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東北百名山 小野岳=おのだけ(1383m)

登頂年月日 
2005.10.22
天候 小雨 単独 マイカー
小野岳 二等三角点
大内宿側登山口(5.45)−−−尾根上(6.15)−−−小野岳(7.00-7.05)−−−登山口(8.00)

≪福島県山旅−16−≫

小野岳山頂の石祠

飯森山を下山すると、一路小野岳目指して車を南下させる。
R118号から分かれて329号線へ入り大内宿へ向かう。12年前、この周辺の俎倉山、志津倉山などを訪ねた折に通った大内宿は、当時ただ昔の古い宿場というのみで、写真家や絵の愛好家が関心を寄せる程度の鄙びた街道だった記憶しかない。今は町並み保存の観光地として、街道は歩行者専用となり、別の自動車道が開かれていた。観光客で賑わう様子に年月の経過を感じながら、大内宿を通り過ぎ、やがてロータリー風のカーブで左に大きく曲がると右手に『小野岳道』という石碑があり、ここからダートの林道に入る。行き止まりには登山者用の広い駐車場があり、ここで車内泊とした。

案じたとおり翌朝は雨。気乗りしないままに雨の中を出発する。
うす暗い樹林をたどると『小野の清水』と表示された水場を通過する。ハイカーに人気の山として、訪れる人の多いのを証明するように、登山道は大変歩きよく整備されている。しばらくすると薄暗い植林を抜けて落葉樹林に変わる。開放感を感じて気持ちもおおらかになる。暗い杉一色の単相林というのはどうしてもなじめない。

思いがけないほど立派な森が広がり、特にブナの大木が森を支配するように枝を広げ、空に向かって背を伸ばしているこのような山は、確かに山に抱かれているという思いを強く起こさせてくれる。ブナほど癒し効果のある樹木は、ほかにはないような気がするのは、私だけではないだろう。
里山程度の認識しかなかったが、この落葉自然林に目を見張りながら、やや急な階段登りにひと汗かくと、尾根上へ出て左手から登山道が合流している。

尾根上で右に直角に折れ、いっそうブナの大木が目立つようになった尾根に気持ちを癒されながら登って行く。あいにくの小雨模様も、このブナ林のおかげて滅入ることもなく、気分よく足が進む。
小さなコル状の平らを過ぎると勾配が急になってきた。巨木とも言えるブナの大木が目につく。ブナの落ち葉を踏んで登り切ると何本かのダケカンバが立っていて、そこはもう山頂だった。小雨の中、高低差630メートル余、1時間半の登りだった。

刈り払われた広い山頂はには、石祠が一基小雨に打たれていた。
天気が良いと磐梯、吾妻山などの名峰が望めるというが、あいにくの天気で展望はない。雨の中、東北100名山を一つ登れた満足感で山頂をあとにした。

下山後、西会津の一等三角点「鳥屋山」へと向かって車を走らせた。



                    
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