tohoku-040  東北百名山一覧表へ  「山岳巡礼」のトップへ戻る

東北百名山 甑 山こしきさん

女甑山=めこしき(979m) 男甑山=おこしき(981m)

 2006.10.15 天候 晴れ 単独 地図 松ノ木峠南西  男甑山  2等三角点
甑林道登山口(10.05)−−−名勝沼と県境コース分岐(10.22)−−−稜線分岐(10.50)−−−女甑山(11.10-11.15)−−−稜線分岐−−−男甑山(11.55-12.10)−−−県境尾根コース−−−登山口(13.00)
岩峰女甑山の紅葉

山は東北百名山でもあり日本の山1000にも名を連ねている。

早朝、東由利町の八塩山を登ったあと甑山へ。
県道34号線から国道108号線へ入り、雄勝町方面へ向かう途中皿川への道標がある。
ここで右折して皿川集落へ向かって道なりに走る。林道状となってやがて砂子へ直進していく道と分かれて左方の甑林道へ入る。登山口は甑林道の途中にあり、ここまで道標が導いてくれるので迷うことはない。

登山口には10台分以上の駐車スペースもある。
道標にしたがって出発する。しばらく林道の延長のような道をたどり、小沢を二本またぎ10分ほど歩くと分岐となる。右は県境尾根コース、左は名勝池コース。とりあえず名勝池コースをとる。
平坦道を少し進むと名勝池で、樹林に囲まれた静かな環境に澄んだ水面が青空を美しく映しこんでいた。周囲の落葉樹が紅葉すると美くしさはさらに映えることだろう。

池を過ぎると急登が始まる。急登の上に足場も良くない。踏ん張るようにして登って行く。男甑山と女甑山の稜線分岐までの行程差は150メートルほどでたいしたことはないが、感じではその倍ほども登った気がする。

分岐に登りついてまずは女甑山(めこしき)へ。女甑山へ向かって稜線を少し進んだところが最低コル、何人もの登山者に出会う。人気のある山のようだ。ピークへの登りは驚くような急登が山頂までつづく。最低コルからブナ林の急登は標高差で約150−メートル、一気に登りきると汗が滴となってしたたり落ちていた。
女甑山の山頂は尖ったピークで視界を邪魔するものは何一つない。晴れてはいるものの残念ながら遠望はきかない。本来は目の前に端正な鳥海山が眺められるという。眼下には黄葉のブナの樹海が広がっている。

鳥海山を望めないのを惜しみつつコルへ引き返し、次は男甑山(おこしき)へ向かう。
男甑山への急登からは背後に尖峰女甑山が異様な姿をみせてくれる。岩肌は錦秋の黄葉紅葉に飾られ、きっといちばん美しく眺められる季節なんだうろ。
女甑山から休憩なし、40分かけて男甑山へ登りついた。この山頂も狭い。標高は女甑山より2メートルだけ高い。展望の方は女甑山のほうが優れていた。山頂には盛岡市からきた数人のグループが食事休憩中、
烏帽子岩
私が狭い山頂の一画でパンをかじっているとおにぎり1個を差し入れてくれた。ありがたく頂戴する。
山頂には二等三角点、そして目の前には烏帽子岩と呼ばれる奇岩が見える。その形が男性を連想させるのでこのピークを男甑山、そして名勝池にちなんでもう一方を女甑山というのだと教えてくれた。でもほんとにそうなのかどうかはわからない。

下山はコル方向へ少し戻ったところから秋田・山形の県境尾根を下ることにする。
このコースは道の状態もよく、みごとなブナ林を余裕を持って眺めながら歩くことができる。樹間を透かして見え隠れてする名勝池が、コバルト色のガラスのように光って見える。
県境尾根を下りおわったところで小沢を渡り、あとは水平道をたどると名勝池コースとの分岐だった。

女甑山・男甑山二つをあわせて甑山と呼んでいるようだが、それぞれの間は歩いて40分ほどかかる上、大きなコルを挟んでいることもあり、別個の特徴を持つ2座として数えた方が適切かもしれない。
登る時期も良く、紅葉・黄葉に彩られた岩峰を味わうことができたのはラッキーだった。

このあと須金岳登山口のある鳴子温泉方面へと車を向けた。


『甑』というの広辞苑に次のように載っている。
米などを蒸すのに用いる器。瓦製で底に蒸気を通す穴があった。のちの『せいろう』にあたる


東北百名山一覧表へ   「山岳巡礼」のトップへ戻る