師岳から秩父の連山、黒金山、三宝山等が見えた。この山頂は、甲州(山梨)武州(埼玉)信州(長野)境界、ここに落 ちた雨は僅かの差で、甲州の笛吹川から富士川へ、武州の荒川から関東平野を流れて東京湾へ、また信州の千曲川から信濃川へと流れていく。

30分ほど休憩をとってから甲武信小屋まで戻り、今度は十賊山の頂上を踏む。ここで戸渡尾根にコースをとって下山することにした。
木の根がらみの歩きにくい急な道をハイペースでぐんぐん下って行く。シャクナゲの花が一面埋め尽くすように咲いていた。
ひたすら下りに下ってようやく傾斜が緩み、本日のゴールも間近となった。
要した時間は休憩込みで7時間45分、コースタイムの半分だった。
(1998年6月記)

日帰りでなおかつこの時間でよく歩いたものと、自分で感心してしまいました。
雁坂峠から雁坂嶺、東破風山、西破風山、甲武信岳、十賊山といくつものピ ークを登り降りし、最後の戸渡尾根の急な下りも厳しかった。けっして楽ではありませんでしたが、たいした疲労感もなく快調に歩きとおすことができて、会心の山行でした。
千曲川源流から甲武信岳〜三宝山〜十文字峠の記録はこちら


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