TIGER vs TIGER〜幻の凡戦〜


初代vs4代目タイガーマスク、この師弟対決については【メモリアル力道山】
(’96 6,30,横浜アリーナ)でのドリームマッチが広く知られている。しかし
【上田馬之助君を激励するプロレス大会】(’97 12,23,後楽園ホール)
における2度目の虎対決は、マスコミの扱いが小さかったこともあり、
“凡戦に終わった”事以外、あまり知られていない。

そこで、あの日リングサイドにいた観客の一人として、当時の写真と併せて
この試合を再現してみよう。



  まずは“師弟の礼”。クリーンなスタート。


 ゴング!華麗なタイガームーブが見られると思いきや、なんと  
 いきなりソバット下段打ち!スーパータイガー時代に多用  
していた蹴りであり、4代目の「ウッ!」と言う声が響きわたった。


   2人の動きがなんとなく噛み合わない。これは初代のサルト= 
   モルタル(サマーソルト・キック)。


   負けじと4代目もやり返す。プロレスらしくなってきた。


   しかし何故か2人はショートレンジでキックの打ち合い。    
   徐々に4代目が掌打で初代をコーナーに追いつめる。


   “その瞬間”の写真が無くて申し訳ないが、掌打にキレた初代
   が4代目のテンプルに強烈な右フック!一部専門誌で  
   「佐山からの愛のムチ」などと評されていたが、あれは完全に
   偶発的アクシデントである。このシーン、初代は「ゴメン 
   ゴメン(笑)」と声をかけている。客席から失笑が漏れた。


   レフェリー、テッド・タナベ氏の計らいで暫しインターバルを   
  とった後、試合再開。初代のダイビング・ヘッドバット(自爆)  
  形だけはプロレス。


                   しかし、実質上初代のパンチ一発でこの試合は
              終わっていた。4代目のトペは、あまりにも力無かった。

  “これ以上長引かせても仕方ない”と思ったのか、初代は    
   強引にローリング・クラッチホールド。これでカウント3。


  4代目の悔しそうな顔だけが印象的であった。          
  これ以降、2人の対決は実現していない…。


○初代タイガーマスク(タイガーキング)     ●4代目タイガーマスク
                      (7分38秒:前方回転エビ固め)


時は流れ、いまや4代目は“4代目”という前書きの必要ない、新日本プロレス
IWGP Jrヘビー級チャンピオンの“タイガーマスク”である。
体重を落とし、往時のままのコスチューム、往時以上の身体のキレを持つという
“マスク・オブ・タイガー”(佐山)との対戦を、1ファンとして心待ちにしている。

撮影:あおいしんご
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