ずいしんいん
平安時代の歌人、小野小町ゆかりの寺。
遅咲きの梅園の見頃は3月下旬。
3月最終日曜には、少女達が
小町に扮して踊る「はねず踊り」が
行われる。
小町が化粧に利用したと伝えられる井戸で化粧する清香(ベタですなぁ)
深草少将が小町の許に百日通ったといわれる伝説が、随心院にある。
募る思いを胸に秘めて訪ねた少将に小町は冷たかった。
少将は「あなたの心が解けるまで何日でも参ります」と、榧(かや)の木の実を
門前に置き、それからのち小町の元へ毎晩訪れたが、九十九日目の雪の夜、
少将は疲れきり門前で倒れてしまった。
小町は後に供養のため、榧の実を小野の里に蒔いたという。
深草少将を始め多くの貴公子から寄せられた
文を埋めたと伝えられる、文塚。
(今で言えば、迷惑メールの削除ですな)
小町塚
絵馬堂に書かれてある、乙女達の恋のメッセージを
楽しそうに見る清香。
小野小町、百人一首の歌碑
小野小町、百歳の像(左)
卒塔婆(そとば)小町像
春の香りを満喫
それでは古今和歌集より
小町の歌をご紹介!
色見えで
うつろふものは
世の中の
人の心の
花にぞありける
(巻15・恋歌)
【訳】
色として目に見えないままで変わってゆくのは、
花は花も、人の心という花だったわ。
花の色は
うつりにけりな
いたづらに
わが身世にふる
ながめせし間に
(巻2・春歌)
【訳】
花の色は褪せてしまったわ。
私が物思いにふけりながら
長雨を眺めている間に・・・。
かつては絶世の美女と
謳われた私の容色も
衰えてしまった・・・
思いつつ
寝ればや人の
見えつらん
夢と知りせば
醒めざらましを
(巻12・恋歌)
【訳】
あなたの事を思いつつ寝たので
夢に見たのでしょうか?
夢と知っていたら目覚めずに
眠っていたのに・・・
いとせめて
恋しき時は
むばたまの
夜の衣を
返してぞ着る
(巻12・恋歌)
【訳】
あなたのことが恋しい時は
夜着を裏返して着てみようかしら?
せめてあなたの夢が見られるように・・・
清香の春はもうすぐ・・・