RSC21

21. 自然と人間

 

 1.ギリシア語で自然は(1 )といわれ,人為という意味のノモスと対比されている。また,これは本性とも訳され,(2 )という言葉の英語〈human nature〉のnatureは,人間の本性あるいは人間のうちにある自然を意味している。

 

 2.ギリシア語で宇宙を意味する(3 )という言葉は,混沌と訳されるカオスに対する言葉で,秩序ある状態を意味する。この秩序が神ではない原理によって成り立つと考え,その根源・理法を探求したのがタレス,に始まる(4  )であった。

 

 3.老子は万物を生み育てる根源を(5 )とよんだ。それは人間的営みを超え〈自ずから然り〉というあり方によって存在する。従って,この超越者のうちにある人間も(6 )という作為のない生き方をする時,本来的な生を得ると考えた。

 

 4.自然は一切の差別も区別もなく,すべてが一つであるという(7 )を説いた荘子は,すべての欲望や分別を捨てて心を解き放って遊ぶ(8 )を理想の境地と考え,その境地に遊ぶ人を〈真人〉とよんだ。

 

 5.中国西南部から西日本にかけて広がる(9 )文化圏の東端に位置する日本は,豊かな自然に恵まれ,自然の現象や事物を神格化した自然神を持ち,素直で純粋な心のあり方を(10 )とよんで尊ぶ,独自の文化を形成してきた。

 

 6.自然の真の営みは万物を生み育てることであり,その営みに参画することが人間の本来性であると考えた江戸時代の思想家(11 )は,すべての人が自ら耕し自給自足の生活を送る(12 )を天地の本道と考え,それが実現した理想の社会を(13 )とよんだ。

 

 7.ニュートンの(14 )の法則に代表される近代自然科学の幕開けは,物体と精神を独立した二つの実体とする(15 )を基礎として,自然現象を物体相互の因果関係によってのみ説明しようとする(16 )を生み出すこととなった。

 

 8.科学的合理精神は人間や社会にも向けられ,人間の本性である理性に基礎をおく普遍的な法として(17 )という観念を生み出した。そして,この法観念によって政治社会が成立する以前の(18 )が想定され,人間が生まれながらに持つ権利として(19 )を唱える社会契約思想が生まれ出たのである。

 

 9.知識こそが自然を征服するカである,とベーコンはその著作『(20 )』で語っている。しかし,自然は征服の対象ではなく,人間らしく生きるための条件であると人間が知ったのは,地球規模で生じた(21 )に脅威を感じた時であった。

 

10.1962年に著書『(22 )』によって,農薬の危険性を指摘したアメリカの生物学者(23 )の言葉は,自然の破壊が人間を含むすべての生物の生命の危機であることを,今もなお警告している。

11.その地域に棲む生物群とそれを取り巻く水や空気や土壌などとの関係の総体としてシステムは(24 )とよばれるが,その一員でもあり,(25 )とよばれる生物間の食物による相互関連の頂点にいる人間自らが,環境の問題に取り組むことなくしては,環境問題の解決には未来はないといえるであろう。

    

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