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山梨百名山 黒金山(2232m)乾徳山(2016m)笠盛山(2072m)
登頂年月日 2002.04.19 天候 曇り  6人パーテイー マイカー利用
大平開拓から先の林道・牛首への登山口(7.50)−−−休憩(8.25-30)−−−牛首(9.10-20)−−−黒金山(9.55-10.25)−−−笠盛山(11.00-11.05)−−−乾徳山(11.50-12.50)−−−大平開拓地(14.30)

乾徳山より黒金山をふりかえる
乾徳山は多くのハイカー、登山者に馴染みの名山であるが、その奥に位置する黒金山は人影もまばらとなる寂峰的存在の山である。

ネットの友Cさんから山梨の山へお誘いを受けて同行せてもらった。Cさんの仲間合わせて6人のパーティー。前夜ハワイから帰国したばかりのYさんは300名山完登の女性猛者、同じく300名山完登の初老60歳の男性、夫婦で日本100名山完登のEさんご夫妻、それと名山へのこだわりを見せずに、主として山梨の山をこまめに登り歩いているこの山行リーダーCさんは、いかにも折り目正しくてまぶしい教養婦人。

単独行オンリーの私、パーティ登山なんて100に一つもない。異例中の異例の登山はどうなるか。不安と期待で三富村道の駅へ集合。
大平開拓地に車1台を残し、あとの1台で牛首への登山口へ向かう。登山口は見落としようもない明瞭な道標が案内している。この日は金曜日、5日前の日曜日は長野マラソンで骨の髄まで汗を搾り取られるような辛酸を味わうフルマラソンを走ったばかり。疲労も完全には癒えていない。

メンバーの年令に比し、ペースはけっこう速い。健脚にはかなりの自信を持っている私も、これでは余裕しゃくしゃくという歩きでは間にあわない。
芽吹きはこれからという落葉樹林の雰囲気が実に感じいい。途中で1本立てたものの、快調なペースで黒金山と西沢渓谷への分岐点「牛首」に到着。
牛首からは奥秩父らしい黒木原生林に変る。林床には氷化した残雪も見られるようになる。アイゼンを必要とするほどではないが、スリップに注意しながら、牛首から30分余で目的の黒金山頂上へ着いた。

Yさんはこれが山梨100名山の99座目だった。最後は手ごわい笹山をもって完登を果たすのだという。逞しいウーマンパワーである。
快晴予報が外れて、空には雲量が多い。山頂からは国師ケ岳、金峰山それに甲武信岳方面が少し望めただけだった。
記念写真を撮ったりして、しばらく休憩ののち乾徳山へ向かう。

黒木原生林の中を急下降して行く。残雪はたいしたことはない。乾徳山へは、途中笠盛山(2088m)というピークを一つ越えて行く。この付近はいかにも奥秩父らしい、静寂そのもの原生林が広がり、ときには絨毯のような緑の苔が林床を覆っている。
乾徳山岩峰の基部からは、梯子を使って岩場を登りきれば、2回訪れたことのある懐かしい山頂だった。 われわれの山頂到着と入れ替わりに、下山しようとするおじさんがいた。見るともなしに顔を見ると 「あれ?Nさん・・・・どうしてここにいるの」 それは先日一緒に長野マラソンを走ったNさんその人。いやあたまげた。示し合わせたわけでもないのに、同じ日、同じ時刻に山頂で出会うなんて、こんな偶然がまたとあろうか。まさに驚愕だった。
Cさんが背負ってきたごちそうを遠慮なくむしゃむしゃと頂き、パーティ登山の楽しさの一端を感じ取っていると、あっという間に1時間が過ぎてしまった。

徳和へ下るNさんと別れて、我々パーティは大平開拓地へ下山。 乾徳山てっぺんからの岩場の懸垂下降も、女性のCさん、Yさんは見事なものだった。
今回のパーティ登山の楽しかった要因の一つは、メンバーのお人柄も当然だが、脚が揃っていたことも大きいような気がする。
面倒見の良いCさんのおかげで、パーティ登山の愉しみを一つ教わることが出来、これも思い出の登山の一つとなることだろう。

(2002年4月記)


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