〈5/20(火)釣行二日目〉

 本日も7:30に迎えにきてもらい、8時には出船できた。昨日よりはいくぶん波は小さかったが、6番パヤオまでは約1時間を要した。9:30ころパラシュート釣り開始。近くを流していた猟師さん(つね丸)が、推定50キロほどのキハダを釣り上げようとしていたので、見とれていると、船長から”来たよ”の声が。本日は幸先がよい、なんて思ったが、ある意味誤算だった。今日の魚はもぞもぞがなく、いきなり、下にもぐり始めた。例のごとく物凄い勢いで糸が出て行った。魚はすぐに止まったが、持ち上げようとしても全く持ち上がらない。苦痛が始まった。”喜びが苦痛に変わる”と表現されることが多いが、本当に苦痛であった。しかし、苦痛と感じるうちはまだよかった。次のステップとして、拷問が始まった。とにかく魚を持ち上げようと思っても持ち上がらない。75キロの全体重を後ろにかけても持ち上がらない。腰は物凄くいたく、握力は無くなりかけ、今日こそは(今日も?)、駄目かと思った。しかし、船長と妻に励まされ続け、体が壊れても後は知らないと割り切って本当に必死で頑張った。結局、55分を要したが、何とか仕掛けが見えるまで魚を持ち上げることができた。後は船長の出番である。ところが、悪夢は再度起こりかけた。なんとハリスがペラに絡んでしまったのである。異常な脱力感に見舞われながら、状況を見守った。スクリューで糸が切れてしまうことだってありえた。ところが奇跡が。魚が浮いたままだったので、絡んだ先のハリスをギャフでつかむことができたのである。慎重に魚を手繰り寄せ、無事もりを打ち込むことに成功した。そのまま船上へ引きずり上げた。感動的だった。1.5メートルもあるマグロである。自分の力で釣り上げたという実感が込み上げてきた。本日はもう釣れなくてもよいと思った(というより体力が残っていなかった)。
 2時間ほどは釣りを休み、妻の戦況を見守ることに。(途中で一度ジギングを試みたが、アタリはなかった。)潮の動きが止まり、アタリも遠くなった。が、妻の竿にもようやくアタリが。だけど、竿の曲がりが小さい。実は、昨日のマグロの引き具合からして妻には自分の力で釣り上げるのは無理と判断し、船長からマグロ専用の竿&大型電動リールを借りていたのだ。ものの5分ほどで上がってきた。船長が30キロはあるよ、と言ったが、冗談だろうと思った。ところが、水面に上がったマグロは本当にでかかった。私が1時間も要した魚をものの5分で釣り上げた電動リール! あまりのあっけなさに自分の価値が下がる思いがした。納得できなかった。しかし、自分が釣り上げた個体の方が多少大きかったので、安心した(ちょっと醜いやつだ)。
 午後3時ころになって、妻と私にダブルヒット。妻の方は、例のごとく、ものの数分で上がってきた。1mほどのトンボた。私も、要領を得たせいか、10分もかけずに同サイズのトンボを釣り上げた。1mあるので本当はでかい魚と感じるはずなのに、小さく見えた。錯覚とはおそろしいものである。相模湾に戻って釣るメジの大きさをどう感じるか? 今から心配してしまう。
 結局、釣果は以上であった。本当は最終日も釣りをしたかったのだが、断念した。体がぼろぼろだからだ。以降三日間も体調を崩すことになったので的確な判断だったようである。

   キハダ38Kg、ビンチョウ17Kgと私

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