kai-087  山梨百名山一覧表へ  「山岳巡礼」のトップへ戻.る

山梨百名山 十枚山(1726m)下十枚山(1732m)
登頂年月日 2004.10.22 天候 晴れ 同行者 単独 マイカー
剣抜林道の途中に駐車(6.20)−−−温井山荘前(6.35)−−−登山口(7.20)−−−石小屋(8.40-8.55)−−−十枚峠(9.05)−−−十枚山(9.20-9.40)−−−十枚峠(9.55)−−−下十枚山(10.15-10.20)−−−十枚峠−−−石小屋(10.45)−−−登山口(1.30-11.40)−−−駐車地点(12.30)

十枚山山頂と富士山

山梨百名山は、この十枚山でいよいよ99座目となった。

前日は大型台風が各地に大きな被害を出して通過した。南部町役場へ林道の状況を尋ねると、台風災害ではないが工事のために一部通行不能とのこと。林道歩きを最大片道2時間を覚悟して深夜に長野を発った。

52号線富士川街道を南下、南部町柳島交叉点で右折、20mほどでまた右折してあとは道なりに走る。十枚荘の看板を過ぎると二又に分かれる。薄くらい中でよく見ると右が十枚山、左が篠井山を指している。右手の上り勾配の林道へ入る。どこで通行止めになるか気にしながら走る。思いのほか奥まで入ることが出来た感じだが、登山口までどのくらい残っているか見当がつかない。路肩の広がりに車を止めるた所に「3」の番号ポールがあり、この先4、5・・・とつづいていた。

ブルドーザーの突き出したアームの下をくぐるようにして行く。
しばらく歩くと温井山荘という建物がある。今は工事の人たちが休憩などに利用しているようだ。
黙々と足を運ぶこと1時間、「10」というポールからさらに2、3分先に十枚山登山口があった。ぴったり1時間の林道歩きだった。200m〜250mほどの高度差を歩いたようだ。

登山口の標高は約700メートル、山頂までは1000メートル余の高低差、けっこうな登りが待っている。山頂までの残り距離が200メートル間隔で表示されている。スタートは3.8キロから始まる。
山道へ入ると杉・ヒノキ植林の中をいきなり急登となる。じぐざぐを切りながら高度を稼いで行く。汗が流れる。十分ほどで勾配がいったん緩んで尾根の感じに変る。残り距離3キロの表示あたりで尾根の右側だけが落葉樹林となり雰囲気が明るくなる。十枚山が垣間見えるがまだ遠い。

登山道はしっかりしているが、急な登りはさらにつづく。残り1.8キロ表示で植林帯を抜けて落葉樹林となり、一挙に空が明るく広くなる。紅葉が美しい。カエデの赤系、イタヤカエデなどの黄色と入り混じって秋の山を彩っている。したたる汗に最初のポイントの石小屋が待ち遠しい。
登山口から1時間20分、大汗を流してようやく石小屋へ着く。紅葉越しに富士山の藍色の姿が絵のようだ。例年より2週間遅れて冠雪したという富士だが、雪は見えなかった。

鋭いクマま爪痕
十枚峠まで20分の表示、一息入れて石小屋を出発。北斜面をへつるような細い道がつづく。右側の谷は深く切れ落ちている。過って踏み外さないよう注意しながら足を運ぶ。このあたりは紅葉が特に美しい。紅葉を見たり足許を確かめたり、急登を登り終わると峠へ登り着く。右が十枚山、左が下十枚山の分岐になっている。静岡県側からの道もここに合流している。
まずは十枚山へ向かう。なだらかな稜線歩きから低潅木、笹原と変り、最後に急坂を登りきると山頂。広々とした空間は好展望台でもある。残念ながら三角点は隣の下十枚山にあってここにはない。
富士山の端麗な姿がことさらに目を引きつける。その左は毛無山塊だろうか。西には南アルプスの笊ケ岳や赤石岳から光岳にかけての峰々、大無間山などの展望が広がっていた。『山梨百名山』の標柱は隅のほうに遠慮がちに立っている。
天津山と読める下十枚山古い標識

一服後十枚峠へ戻る。途中、樹皮に鋭い爪痕が残る木を3箇所目にした。クマのひっかき痕だ。何となくあたりを見まわしてしまった。
峠から下十枚山へ立寄る。数分で山頂へ登れそうに見えるが急登を20分かかった。途中からは十枚山からは見えなかった赤石岳、荒川岳方面が望めた。
十枚山に比べると樹木に囲まれた地味な山頂で“天津山”という古い表示がある。テンシンと読むのかアマツと読むのかわからない。二等三角点があり、標高も十枚山より6メートル高い。格からいうとこちらの方が百名山に入るべきだったかもしれない。
山頂の写真だけ撮ると、あとは十枚峠へ戻り、石小屋経由登山口へと下り、十枚荘の温泉で汗を流した。


山梨百名山一覧表へ   「山岳巡礼」のトップへ戻る