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. インド思想

 

1.仏教以前の思想

1.中央アジアの草原地帯から侵入してきたと思われる(1)は,先住の農耕民がつくり出していたインダス文明を破壊し,独自の文化を生み出していった。その征服過程で生まれたのが(2 )とよばれる身分・階級制度であった。

 

2.中央アジアの乾燥地帯から侵入してきた遊牧民は,豊かな自然を神格化し(3 )とよばれる自然宗教を生み出していった。そして,いつの頃からかこの神々への賛歌が詩人たちによって歌われ,のち『(4 )』としてまとめられ,この自然宗教の第一の聖典となった。

 

3.しかし,(5 )階級によって独占された祭儀は,時代とともに形式化し,内部からの批判を受けるようになった。ヴェーダの研究に、よって生まれ出た(6 )哲学がそれである。

 

4.前世の行為すなわち(7 )によって,霊魂が現世あるいは来世にわたって姿を変えつつ生き続けるという(8 )の思想は,当時の人々の心を強く引きつけていた。しかし,この苦しみの世を生き続けるというのは耐え難いことであった。従って,この苦からの脱出すなわち(9)こそが,人々の強い願望であった。

 

5.人間には個人としての本質すなわち(10)があるが,それは宇宙の本質すなわち(11)と本来は一つなのだという(12)を悟る時,人は苦から脱却できるというのが,ウパニシャッドの説く哲学である。

 

6.このバラモン教内部の批判を契機として,バラモン以外の人々がさまざまな思想を展開することになった。その中には(13)を開いたヴァルダマーナや仏教を開いた(14 )がいる。

 

2.ブッタ

 1.(15 )族の王子として生まれたゴータマは,しかし,心が満たされることはなく,(16)のエピソードにみられるような悩みを抱えていた。そして,29才の時出家を決意し,苦行生活に入った。しかし,そこに何も得られなかった彼は,座禅瞑想して悟りを開き,覚著すなわち(17 )となったのである。

 

2.仏教思想の特質は,(18 )といわれる四つの命題に集約される。まず,すべての現象は苦に満ちているという命題=(19 )。次にすべての現象は一瞬の停滞もなく変化していくという命題=(20 )。第三にすべての事物には永遠の実体はないという命題=(21)。そして最後に苦悩の吹き消された心静かな平安の境地があるという命題=(22 )の四つである。

 

3.ブッダの教えは,(23 )とよばれる真理として語られている。まずは,人生は苦にほかならないという真理=(24 )。次に苦しみの原因は事物への執着にあるという真理=(25 )。さらにその執着すなわち(26 )あるいは渇愛を断つことによって(27 )にいたるという真理=(28 )。そして苦悩のない境地にいたるには正しい修行の方法があるという真理=(29 )の四つである。

 

4.この世の苦しみには(30 )の四苦と,愛する人々との別れの苦しみである(31),憎み嫌う人と出合う苦しみである(32),欲しいと思っているものが手に入らない苦しみである(33 ),および五蔭盛苦の八苦がある。

 

5.すべてのものは相互に依存し合いつつ存在しているという,(34 )の法をこの世の真理と悟ったプッダは,人々の苦悩の原因はこの真理に対する根本的な無知すなわち(35 )にあると考えた。

 

6.苦しみから逃れるには,その原因を取り除けばよい。そのためには正しい修行が行われなければならないとして,ブッダは(36 )とよばれる修行の方法を示した。それは正しい認識である(37 ),正しい思考である正思,正しい行いである正業など八つの実践項目からなっている。そして,この修行を通して快楽主義にも苦行主義にも陥らない(38 )が得られ,この道を歩むことで悟りにいたりうると考えた。

 

7.すべてが相互依存の中で変化しながら存在するなら,(39 )すなわち生きとし生けるものすべてに,楽しみを与え苦しみを除く(40 )を実践することが大切であるとブッダは説く。

 

8.(41)は,在家信者のための戒めである。(42 )戒を始めとして不倫盗戒・不邪淫戒.不妄語戒はキリスト教の十戒に共通するが,(43)或は仏教に独自な戒めである。

 

5.仏教の発展

1.プッダの死後,教団はブッダの定めた戒律を厳格に守ろうとする(44 )と,戒律以上にその精神を継承しようとする(45 )に分裂し,仏教教団はそれぞれの道を模索し始めたのである。

 

2.(46)は厳しい修行による個人的悟りを目的とした一派で,分裂期の保守派の流れを汲んでいるが,彼らはプッダを神格化して衆生にはいたり得ない存在とし,それに限りなく近い存在として(47 )を理想的人間像と考えた。そして,この仏教はインド南方から東南アジアを中心に伝播したため(48 )ともよばれる。

 

3.(49 )は自己のみならず他者の救済をもめざそうとする点に特質を持ち,自分の悟りをおいてでも衆生の救済を願う修行者(50 )を理想的人間像と考えた。この思想の根底には,(51)すなわち生あるものはすべて仏となる可能性である(52)を持っているという考えがある。それゆえ,その可能性に救いの手を延べる(53)行こそ,修行者の仕事と考えるのである。

 

4.大乗仏教の大成者といわれる(54)は,その著『(55 )』においてすべての存在は固定的な実体を持たないという(56)の考えを理論化し,ブッダの縁起の法をさらに深化させた。この真理は『(57)』という仏典には「(58 )」と記されているが,それはすべてのものには実体はなく,それ自体としては存在しないのが事物の真の姿なのだ,という意味である。

 

5.縁起の法および〈空〉の理論をさらに徹底し,一切の事物は存在せず,ただ人間の意識だけがそれを存在させているに過ぎないという(59 )を展開したのが,無着と(60 )の兄弟であった。

 

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