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東北百名山

焼山=
やけやま(1366m) ・ 栂森=つがもり(1145m) 
 
登頂年月日 
2006.10.12
天候 晴れ 単独 地図 八幡平北西
    八幡平北東 
焼山 2等三角点
栂森 3等三角点
登山口が分からずに40分のロス
後生掛温泉(7.00)−−−国見台(7.55)−−−栂森(8.15-8.25)−−−鬼ケ城(8.40)−−−名残峠・焼山(9.00-9.10)−−−栂森(9.55)−−−後生掛温泉(11.05)===車で移動===蒸ノ湯温泉(11.20)−−−長沼(11.50-12.05)−−−蒸ノ湯温泉(12.25)
この日は大館市の一等三角点高森山へ登ったあと、次に焼山を登る予定にしていた。
前夜高森山登山口への林道入口付近へ車を止めて車内泊。ところが夜中の10時ころからものすごい落雷と雨、耳元で炸裂するような雷鳴がひっきりなしに鳴り響く。車を止めている地形もわからず、もし出水でもしたらおおごとだ。それに高森山の予定コースは沢沿いということもあって登頂を断念、大雨の中を車を走らせて東北自動車道花輪SAに避難した。

雨も上がって花輪SAから八幡平へ向かう。八幡平アスピーテラインに入り後生掛温泉へ。後生掛温泉は6年前に妻と宿泊、畚岳から諸桧岳を登った懐かしい温泉だ。

温泉駐車場の隅に車を止めさせてもらい、いざ焼山へ向かおうとしたが道標の類が見当たらない。焼山登山の概念図は立っているが登山口がわからいな。以前にも歩いたことのある自然研究路方面へ入って探したが分からない。戻ってあっちをうろうろ、こっちをうろうろ・・・・。結局概念図看板のところから坂を下り、湯治用建物の右手に登山者用の通路があったが、これでは分からないのも道理だった。棟をつなぐ廊下を2回横切って後生掛温泉の裏に出る。橋を渡ったところから登山道が始まっていた。
せめて駐車場付近にわかりやすい道標がほしいものだ。

さて40分のロスで登山開始、黄葉本番を迎えたブナ林の中を登って行く。木道が途切れ途切れにあらわれる。湿地性の道はぬかるみがひどく、途切れ途切れの木道では追いつかない。たちまちズボンの裾は泥だらけとなるが気にしていられない。足元は悪いがみごとな黄葉がそれを補って余りある。とはいうものの滑る岩と赤土は、足元から目を離すことができない。黄葉と足元に気を配りながら足を運んで行く。

ブナの中にトドマツが見えるようになり、やがて低潅木、そしてぬかるみからようやく抜け出して笹の道に変わると国見台だった。1時間近く、まったくひどいぬかるみだった。
依然としてぬかるみもあるが、乾いた道にほっとしながら、褥のようなガンコウランを目に、緩やかな勾配を進む。もうせん峠へ経て栂森まではすぐだった。
登山道からわずかに外れたところに三角点があるはずだが、植生保護のロープが張られて探すことはできなかった。前方に見える高みが焼山のピークだろうか。森林限界を抜けて展望が開けたものの、遠方の山々には雲が絡んでいるのが何とも惜しまれる。

栂森を過ぎると高原風の平坦道となり、やがて右手下に見える焼山避難小屋へ向けて下って行く。避難小屋のある窪地の底にはけっこう大きい沼もあった。
休まず小屋からひと登りしたところが鬼ケ城と呼ばれる奇岩帯、岩の洞窟をのぞいたりしてから小さく下っていくとグリーンがかった白濁色の水をたたえた火山湖が見えてくる。一瞬陽が射すとエメラルドグリーンに変わる。湖をめぐる赤茶けた山肌には噴気が上がり、荒涼殺伐とした景観が異様だった。
白濁の水面を右手に見下ろしながら進むと、登山道の最高点が名残峠。展望所として整備されたらしいが、今では何の表示もなく、風雪にさらされて古びたままだ。

さて焼山三角点はどこ?地図を眺めて南側の高みと判断。何となく踏みあとらしいものもある。これをたどるとすぐに深い笹に阻まれてしまった。よく見ると笹の中に薄い踏跡らしいものが隠されている。笹露に濡れながら笹を漕ぐとすぐに三角点へ行き着いた。三角点の周りだけ刈り払いされていたが、ここまで足を延ばす人は少ないのかもしれない。それにしても所在のわかりにくい三角点だった。

三角点を確認できことに満足して、同じ道を後生掛温泉へと引きかえした。


≪長沼と菰ノ森≫
黄葉・紅葉の長沼
下山後の温泉は蒸ノ湯(ふけのゆ)に入ることにしたが、予定の高森山を断念したことで時間の余裕が生じた。
地図を見ると蒸ノ湯から八幡平山頂へ通じる登山コース途中の長沼付近に菰ノ森(1145m=三等三角点)という山がある。ピークへの登山道は記されていないが、長沼まで行けば何とかなるだろう。
蒸ノ湯から長沼へのコースを歩きはじめる。大谷地の湿原を通り、黄葉に染まる中、ぬかるみの道を登って行く。コースが長沼に向けて下りに入るあたり、左手に見えるのが菰ノ森のようだ。ひとまず長沼まで下ってからピークへの道を探すことにする。
紅葉に彩られた長沼はひっそりとした静謐が支配していた。どこかに菰ノ森へのルートがないものかと探してみたがわからない。適当にヤブの薄いところを分けてみたが無理だ。
先ほど通過した最高点まで戻って標高差30メートルほどを稜線伝いのヤブ漕ぎ開始。だが簡単ではなかった。無理して登る山ではない、そう思って数分で諦めてしまった。

蒸ノ湯で汗を流してから明日予定の大深岳・三ツ石山の登山口松川温泉へ向かった。


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