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東北百名山

三ツ石山(1466m)
源太ケ岳
(1545m)・大深岳(1541m)・小畚山(1467m)・大松倉山(1408m) 
 
 2006.10.13 天候 曇り 単独 地図 松川温泉 北西
    松川温泉 南西 
大深岳  2等三角点
三ツ石山 3等三角点
大松倉山 2等三角点
松川温泉(5.20)−−−丸森川(6.05)−−−源太ケ岳(7.05)−−−大深岳(7.35)−−−小畚山(8.15)−−−三角点(8.30)−−−三ツ石山(9.00)−−−三ツ石避難小屋(9.25-9.35)−−−大松倉山(9.55-10.00)−−−三ツ石避難小屋(10.20)−−−松川温泉(11.25)
大深岳山頂

前夜は松川温泉松川荘付近の駐車場にて車内泊。

明るくなるのを待って出発する。選んだコースは源太ケ岳から三ツ石山への時計とは逆周りのコース。
源太ケ岳への登山口は、松川温泉国民宿舎峡雲荘の上、八幡平樹海ラインが大きくヘアピンカーブするところにその道標がある。

登山道へ入るとただいまブナの黄葉真っ盛り、日の出にはまだ少し間があるが、足元はもうはっきりとしている。木道を伝ったりしながら歩を進めていると、東の空が赤く染まり岩手山の肩から曙光が射してきた。稜線に出てからの展望が楽しみになり、自然と足が速くなる。シルエットに映し出された岩手山の躯体の大きさを改めて実感する。まさに貫禄の山容である。
45分で丸森川を渡る。その先から勾配がきつくなって汗が噴き出してきた。ダケカンバ、トドマツ、そしてミヤマハンノキなどの高山性の植生が目につくようになってきた。雲ひとつなかった空に掃いたような雲が漂いはじめ、源太ケ岳の稜線にもガスがかすめている。

東北の山に憧れ、焦がれ、もうかなりの数を登っているのに、どうしてか天気に恵まれないことが多い。想いとは逆にいつもひじ鉄砲、まさに片想いの感がある。展望は諦めてとにかく今日予定のコースを早いところ歩ききってしまおう。
三ツ石山山頂
ガスの中の源太ケ岳へは所要1時間45分、まずまずのペースだ。山頂一帯はハイマツの世界、本州中部地方の2500メートルの標高と同じだ。風が冷たい。手袋をはめ、ウインドブレーカーをまとう。
山頂の写真だけ撮ると早々に大深岳へ向かう。ハイマツの中の道はほとんど起伏を感じさせない。天気が良いと雲上のプロムナードというところだろう。乳白色のガスと冷風の中、足を速めてわけなく主稜の分岐に到着。左に向きを変えた先に大深岳(日本の山1000)の標柱が立っていた。ピークというより、平坦な登山道の一地点に過ぎない山頂だった。天気がよくても笹やハイマツに邪魔されて展望は得られそうもない。ここにテントが張られて中に誰かいるようだ。声をかけたが返事がない。ごそごそと三角点を探すのもはばかられて、山頂標柱だけを写真におさめて先へ足を進めた。次のポイント小畚山へは大きく下って登り返すことになる。相変らずガスの中、耳が痛くなるほどの風が吹きつける。その上登山道の刈り払いがされていなために歩きにくく、たちまちズボンが笹や草露に濡れてしまった。結局この先にある三角点付近までそんな道だった。

コルから登り返した小畚山は360度遮るもののない裸のピーク、天気がよかったらここに座して裏岩手からの眺望をじっくりと味わいたいところだ。何も見えない山頂に留まる理由はなく、次の東北百名山三ツ石山へ向かう。小畚山からわずか先の小ピークに三等三角点があった。三ツ石山かと思ったが地図を見るとそうではないようだ。小畚山より20メートルほど低いが、三角点のあるところを小畚山とした方がいいのではないか、そんなことを考えながら通過した。

三角点から下りに入る。なだらかに下りきった湿原状のコルが三つ沼、そしてゆっくり登り返すと大小の岩がピークを作っている三ツ石山の山頂だった。ここも山頂の写真を撮っただけで通過、三ツ石避難小屋への急な下りとなる。粘土質のつるつる滑る坂道は、足を取られそうでスピードが出せない。登山道整備のために荷揚げされた丸太などの資材がたくさん準備されていた。近いうちに良い道に変わることだろう。
三ツ石山から嫌な道を25分、避難小屋へ着く。昨夜写真目的で小屋へ泊ったという3人組が出てゆくところだった。早暁とは打って変わったガスの山に失望していた。
松川温泉をスタートしてから4時間、ほとんど休みなく歩きつづけてきたが、小屋で10分間の休憩をとり、水とパンを腹へ詰め込んだ。

大松倉山山頂
このまま松川温泉へ下る予定だったが、ここまで思いのほか快調に歩けたので大松倉山へ寄って行くことにする。
大松倉山へのコースは避難小屋付近の分岐から比較的勾配の緩い登りだった。樹林帯を抜け出すと展望コースと言いたいような水平道に出る。水平道の先端が大松倉山二等三角点のピークだった。
目の前には大きな図体の岩手山があるはずだ。その姿を想像するだけで避難小屋まで引き返した。

あとはせめてもの慰めのブナの黄葉を愛でながら、長い下りを一気に松川温泉へと下って行った。


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