kai-072 山梨百名山一覧表へ 「山岳巡礼」のトップへ戻る
登頂年月日 1989/08/19 | 天候 晴れ | 同行者 妻同行 | マイカー利用 | |||
北沢峠(7.40)−−−馬の背ヒュッテ(9.40)−−−仙丈ケ岳(11.05-25)−−−小仙丈ケ岳(12.15)−−−北沢峠(14.10)−−−仙水小屋(15.00 | ||||||
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大平小屋まで戻って薮沢コースから仙丈岳を目指した。 急登をしばらく辿ると薮沢に出る。薮沢沿いに直登して間もなく雪渓となる。はじめ右岸山側の道を行くが、途中で雪渓を横断して左岸へ移る。まもなく雪渓上にルートが変わる。薮沢雪渓直登の始まりである。慣れぬ妻にはかなりハードで、歩みも遅々として進まない。 背後に鋸岳がせりあがってくる。 ふだんの年は、この時期雪渓もほとんど消えて、明るい沢沿いのコースの筈が、今年は異常な残雪で仙丈への一番楽なコースが、意外に厳しいものになってしまったようだ。滑落を心配するほどの傾斜ではないが、それでも慣れない雪渓歩きは滑りそうな気がして、妻には結構こたえているようだ。 小仙丈尾根からのコースが合流する地点でようやく雪渓を離れた。 真新しい馬の背ヒュッテに到着。丸太作りのしょうしゃな建物で、余裕があれば一泊してみたい小奇麗な小屋だ。 一休みして出発する。クロユリを見付てカメラに収める。ダケカンバ帯を抜けると馬の背の稜線に出る。ガスで視界はきかない。周囲はキバナシヤクナゲの大群落で、今を盛りと咲き競っていた。 ざら場の急登となる。一歩登ると半歩ずり落ちる砂礫は、なんとも不安定で登りにくい。苦労して登り着いた稜線は目の覚めるような花々が出迎えてくれた。若い娘さんが一人、岩陰に風を避けて花の中でうっとりとして、まるで時を忘れたように座っている。その娘さんが「花を見ながら行けば頂上にはすぐ着きます」と声をかけてくれた。 砂礫地を彩る赤、黄、紫のお花畑の中を登り着いた頂きが仙丈ケ岳だった。視界はきかないが、それを埋め合わせる高山植物が咲き競っていた。 下山は小仙丈尾根を下る。 小仙丈岳への下りではイワウメの群落が見事だった。虫目がねが欲しくなるような可憐な花が精一杯に咲いている。 急な下りはシラビソの樹林へと入り、ただひたすら下りつづけて出発地の北沢峠着は2時。ここで宿泊してもよかったが、明日の甲斐駒ヶ岳登山のため仙水小屋まで入っておくことにした。 (1989年8月記) |
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