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1 青年期の特質

1.さまざまな人間観

 

1.人間が人間となるには,言語や技術や宗教といった(1  )やそれを伝達する教育が必要である。それを欠いた事例としてよく知られているのが,インドで発見されたオオカミ少女やフランスで発見された(2  )である。  

2.ギリシア思想においては,人間を(3  )すなわち英知的ととらえる傾向があるが,それは人間が(4 )を持つという点に着眼しているためである。

 

3.ギリシアの(5  )は,人間は国家・社会を離れては存在し得ないという点をとらえて,「人間は(6  )的動物である」と語っている。

 

4.アルタミラやラスコーの壁画は,太古の人々の豊饒への祈りであったといわれるが,人間を(7  )あるいは宗教人ととらえる考えは,人間が自らを超える存在を信じ,それに祈りを捧げるという特性をさしているのである。

 

5.人間が動物と異なる点は,火と技術を用いて自らの生活をより良いものにするために,自然を改変してきた点にある。この生産的・能動的な人間を(8  )すなわち工作人というが,それは産業革命以後の近代的な人間観でもあった。

 

6.オランダの(9  )は,人間の本質は遊びであり,政治や経済やさまざまな人間的営みの根幹には遊びがあると考え,人間を(10  )すなわち遊戯人ととらえた。一方,ドイツのカッシーラーは,人間を「象徴を扱う動物」と語っている。

 

2.青年期の特徴

 

1.11〜13才頃から身長や体重の増加が急激になり,男子では精通,女子では月経などといった(11  )がみられるようになり,少年・少女は児童期から青年期へと入っていくが,この身体的・生理的変化の時期をさしてとくに(12  )とよぶこともある。

 

2.青年前期は,身体的には大人でも社会的にはまだ大人になりきれず,不安や動揺の状態におかれる。このような状態の青年を心理学者レヴィンは(13  )とよんでいるが,日本語では(14  )あるいは周辺人と訳されている。

 

3.前近代社会や未開社会では社会構造が単純なため,青年は一定の(15  )を経れば大人になれるが,現代の近代社会では社会構造が複雑なため,その文化を習得するのに要する時間が長くなり,青年期が長期化する傾向にある。

 

4.青年期は(16  )の活発化によって自分の内面や容姿に強く関心が向かう傾向を持つが,とくに自分がどのような人間であるかということに気づく(17 )によって,青年の内面生活が始まるのである。

 

5.青年の自分に対する意識の高まりは,今までに気づかなかった自分を発見することであり,いわば〈(18  )〉とでもいうべき出来事である。この出来事をフランスの思想家(19  )は「人間はいわば二回生まれる,一回目は生存するために,二回目は生きるために」と,その著作『(20  )』の中で語っている。

 

6.青年期のこの激しい感情の動きを,ドイツにおけるゲーテたちの文学運動にちなんで(21  )の時代とよぶこともある。

 

3.青年と人間関係

 

1.親や大人から精神的に自立しようとする青年は,友人や(22  )との交流によってその不安や動揺を癒そうとする傾向がある。

 

2.青年の精神的な自立は,従来,彼らを守ってきた親や大人の保護を規制と感じ,それに(23  )することで始まることが多いが,この時期は,幼児期のそれと対比して(24  )とよばれている。

 

3.青年の精神的自立は強い自己主張をともない,時には他者を顧みない自己中心的な行動や態度をとる(25  )を生み出すことになる。

 

4.つねに意識が自己に向けられている青年期では,他者との関係の中で,一方で人より自分が勝っているという(26  )を抱くかと思えば,他方では人より自分が劣っているという(27  )にさいなまれるという,激しい感情の揺れを経験する。

 

5.自己の内面にいつも目を向けている青年にとって,自分を他者とは異なる独自の存在と強く認識する中で(28  )を実感することにもなる。

 

4.欲求と適応

 

1.人間の行動は何らかの(29  )によって引き起こされる。それには大きく分けて生命や種族の維持・保存に不可欠な(30  )と集団への帰属や自己実現を求めるような(31   )がある。前者は一次的欲求,後者は二次的欲求ともいわれる。

 

2.二つの相反する欲求が同時に生まれ出て苦しむことを(32  )というが,漢字の(33  )はツタやカヅラに巻きつかれて身動きできないこの状態を示している。

 

3.人間が自分を取り巻く環境との間に調和を保とうとすることを(34  )というが,いつもそれがうまくいくとは限らない。このような自分と周囲の環境との不調和の状態が(35  )で,こうした状態は心身に何らかの異常をもたらすことが多い。

 

4.人は自らの欲求が満たされない時,(36  )あるいは欲求不満の状態になるが,これは自我に不安定をもたらすため,(37  )のうちに自我を安定させようとする行動をとる。これをオーストリアの心理学者(38  )は(39  )とよんでいる。

 

5.(40  )は嫌なことや苦しいことを無意識の中に押し込めることで,自我を守る最も代表的な心の動きである。

 

6.好きな相手にそっけないふりをする(41 )も,振られたときに相手に非があったように振る舞う(42  )も,無意識に自我を守っているのである。

 

7.私たちは欲求が満たされないとき,(43  )という自分を納得さやる行為やその不満から目を背けようとする(44  )という行動をとることがある。

 

8.幼児や児童では,憧れの人物に自分を重ね合わせる(45  )という行為や,困難に遭遇したり不満が解消されない時に幼い頃の動作に逆戻りする(46 )という現象がよくみられる。

 

9.旅行に行けない人が時刻表を眺めて旅行気分を味わう場合のような(47  )という行動は,自分の欠点を他の何かで補おうとする行動と同じメカニズムであるが,満たされない恋愛感情を芸術や文学にぶつける(48  )も同じ置き換えとよばれる心理的メカニズムである。

 

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