なぜなに part5
05/7/29

ついに!これが来たか!と言える方はかなりのなぜなに通

もしくは古本マニヤだろう。

なぜなに学習図鑑18 なぜなに世界の大怪獣」 昭和47年6月10日初版

すでに25年程前に絶版になっている(と思われる)このシリーズの中でも最も稀少価値の高い刊だと聞きます。

それもそのはず、それまでの1〜17巻で散々親御さんの期待を裏切った(子供には夢を与えたが)ので、 この18巻以降はそんなに部数が出回っていないと言う事です。

それでいて、サブタイトルの「世界の大怪獣」はこのシリーズの集大成であり

小学館のある意味「開き直り」である事を語らずも物語っていて、未だに根強い人気を泊しているタイトルと言えるでしょう。

 

恒例、表紙とトップページのツッコミのコーナー!!!パチパチパチ、、、

なんか知らんけど手塚治虫の火の鳥みたいな金色の鳥が飛んでおります〜。

バックにはネッシーらしき怪獣がガンタレてます〜。。。苦笑&涙

表紙イジリが程なく終わったところで、心踊らせ最初のページを開きます。
と、いきなり!

南太へようのカバ怪獣

1971年に日本の漁船船員がカバに似た怪獣目撃事件をなぜなにタッチ

(船員の目撃談を無視してなぜか4つ目怪獣にしてしまってます)で見事に表現し

トップページで子供心を鷲掴みにしていしまいます。

実際、私も初めてみた時(小学1年頃)は昇天してしまいました。

ていうかこの怪獣、故ハナ肇さんにしか見えません...

思えばこの頃から私の人生は、兄や姉と違った方向へ進む事になってしまった。。。

 

そして大怪獣と言ったら此奴(こやつ)を置いて議論を深める事は愚行であると思われる

ネス湖のネッシー

もちろんネッシー関連の記事も今回の「世界の大怪獣」でも数ページに渡り取り上げられてます。

 

ネッシーいけどり作せん

このページにはネッシー生け捕り賞金8億円とあります。

何せ、この本が出た昭和47年の大卒初任給が50,000円の時代です。

つまり現在の貨幣価値で言うとネッシーには30億円以上の価値があると推測できます。

が!そこは我らが「なぜなに学習図鑑」 驚愕の捕獲作戦が6つ掲載されてます。
★おとり作戦★(右上)

怪獣ロボットを作ります。ネッシーが仲間と思って近寄ってきたところを鎖の網をかぶせて捕まえます。

それって捕獲までに30億以上(ロボット代)かかんじゃねーの?つか、アユ釣りかっちゅうの。

★落とし穴作戦★(右下) 陸に映画のスクリーンを立て、怪獣の映画を映します。泣き声も聞かせ近付いてきたネッシーを落とし穴に落とします。

小2の考え方だな、、、はっ!さすが小学館!こんな事まで読者のレベルに合わせているとは!!

★電気作戦★(中央上) みずうみに強い電気を流し、ネッシーが電気ショックで気絶したところを生け捕りにします。

他の動物は?魚達は?・・・・ふん!そんな事は無視すりゃいいのさ! なんせネッシー捕まえんだから!! 、、、スケールでかすぎです。。。涙

★冷凍作戦★(中央下) ヘリコプターでネッシーの頭の上からとても冷たい液体空気をまいて、ネッシーがカチカチに凍ったところを生け捕ります。

カチカチに・・・?それ死んでね?

★しびれ作戦★(左上) みずうみに毒液を流します。ネッシーが毒でしびれて動けなくなったところを生け捕りにします。

おいおい、、、

★ねむりガス作戦★(左下) ネッシーに麻酔弾を打ち込みます。(中略)ネッシーが眠ったところを生け捕りにします。

うん!これでしょうね、本来なら。 ただイラストはどう見ても軍隊がネッシーにバズーカ砲で攻撃しています。 哀れネッシー。。。

 

赤い目のかいぶつ 左の男の人、ちょっとイッてます。しかも若き日の岡田眞澄似?

