零戦たちとの邂逅




【零戦52型】 靖国神社遊就館展示機の胴体後部(製造番号) 撮影:あおいしんご

エッセイでも触れた通り、多少の手間と交通費さえ惜しまなければ、
日本国内に於いても様々な零戦たちと出逢うことが出来る。
専門家のリサーチには及ばないが、零戦のヴァリエーションを追いながら
私が見たまま、感じたままを画像とともに紹介してみたい。



零式艦上戦闘機21型:上野 国立科学博物館所蔵(当時

※かの名高き『ラバウル航空隊』のひとつ、第253航空隊所属機。昭和19年
     2月以降、稼動機ゼロとなった現地に於いて、廃機を繋ぎ合わせて
     再生された物。外観上の最大の特徴は、復座機に改造されていること。
     零戦で偵察任務(後席に偵察員)をこなす為の苦肉の策と思われる。
     一見すると、ロールバーの後ろにアンテナ支柱が無い事を奇異に感じるだけで
      まず復座機には見えない。



         零式艦上戦闘機32型:名古屋空港 航空宇宙館所蔵
 
※マーシャル群島内タロア島で発見された第252航空隊所属機。現地には
     この機の他に多数の日本機が放置されており、確か日本テレビの特番で放送
     された事がある筈。外観上の最大の特徴は、角形に成型された翼端。
     主翼部分は修復ではなく新造だが、独特の雰囲気をうまく再現している。
     残念なのはスピナの形状が東宝映画のハリボテ並みなのと、写真撮影が
     出来ないこと。替わりにテレカ(上参照)等の販売あり。



         零式艦上戦闘機63型(主翼外片):京都 嵐山美術館所蔵(当時**

※エンジン不調のため琵琶湖上に不時着水した第210航空隊所属機。長い
間、湖底のヘドロに埋もれていたため外板の痛みが激しく、復元の際に
      大半が貼り替えられた。剥がした物は、記念品として売られていた。
   写真は1/48プラモとの対比。濃緑色の下に赤い防錆塗料が確認できる。
      展示してあった復元機は、突き出た4挺の機銃やロケット弾支持架の為か
      重戦闘機の趣きがあった。



         零式艦上戦闘機52型:東京 靖国神社遊就館所蔵

※『原田コレクション』として知られる第381航空隊所属機を、原田信雄氏が
     靖国神社に寄贈したもの。外観上の最大の特徴は、とにかく美しいこと。
     60年前に工場をロールアウトした時より綺麗なのでは?と思ってしまう。






※写真撮影も自由に行えるが、此処は幾多の英霊が眠る靖国神社である。
    この零戦も、先の大戦で散華されたすべての方々の御霊を慰めるため
    捧げられているものだという事を忘れてはならない。



* 海軍航空隊ゆかりの地、筑波市に新設される博物館に展示されるとの事だが、
   未だ開館の報せはない…。

** 南紀白浜の『零パーク』(現在閉館)に展示後、これまた海軍ゆかりの地、呉市
    に新設される海事博物館にて展示予定とのこと。



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