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山梨百名山 小太郎山(2725m)
登頂年月日 1993/08/21 天候 霧、小雨 同行者 単独 マイカー利用
広河原(7.00)−−−分岐(7.25)−−−水場(8.30)−−−御池小屋(8.45-55)−−−大樺沢コース合流点(9.55)−−−小太郎尾根分岐(10.05)−−−小太郎山(11.10-20)−−−小太郎尾根分岐(12.25-35)−−−大樺沢コース合流点(12.45)−−−大樺沢二俣(13.20-30)−−−広河原(14.50)

小太郎山ピークにて
不順続きのこの夏の天候は、なかなか山へ出かけるチャンスを与えてくれない。サラリーマン現役時代は、天気はどうあれ、とりあえず貴重な休日を大切にして何が何でも出かけたものだが、リタイア後は敢えて悪天の中を山へ出かけることもなく、好天を待てばいい。好天の山歩きの方が何倍も楽しい。今ではそんな贅沢がすっかり身についてしまい、天気予報が良くないとなかなか出かける気にならない。
しかし今年の夏は待っても待っても登山日和がやってこない.。そのうちに夏が終ってしまいかねない。雨さえ降らなければいいという思いで小太郎山を登ることにした。
一応北岳肩の小屋一泊というのんびり予定であるから、夜明けとともに歩き始める必要もない。

一般的なアプローチとなる夜叉神峠から広河原への林道が崩壊不通の状態がつづいている。そこで中富町から南アルプス街道を使って延々と走ることになる。夜叉神峠不通による特別措置で、奈良田から先、広河原まで時間制限で走れるようになっている。広河原へ向かう朝の通行時間は4時から11時まで。広河原着が7時少し前だった。

北岳への登山道へ入り、20分ほどで大樺沢コースを分けて右の御池小屋コースを取る。シラビソ樹林の中の急登がつづく。このコースを歩くのははじめて、雰囲気としては大樺沢よりいい。登山道の整備もそこそこ、踏跡の様子からも歩く人がけっこう多いようだ。
御池小屋まで1時間45分、それほど急いだわけでもないがコースタイム3時間よりかなり早かった。広々とした小屋の付近で10分の休憩をしてから上をめざす。
樹林から開放されてお花畑が広がる。急なきつい勾配に登山者たちは息を切らしている。それを次々と追い越して行く。振りかえると背後には鳳凰山が競りあがっている。ハクサンフウロ、クガイソウ、ホソバトリカブト、イブキトラノオ、キオンなどが咲き乱れる中を、休まず登りつづけて大樺沢からのコースと合流するまで御池小屋からちょうど1時間、コースタイムは3時間となっているがほんとうだろうか。さらに10分で小太郎尾根との分岐、予想以上の早さで着いてしまった。

いくらか青空も見えていたのに、小太郎尾根に着いたとたん、肌寒さを覚えるような冷風を伴ってガスが上がってきてしまった。小太郎尾根の先にある小太郎山や、早川尾根などは何とか見とおせる。
喉を潤して休むことなく小太郎山へ向かった。かなりはっきりとした踏跡に、案ずることなく足を運ぶ。岩屑の斜面にはタカネヒゴタイやトウヤクリンドウの花が見られる。
やがて岩塊の中を行くようになると、ルートも不明瞭になりがちだが迷うことはない。雨が落ちてきた。まずい風も出てた。足を速める。
小太郎山手前の小ピークは右から巻きかげんに越えて行く。ハイマツが足にからんで歩きにくいところもあったりするが、意外に簡単に小太郎山のピークに立つことができた。肩の小屋分岐から丁度1時間だった。 例によって「山梨百名山」の標柱と、三等三角点を確認。残念ながら展望はない。一瞬霧の切れ間から北岳が顔を見せてくれただけだった。  

天気が大きく崩れないうちにと山頂をあとにして引き返す。
肩の小屋分岐まで戻ると、あたりは濃霧に包まれて乳白色の世界に変わっていた。この天気では肩の小屋へ泊り、翌朝北岳山頂からのご来光をあてにできないかもしれない。展望のない北岳ピークを踏んでも意味がない。この頂にはすでに2回立っている。時刻はまだ12時を回ったばかり、このまま下山すれば帰りの奈良田方面通行時間帯の4時までには十分間に合う。予定を変更して下ることにした。
下山は足にまかせて大樺沢をぐんぐん下り、広河原に降り立ったのは2時50分、往復所要時間は8時間弱の登山だった。

帰路、奈良田温泉の女帝の湯で汗を流し、家路についた。
長野から小太郎山を日帰り、それも朝ゆっくりとした時間に出発して、少しやり過ぎだったかもしれない。
これで山梨百名山は95座、残りは羅漢寺山、思親山、三石山、十枚山、篠井山だけとなった。
2010.09.04の小太郎山はこちらへ


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