これって、別に今までの「なぜなに」からすれば大した記事でもないしそれ程すごいイラストでもない。

なぜ私がこの記事を取り上げたかというと、このページこそ「なぜなにテイスト」満載の記事だからに他なりません。

この怪獣遭遇事件、記事をよく読んでみると、、、

ポッターさん(猟銃もってる人)が友人(セクシー衣裳の女性)とボートで湖にいると船底からボールぐらいの赤い目で覗かれた

ポッターさんはそばにあった銃を乱射し、怪獣(?)は泳いで逃げて行った

翌朝、砂浜に大きな足跡が残っていた

つまり、ポッターさんは赤い目をした生物を目撃しただけで、怪獣とタイマンで格闘した訳でも、その怪獣が一角獣だった訳でもないって事なのです。

 

南太へようのカバ怪獣もそうだが、この程度の断片的な情報からここまでのイラストを作り上げてしまう小学館大明神、、、

こんな小学館様が大好きです。。。

 

日本にもいる雪男? これ雪男か?と言うツッコミは置いといて。。。

これも大した記事ではないのですが、私の地元広島で出没し、いわゆる「ヒバゴン」として有名(地元だけ?)になった怪獣なのでとりあげました。

ボクが子供の頃、山奥の山道を車などで走ってるとヒバゴンのイラストの描かれた看板がよくあったものでした。

知っての通り、それ以降の目撃情報がなく、いつの日か我々広島県民にすら忘れ去られてしまいました。。。

 

ていうか、俺がつっこむ前にページ右下において、仙台市の小学3年生の女の子

サルか何かの見間違いではないでしょうか」とヒバゴン完全否定のオチがついてます。

こういったマトモな見解を載せるって事は、小学館さんもまだまだ魂の全てを失っていた訳じゃなかったのですね、、、(嬉し涙)

 

スクリューのガ−助(左側) 名前からして凄いインパクト。

何よりガ−助とおぼしき写真(こっそり見てください)

どうみても合成写真っす。

子供にこれを信じさそうなんて、小学館さん。。。。

ヒマラヤの雪男
(右側)

別に雪男がいようがいまいが、ここではどうでもいいんですよ。

いつもは誇張し過ぎのデタラメイラスト、、、子供心揺さぶるイラストなのですが。。。

今回は「ヒマラヤの雪男」といタイトルにしては大人しすぎです。

いや、物悲しさまで伝わってきます。

この雪男なら万が一遭遇しても大丈夫なような気がします。

イラストの雪男の哀愁。その向こうで見送りしているテントの人も悲し気です。。。

なんかタイガーマスクのエンディングテーマを思い出して、ほろっと来てしまいました…

この2人に何があったのでしょうか?

って言うか、小学館さんに何があったのでしょうか?

 

順調に子供の心を虜にしてきた今回の「世界の大怪獣」ですが、、、

この辺りから、大怪獣というテーマから少しづつズレ始めます。(なぜなに恒例の展開)

頭は人、どうはライオン スフィンクス

スフィンクスって、あのエジプトの、、、こんなんだっけ?

よく見てください、恐すぎます。。。(これがなぜなにスフィンクスだっ!)

このページを筆頭にカッパ(中央)、天狗(右)、龍、九尾狐、サラマンダー、人魚、、となぜか妖怪の紹介に移っていきます。

尚、上に挙げたカッパも天狗達は、ひいき目に見ても大きくもなければ怪獣でもありません

 

一旦「世界の大怪獣」というテーマから反れてしまったら、誰も方向修正はできません。

まだ妖怪や伝説の怪獣を取り上げてるウチはよかったのですが、、、

ただの恐竜や絶滅した大きな動物を取り上げるコーナーになってしまいました。

トップページがあんだけインパクトがあっただけに終盤のキレのなさは少し残念です。

とはいえ、これだけのインチキ臭いイラスト全集みたいなのって、今のようなつまんない世の中では出せないだろうと思うと、そっちの方が残念に思う。

 

それでは最後になりますが、このページで今回の「世界の大怪獣」を閉めたいと思います。

マンモスは生きている?

(中略)今から20年程前、ガロンさんという猟師がシベリアの森林の奥で、1頭のマンモスに襲われました。

マンモスは、長い牙を持ち上げ、毛を逆立ててガロンさんめがけて突進してきました。

シベリアの森林はとても広く、まだ人の入ってないところがたくさんあります。

人が近付けない森林の奥で、マンモスはまだ生きているかも知れません。

と、1頭のマンモスに襲われたはずなのに何でマンモスの大群イラスト?などと言うツッコミはどうでもいいとして。

注目は左下の子供のコメントです。 読みづらいので大きくしました。

今回のこの「世界の大怪獣」は、ページごとに小学生のその記事に対するコメントが掲載されています

 

先に挙げてるように結構マトモでクールなコメントで笑わしてくれますが、

このページの藤井寺市の古川君(当時小学校3年生)のコメントには古川君の将来が、遅ればせながら不安になります。

一応、私の判断で古川君の名、目元にモザイク処理をさせて頂きました。)

 

!!ちょ、ちょっと!?古川君、、、

 

 

 

古川少年(現在推定42歳)

・・・どんな大人になっているのでしょうか?