RSC23 

23 個人と社会・自己と他者

 

1.人間は個人として存在しながら,同時に社会の一員を構成している。その個人的特性を伸ばしていくことを(1 )といい,社会の一員となるべく慣習や規範を身につけていくことを(2)という。この両面において人間は人間となるのである。

 

2.日本人の行動を規制するのは罪の意識ではなく,他者あるいは世間の目という(3)の意識であると指摘したのはベネディクトであるが,現代人を同時代人の動向に常に注意を払って生きる(4)人間と特徴づけたのは,リースマンである。

 

3.(5)とは,自分は他の誰でもないという確信と,自分は社会の中で何らかの役割をはたしているという自信を持つことである。この主体的確信と社会的自信を持てることが青年期の(6)と考えたのは,米国の心理学者エリクソンである。

 

4.「人間は(7)的動物である」と語ったアリストテレスは,その結合原理として,相手に善をもたらそうとする(8)と,共同体の秩序を維持する原理として(9)をあげている。

 

5.個人をどうとらえるかによって社会や国家の見方はかわってくる。ホッブズは,人が権利を守るためには,国家に全面的に権利を(10)しなければならないと考えたが,これは個人よりも国家に比重をおく考え方である。一方ロックは,権利は国家に(11)したのであり,もし国家がこの権利を侵害するなら(12)を行使して政府をかえてもよいと考えたが,これは国家よりも個人に比重をおく考え方である。

 

6.(13)とは,労働が苦痛であり,自ら生産したものが自分のものとはならないというだけではなく,他者と協力し労働を通して自己実現をはかるべき人間が相互に対立し合っているという状況である,と(14)は『経済学・哲学草稿』の中で定義する。

 

7.人間は他者との関係の中で〈〜としての自分〉でしかない。この自分を本来的でないと感じる気持ちが(15 )であり,それを忘れるために人々は世間や他者の動向に(16)を払いつつ日常性に埋没してしまっている,とハイデッガーはいうのである。

 

8.個人は何らかの状況に生きている。従って,人間が本来の自分となるためには,その状況に自らを拘束・参加させねばならない。これをサルトルは(17)とよんだが,それは自らが自らのあり方を状況の中で選び取ることであるがゆえに,他者に対して常に(18)を負わねばならないことになる。

 

9.個人と社会とは不可分であり,個人は具体的社会生活の中においてこそ個人である。それゆえ,人と人とが協働する社会における個人の専重が(19)の基礎であり,それは単なる政治形態以上のものと(20)は考えた。そして彼は,社会や生活を改善・向上させていく知性を(21)とよび,その育成の必要性を提唱した。

 

10.欧米では個人を社会と対立するものとしてとらえているが,それは抽象的であると批判した(22)は,人間を人と人との関係性においてとらえ,そのあり方を(23)と表現した。そして,そのあり方は個人と社会は相互に否定し合いながら緊張関係のうちにあって,個人即社会,社会即個人という弁証法的構造を持つと考えた。

     

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