RSC11
11.近代民主主義の思想
1.自然法思想と社会契約論
1.古代オリエント時代のストア派のロゴスや中世スコラ哲学の神の法のように,人間を超える普遍的な法の支配を説く思想は古くからあったが,近代以降は,理性が導く普遍的な理法を(1答 )とみる考えが一般的となった。
2.ドイツ三十年戦争の悲惨さをみたオランダの(2答 )は,国家間にも正義が実現されねばならないと考え,自然法の考えを基礎に主著『(3答 )』の中で国際法の必要性を説いた。
3.各人が理性的判断と自由意志にもとづいて契約を交わし,共同体を成立させたと考える思想を(4答 )という。この思想は(5答 )の理論的武器であった王の権力は神から授かったものと考える(6答 )を否定し,名誉革命を始めとする一連の(7答 )の理論的支柱となった。
4.社会契約思想の基本概念としては,政治社会が成立する以前の状態である(8答 )と,その状態において生まれついて持っていたと考えられる普遍的な権利としての(9答 )が重要な意味を持つ。
2.ホツブズの思想
1.ピューリタン革命を経験した(10答 )は,政治とは一定の距離をとりながら,国家成立の経緯を理論的に解明しようとして,『(11答 )』を著した。
2.彼は人間の自然状態を想定し,人間は誰も(12答 )と自己実現の欲求を持っている。しかし,元来,心身の機能において平等につくられているため,「(13答 )」あるいは「人間は人間に対して狼」の状態が生まれると考えた。
3.自然法は人間に平和を命じる。そこで人々は契約を結んで国家を成立させるが,その時,人々は自らの権利を権力に(14答 )しなければならない。
4.国家は人々から権利を全面的に譲り受け,絶大な権力を持つため,聖書にあらわれる怪物リヴァイアサンとならざるを得ない。それゆえ,彼は(15答 )制を支持することになった。
3.ロックの思想
1.ピューリタン革命で議会派として従軍し,王政復古の時に亡命を余儀なくされた(16答 )は,帰国後『(17答)』を出版して名誉革命を支持することになった。
2.彼の想定する自然状態は,人々が自由と(18答 )のうちに生命・(19答 )・自由の権利を持つ平和な状態と考えられた。
3.人間は,本来自由であるが,権利を守るために生来の自由を放棄して,合意によって共同体をつくり,その共同体に権利を(20答 )することで国家を成立させるのである。
4.国家は国民の権利を保障することが任務である。そのため,(21答)は国民の代表者で構成される議会に属し,行政権を有する国王といえども法律には従わねばならない。従って,彼は(22答 )を理想の国家の形態と考えたのである。
5.国民は権利を国家に預けただけであるから,国家がもし権利を侵害することがあったなら,権力を国家から剥奪し,権利を回復しなければならない。この権利を(23答 )という。
4.ルソーとフランス啓蒙思想
(1)ルソーの思想
1.アンシャン=レジームの矛盾の中に生まれた(24答 )は,人間社会の不平等に疑問を抱き,『人間不平等起源論』において,自然状態と文明状態の比較を行った。
2.彼は,自然状態における人間を自己愛と(25答 )にあふれた自由で平等な存在と考えた。しかし,(26答 )制度の始まりとともに,不平等と不自由が生まれ出たと考えた彼は,教育を論じた自らの書『(27答 )』の中で,〈(28答 )〉と叫んだ。それは,人間本来のあり方への回帰を意味する言葉なのである。
3.「人間は自由に生まれた。しかし,いたるところで鉄鎖にしばられている」と語る彼は,現在の人間は自然状態における自由,すなわち(29答 )を得ることはできないと考えた。それゆえ,契約によって(30答 )を獲得する以外に方法はなく,各人の自由意志によって成立した共同体に従うことは,自らに従うことであり自由そのものだという。
4.自由意志によって成立した共同体は,それゆえ自己と一体化する。従って,政治は常に共同体全体の利益を求める(31答 )によって行われなければならない。すなわち,これは個人の欲望の実現を目的とする(32答 )の集合である(33答 )とは根本的に異なるものである。
5.彼はその主著『(34答 )』の中で,一般意志は分割・譲渡できないために,国家の意志決定権は国民にあるという(35答 )の考えを述べている。そして,この考え方から,政治の形態は国民が政治に直接参加する(36答 )を理想としていたことが分かる。
(2)フランス啓蒙思想
1.イギリスのロックに始まるとされる(37答 )は,理性に絶大な信頼をおき,理性によって無知に由来する因習や偏見を打破しようとする思想的な潮流である。それはフランスに深く根をおろし,やがてドイツに入ってカントによって完成されたといわれている。
2.フランス啓蒙思想家の(38答 )は絶対王政を鋭く批判し,ロックの立法・行政・連合(外交)という権力分散化の思想の影響の下に,立法・司法・行政の(39答 )を唱えた。彼の主著『(40答 )』は,民主主義の原理を説いた書として,フランス革命に大きな影響を与えた。
3.フランス啓蒙思想の代表者といわれる(41答 )は,フランスの旧制度(アンシャン=レジーム)を強く批判し,『(42答 )』を著した。ヨーロッパ絶対王政に啓蒙専制君主を生み出したのは彼の思想であった。
4.18世紀後半,フランスで刊行された『(43答 )』は,幅広い学問と技術の集大成ができたが,その政治・社会面での執筆は鋭い政府批判を含んでいた。その代表者が(44答 )であり,ダランベールである。