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2003年4月21日(月) ON AIR スペインのイースター Part 2
おはようございます谷山さん。4月17日木曜日、スペイン時間午前0時40分を回ったところ、再びスペインマドリードから電話レポートをお届けします。
今日は、再びセマナサンタについてお話しましょう。

先週木曜日のこのコーナーでもお話しましたとおり、先週木曜日からこの日曜日まではセマナ・サンタで、こちら、スペインマドリードは本当に静かでした。車もほとんど走っておらず、愛車の自転車マウンテンバイクに乗って、すいすい走り回ることができました。

本当は、この連休にスペイン北部ガリシア地方に旅行する予定を立てていたのですが、仕事でマドリードに残ることになったのですが、いつもとは全く違う、静かなマドリードを楽しめたので、よかったかなと思っています。

先日お話した、プロセシオンというパレードを見に行ったので、まずはそちらの様子をお話しましょう。

先週、パレードと紹介しましたが、さすがにキリストの受難、死、復活という宗教上の重要なテーマをモチーフにしているだけあって、華やかさや賑やかさとは別の、厳粛なムードでした。

プロセシオンは、キリストの受難を再現した行列で、木曜、金曜、土曜と、毎日必ず、町のどこかの教会を出て、ゆっくりと街の中を進み、市内中心部の教会に立ち寄って、またもとの教会まで戻っていくというもので、それぞれにストーリーがあり、特徴があります。

私が見たのは、マドリード中心部のサンイシドロ教会を出たマカレナの行列というもので、多くの足に鎖をつけた人たちの行列に続いて、十字架を担いだキリスト像の「みこし」、そしてマリア像を載せた大きな「みこし」がゆっくりと街の中を進んでいくんですね。そしてその後ろに楽隊が続きます。しかしまあ、この行列の進む速度は非常に遅く、待てど暮らせどなかなかキリスト像もマリア像もやってこないんですね。どうしてそんなにゆっくりしたペースかというと、このみこしが、非常に大きく、重く、1トン以上もするらしく、それを担ぐ若者たちも、大変な仕事だからなんですね。10メートルくらい進んではすぐにみこしが下ろされる。その繰り返しですから、遠くの方で楽隊の音楽が聞こえてから、目の前にみこしが来るまでに何十分もかかるわけです。しかし、ゆっくりしているため、厳粛な感じがして、見ていて感動するほどなんです。

近づいてくると、みんなが拍手をして、マリア像が来ると、「いいぞ」「すてきだぞ」と声をかけるんです。隣にいたおばあさんなんか、感動のあまり涙目になってうるうるしておられて、わたしも大変感動しました。みこしの上のマリア像の周りにはろうそくがいっぱい飾られていて、みこしが担ぎ上げられて、楽隊の奏でる音楽のリズムに合わせて、ゆっさゆっさと揺れながらゆっくりと進んでいく様子は、この夕暮れの時間帯にとてもマッチしていて、幻想的な雰囲気をかもし出していました。
やはり、カトリックの国。宗教が生活に占める重要性を改めて実感しました。

さて、少し話は変わりますが、マドリードから脱出してしまった人たちについて少しお話をしておきましょう。この前の木曜日にもお話しましたが、日本のお盆休みの帰省旅行ラッシュのような大移動があるのですが、先週の水曜日が出発の混雑のピークで、昨日、月曜日がユーターンのピークでした。だいたいマドリード市民の10人に3人が旅行に出ていると推定されてまして、そのうち66%が自家用車、18%がバス、11%が列車、5パーセントが飛行機を利用しているとされています。マドリードを出る、あるいはマドリードに帰ってくる道路はやはり大変渋滞していました。バスも通常の2倍に当たる1200台が先週の水曜日にマドリードを出てまして、昨日も1100台以上のバスがマドリードの南バスターミナルに到着したそうです。

で、面白いのが、この時期、交通事故が大変多くなるということで、スピード違反の取締りが各地で行われるのですが、なんと新聞に、どこに取り締まりレーダーが設置されるのかという一覧表が掲載されているんですよ。スペインの大きな地図が見開き一ページに掲載され、その中に詳しく、「なになに高速道路の何キロメートル地点に制限速度100キロで取締りが行われるレーダーが設置されている」という記載がされているのです。これは、日本じゃ、ちょっと考えられませんよね。みんなこの場所だけ注意して、スピードを落とせばいいわけですからねえ。意味あるのかなあと思いますが。でも、親切な感じもしますね。

結局このイースターの休暇は、天気が悪くなると心配されていたのですが、北部の、私が旅行へ行く計画を立てていたガリシア地方やプロセシオンが有名なセビージャなどアンダルシア地方で雨が降ったほかは、特に観光客の多いバレンシアなど海岸部では何とか天気が持ちこたえたそうで、まあ、よかったのかなあという感じです。こちらマドリードも、ちょっとテラスでのんびりカフェを楽しむことができて、春らしい日々を楽しめました。




大阪市北区のラテンリゾートカフェ
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