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6.中国の思想

1.古代中国の思想と諸子百家

 

1.亀卜による殷代の神権政治から,周代には万物を創造した(1)の意志である(2 )に従う政治がめざされた。それは,超越者−天子−民および祖先-親-子という序列を社会秩序の基本とする政治であった。

 

2.周が異民族の侵入によって衰退するにつれて,新しい社会秩序の原理を求めて(3 )とよばれる人々が活躍するようになった。周の礼教政治に代わって(4 )を唱えて秦の中国統一に貢献した(5 )は,その代表的な思想である。

 

3.混乱期は,伝統から離れて自由な思考が許される時代でもある。それが(6 )説という陰陽の二つの原理と五つの要素によって世界を説明しようとする陰陽家,あるいは戦術を説く(7 )や弁論術を教授する(8 )などを生んだ。

 

4.(9 )は(10 )によって開かれた思想集団である。彼は儒家の肉親を中心とした愛情を別愛と批判して(11 )を唱え,その具体的あり方として交利を説いた。そして,その相互扶助的な共同生活を破る侵略戦争を非難し(12 )を説いた。

 

2.儒教思想

 

1.儒教は周の礼政一致の政治を理想とする(13 )によって唱えられた,道徳・政治思想で,その思想は彼の言行の記録である『(14 )』に記されている。とくに政治思想は(15 )といわれ,以後の中国政治に多大の影響をおよぼしている。

 

2.孔子が求めたものは,人間としての正しい生き方である。それゆえ「朝に(16 )を聞かば,夕に死すとも可なり」という言葉が発せられるのである。それには,先人の思想の学習を基礎に新たな知を求めていくこと,すなわち「(17 )」が大切だと,彼はいうのである。

 

3.学習の結果としての知とは,一つは天命を知ることであり,いま一つは(18 )を知ることである。この知なくしては,真の意味での有徳の人すなわち(19 )とはいえないのである。

 

4.(20 )の基本は,親に対する愛情である(21)と兄に対する愛情である(22 )である。この肉親に対する愛情を他者へと押し広げていくには,自己に対して誠実であることすなわち(23 )と他者への思いやりである(24 )が大切となる。(25 )とは,こうした思いやりの心が行為や態度としてあらわれたものにほかならないのである。

 

5.人間には善を直感できる(26 )と善を実践できる良能が生まれつき備わっているという(27 )を唱えたのは,孔子の説を継承した(28 )である。それは,(29 )たんしょという徳の端緒に関する説によって展開されている。すなわち,人の不幸を見逃せない(30)の心は仁の端であり・自らの不善を恥じる恥悪の心は(31)の端、他人を立てようとする(32 )の心は礼の端,さらに善悪や正・不正を見分ける是非の心は(33 )の端だという思想である。

 

6.孟子は,政治には仁義にもとづく(34 )と私利私欲にもとづく(35 )がある,という。そして,民を苦しめる後者の政治では天命は支配者から去り,他の有徳の士が統治にあたるという。この思想が(36 )である。

 

7.(37 )は,人間の本性は悪であって,人間が善を実践できるのは教育や矯正によるのだという(38 )を唱えた。そして,その教育や矯正のために礼という外面的規制が必要であると説き,弟子の(39 )などの法家思想に影響を与えることになった。

 

8.宋代の朱子は,万物の根源であり理法である(40 )と事物の素材・要素である(41)によって世界は成立し,真の知にいたるには,欲望を抑えて理を窮める姿勢である(42 )が必要と考えた。(43 )とは,この態度によって真知にいたることである。

 

9.明代の儒学者である(44 )は,感情も含んで人間の心は理そのものであるという(45 )を唱え,認識と実践は同じ精神の両面であるという(46 )を説いた。そして,人間の認識能力の先天性を確信し,良知を発揮すれば必ず善を実践できると考えた。

 

5.道家の思想

 

1.(47 )は儒家の人為的な道徳を批判した。万物がそこから生まれそこへと帰っていく(48)は、本来,何ら作為を弄することなくあるがままに存在する。これを(49)という。それゆえ彼は 「大道廃れて(50)あり、慧知出でて大偽あり」と孔孟の思想を批判するのである。

 

2.しかし人間が人間である限り作為を弄することなく生きることはできない。それゆえ,それに最も近い生き方が求められる。それが(51)という姿勢である。柔らかくしなやかで謙虚な生き方は,「(52 )」といわれるように,どのような状況にも適応し,つねに低い場所を好みながら,しかも決して争うことのない生き方なのである。

 

3.(53 )思想ともいわれる道家の思想は,人為を排し無為のうちに生きることを理想とする。それゆえ,この思想が行き着いた理想的な国家が(54 )とよばれる必要最小限の人と物とで形成され,のち桃源郷のモデルとなった国家である。

 

4.人間の世界は対立や差別にもとづく相対的・人為的な世界である。しかし,自然は,すべてのものが対立や差別を超えて一つのものとして存在するのが本来の姿である。老子の影響を受けた思想家(55 )のこの考えは,(56 )思想あるいは斉物論といわれる。

 

5.〈胡蝶の夢〉にみられるように,相対と対立を超えて虚心に天地自然と一体化した境地に遊ぶ(57 )は,道に即した生き方の典型である。そして,この境地にいたった人占ま(58 )あるいは至人とよばれ,のちに仙人伝説を生み出す源となった。

 

6.相対と対立の世界を超えて,すべてが一つとなる絶対の境地にいたるには,(59 )といわれる,心身を清らかにし,天地自然と一体となるための修行を積まなければならない。

 

7.中国三教の一つ(60 )は,この道家の思想に民間信仰や仏教を取り入れて,晋の時代に成立した中国の民衆信仰である。

 

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