〈5/19(月)釣行一日目〉

 朝7時30分に船長にホテルまで迎えにきてもらい、8時30分ころ兼城港を出港した。6番パヤオまで、約1時間を要した。波は1.5mの予報だったが、風が強かったせいで、3mほど波に感じた。
 10時になってようやく釣り開始。まずはフカセ釣りでキハダを狙う。アタリは頻繁にあったが、シイラ・本ガツオ・キメジ・ツムブリばかり。それなりに楽しいのだが、タックルに対して魚が小さすぎ、おもしろくない(シイラだけは例外)。とはいえ、本ガツオ・キメジは相模湾なら喜んでキープするサイズ(〜50cm)なので、ある意味、久米島の凄さの一端を垣間見た気がした。
 魚探にはキハダの反応があった(そうだ)が、他船含めてフカセにはあたりがないので、ジギングに変更することにした。100m沈めてしゃくってくると70m付近でヒット! なんと一投目である。さすが久米島とおもいつつ、どうせ3キロ程度の魚だろうとおもったが、なかなか上がってこない。”イルカに食われちまう”と船長に言われたので、強引に上げてきた。4キロのドラグはせいぜい数メートルしか出されなく、やはり3キロサイズかと思ったが、5分ほどかけて上がってきたのは、なんと8キロ−83cmのメバチであった。そういえば、ジギングタックルは初めて使用するヘビーなタックルだったので、魚を小さく感じたのかもしれない。とにもかくにも初めて魚をキープした。相模湾で8キロのマグロなら狂喜するほどの値打ちがある。やはり久米島はすごい。その後、ジギングを30分ほど続けたが、頻繁にあったアタリもなくなってきたので、昼休憩することに。

 昼食後は、パラシュートでキハダを狙うことに。相模湾でのコマセ釣りに近い釣り方である。キビナゴを餌に130m仕掛けを沈め、置き竿であたりを待つことに。船長が”来るよ”と言ったとたんに私の竿にアタリが! 竿をキーパーから外し、手持ちで魚を上げにかかった。最初は何だかもぞもぞしていて、それほど引き込まない。船長は”トンボ(ビンチョウマグロ)”ではないかと。ところが、次の瞬間、衝撃的な重みが手に伝わった。かと思うと、7キロに設定してあるドラグがいとも簡単に出て行った。間違いなくキハダだ。それにしても糸が出されるスピードが物凄い。マグロは100Kmのスピードで泳ぐとよく言われるが、実際にはそんなスピードは出てないと思うが、そう思いたくなる勢いだ。数十メートル糸が出されたあと、巻き上げ開始。ところが・・・。全く持ち上がらない、リールを巻けない。しだいに握力が無くなっていった。直感的には、この魚を上げることは不可能だと思った。とはいえ、必死で耐えていると、魚が自分で浮いてきた。船長も魚の泳ぐ方向に操船しフォローしてくれた。40分ほどを要しただろうか、これ以上無理と思ったところで仕掛けが見えてきた。ここからは船長の出番で、ハリスを手繰り寄せにかかった。魚が水面に浮かび上がった。感動的な瞬間である。でかい!! メジではない。本当に”マグロ”である。推定50キロ、と船長の声。ところが・・・。魚は最後の力を絞って再び潜りにかかった。次の瞬間、船長の”あっ”という声とともに針が外れてしまった。ある意味、これほどの脱力感を味わったことはない(ドーハの悲劇よりも大きかった)。同じ重さの魚を再び上げてくる体力は絶対に無かった。
 その後、気を取り直してパラシュート釣りを再開。ところがアタリがこない。あたったと思えば、2キロほどのキメジ。今日は駄目かなと思った。しかし、最後にドラマが。午後5時直前、最後の一投に何かが掛かった。先程のキハダと同様、最初はもぞもぞ。しだいに重くなったが、ドラグはじりじりと少しだけ出されただけだった。船長は”トンボ”に違いないと確信したよう。今度はそれほど苦労せずに水面まで上げた(130m上げるのに15分)。後は、船長に”ばらさないでくれ”と祈った。水面まで浮いた魚は、さっきのキハダほどではないが、でかかった。今度は無事ギャフを使用して船上へ。17キロ−103cmのトンボだった。キハダショックを拭い去るほどでは無かったが、目標としていた10キロオーバーのマグロを釣り上げることができ、とりあえず安心した。明日こそはキハダを釣り上げると胸に秘め、帰路についた。
 マグロ釣りは、ドラグを多用し、魚を疲れさせて釣り上げる釣りと思っていたが、全くイメージとは異なった。なるべくドラグを締め、魚の頭を強引にこちらに向かせ、強引に魚を持ち上げる釣りだった。もちろん、パラシュートだからこそ可能になる釣りかたではあるが・・・。


8キロのメバチ

50キロのキハダは・・

17キロのビンチョウ。後ろに久米島が見える

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