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2 青年期の課題

 

1.パーソナリティの形成

1.ラテン語の〈面〉という言葉に由来する(1 )は,人間の知的側面や(2 )的側面および感情的側面などの統一的特徴を意味し,日本語では(3 )と訳されている。

 

2.身体的能力である技能や精神的能力である(4  )は,人間の能力を形成する二つの要素であるが,それは(5  )といった先天的要因を基礎としながら,教育や学習などの環境的あるいは後天的要因を付加しながら発達するものである。

 

3.(6 )は狭義には個人の意志的側面の特質を示す言葉であるが,広義にはパーソナリティと同義に用いられることもある。一方、(7 )は先天的要素の強い感情的側面をあらわし,一般にはこれを性格とよぶことが多い。しかも,この個人の持つ特性を他人と比較して語るときには,それは(8 )とよばれるのである。

 

4.心理学では,性格を特定の基準によって類型化する試みがなされている。ドイツの心理学者(9 )は,体型と気質とを関連づけで性格を分類している。また同じドイツの精神分析学者ユングは,性格を陽気で活動的だが移り気な(10 )と,控え目で慎重だが実行力に乏しい(11 )とに分類している。

 

2.精神の構造

 

1.オーストリアの心理学者フロイトによって創始された(12  )は,人間の行動を心の奥底にある無意識の領域を分析・解明することで,神経症患者の治療にあたろうとする学問である。とくに心の深層にある無意識の働きを研究するために(13  )とよばれることもある。

 

2.人間の精神は(14 )あるいは自我とよばれる意識の領域を持つ。自らの内外を適切に判断して効果的な適応を行う意識の働きである。これに対して,親のしつけや社会規範などの学習によって形成された善悪に対する意識すなわち(15 )に相当する意識領域は,(16 )あるいはスーパーエゴとよばれている。

 

3.人間の精神は当人が自覚できる意識の領域と自覚できない(17)の領域とに分けられるが,その中には(18 )あるいはイドとよばれる本能的・衝動的なエネルギーと,幼児期以来の対人関係の中で生じた心の傷を中心に形成される(19 )とよばれる複合的な感情が潜んでいる。とくにフロイトは,イドの中に貯えられた性的衝動を(20  )とよび,人間の行動の原始的エネルギーと考え重視した。

 

4.人間は誰しも何らかの点で他者より劣った部分を持っている。しかし,同時にこの(21 )をバネに他者よりすぐれたものになろうとする意志をも持っていると,フロイトの弟子であるオーストリアの心理学者アドラーは考えた。

 

5.フロイトの協力者であった(22 )は,夢や妄想の研究から神話や伝説の中に共通のイメージが隠されていることに気づき,それを人類共通の(23 )あるいは普遍的無意識とよんだ。そして,この無意識の中には,大いなる母のイメージのような普遍的なイメージのタイプが隠されており,それを(24 )あるいはアーキタイプスとよんだ。

 

3.アイデンティティとモラトリアム

1.アメリカの心理学者(25 )は,自分が自分であることの確信・自信を持つことを(26 )とよんだ。これは〈確認する〉〈同一視する〉という英語identifyに由来するが,日本語では(27 )と訳されている。

2.青年は精神的にはまだまだ自立できないため,自分に自信や確信が持ちにくい。このような状態を(28 )とよぶが,この状態を通過して自信・確信が持てるようになることを(29 )とよぶ。

3.幼児から児童,児童から青年という発達の過程を(30 )というが,この発達の過程の中で,その段階で獲得していなければならない課題をハヴイガーストは(31)とよんだ。そしてエリクソンは,青年期の課題をアイデンティティの確立であるととらえた。

4.現代は社会構造が高度化・複雑化しており,青年がアイデンティティを確立するには多くの困難がある。そのため,青年にはアイデンティティ確立の準備期間として社会的責任や(32 )が一部免除され,猶予を与えられているとエリクソンは考え,これを(33 )とよんだ。

 

5.日本の一心理学者小此木啓吾は,職業的役割も決定せず,すべての社会的関わりを一時的・暫定的と考える現代の若者を(34 )とよんでいる。また,この青年の状況は大人になりたくない永遠の少年でいたいと願う(35 )とよばれる心理現象を生んでいる。

 

4.青年と自己実現

1.青年は特有の心理と行動の中から(36 )あるいはユースカルチャーを生み出す。それは,一方では既成の大人文化に対する下位文化的な意味を持つが,他方で既成の価値に対立することで新たな価値を生み出す(37 )あるいはカウンターカルチャーの意味をも持っている。  

2.人間は誰しも自分を成長・発展させたいという願望を持っている。アメリカの心理学者(38 )は,これを(39 )とよんでいる。それはまさしく,自分の持っている可能性や個性を発揮・成長させ,人格を完成させようとする意味で(40 )の欲求とよぶこともできる。

 

3.人間はただ単に生きているのではなく,(41)とよばれるような何らかの充実感を求めて生きている。ハンセン氏病患者の精神的ケアの体験の中から,(42 )は生きる上での張りや充実感の大切さを,その著『(43 )』の中で説いている。

 

4.第二次世界大戦時にナチスの(44 )収容所に入れられていた体験の中から,オーストリアの精神科医(45 )は,人間が人間らしく生きるためには,生きることの意味をみつけることであり,それを彼は(46 )とよんだ。

 

5.人間は無意味に生きるのではなく,真理や美しさや善さといった(47 )を求めて生きようとする。ドイツの哲学者シェーラーはこの観点から独自の価値倫理学を確立し,同じくドイツの心理学者シュプランガーは人間の性格をどのような価値を重視するかによって,理論型・経済型・審美型・社会型・権力型・宗教型に分類している。

 

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