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山梨百名山 国師ケ岳(2592m)
登頂年月日 1991/06/29 天候 雨 同行者 単独 マイカー利用
大弛峠(8.00)−−−前国師岳(8.20)−−−国師ケ岳(8.30)−−−北奥千丈岳(8.40)−−−前国師岳−−−大弛峠(9.15)

塩山市から川上村に通じるスーパー林道で、標高2300メートルの大弛峠まで自動車で上ってしまった。
田部重治や小暮理太郎の時代には、国師ケ岳と言えば奥秩父最深の山巓で、簡単には行きつけない秘峰であったろうに、今では軽いハイキング気分で登ることさえ可能だ。

カーブの多い林道は、やがて未舗装のダートとなり悪路がつづく。大弛峠には数台の自動車が止まっていた。ぽつぽつと雨が落ちて来た。覚悟はして出かけて来たが、やはり雨では気分の盛り上りは無理だ。

道標に従って登山道に入る。シラベの林の中に大弛小屋があった。煙突から立ちのぼる紫煙がいかにもそれらしい風情がある。ただ、都会の喫茶店で見る『KEY COFEE』という合成樹脂の看板があったのは場違いだった。
小屋の裏手から階段状の登りが始まる。『夢の庭園』の標識が立っている。安直で芸のないネーミングだ。小雨模様の天候にせかされて、その庭園には向かわずにまっすぐ国師を目指した。黒木樹林の中には、シャクナゲの植生も多いが、花季はすでに過ぎていた。

明るい花崗岩のピークに出た。前国師岳の標識が雨に打たれている。北奥千丈岳や金峰山がうかがえる。前国師から少し下り、北奥千丈岳への分岐をやり過ごして登りかえすと、もうその山頂だった。わずか30分の行程に拍子抜けする。
花崗岩の山頂は、天気がよければ広大な展望が得られるはずだが、今日は金峰山方面を見通すのが精一杯だった。

一等三角点を確認すると、すぐに来た道を戻り、奥秩父最高峰の北奥千丈岳に立ち寄る。ここもやはり花崗岩の山だった。
下山は夢の庭園を経由する。ベンチが置かれた好展望台という感じはわかったが、雨天では展望どころではない。半ば朽ちかけた木の桟道を、おっかなびっくり渡ったりして大弛峠へ戻った。

帰りに立ち寄った乙女高原も、強い雨でとても歩く気分にはなれず、尻切れトンボの不完全燃焼で帰宅した。


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