なぜなに part6
06/5/30

このなぜなにシリーズをレビューして2年半。

様々な方々よりお便りを戴きまして、本当に嬉しく思っております。

そして、なぜなにって男の子の本だと思ったら大間違い、メールを頂くそのほとんどが女性だったりする。

なぜなにの男女を問わない支持率に感心しながらも、気を入れてレビューをしなきゃと心新たにするオレだった。

 

今回で早くも6回目となりました。今回取り上げるのは

なぜなに学習図鑑9 なぜなにからだのふしぎ」昭和48年4月10日(第3版)

 

からだのふしぎ。。。

この時点で男子はアラぬ事を想像し、勝手に期待を込める。

親御さんは子供版「解体新書」「ターヘル・アナトミア」のような学習書物と期待した事でしょう。

さて、どのような内容で楽しましてくれるのでしょうか、早速レビューに移ろう。

 

恒例の表紙ツッコミだが、何度も言うけど、もう驚かないっすよ。少々の事じゃね。

お〜、顔の引きつった少女の頭が切り裂かれとるのう〜。

人間というのは脳で色んな事を考える生き物なんだよ。って言う事なのでしょうか、一応納得。

しかし少女の後ろのゴッツイ人は。。。火ぃ喰っちょりますがな、だんなぁ!

びっくり人間大集合への転換(なぜなにお約束)が危惧されますが、それゆえに期待大です。

 

早速、トップページ(つかみページ)を開いてみましょう。。。

あなたしっかりして!

からだのふしぎのトップページにして、いきなりテレパシーっすか、、、

スレッガーさんかい?早い、早いよ!

内容は、事故で生き埋めになった旦那にテレパシーで「しっかりして」と勇気づけた良妻のお話です。

とはいえ、子供向けの図鑑にしてはのっけから難解で重たいテーマに思えますが。。。

同様の能力「ニュータイプ」という概念が子供達に認知されるのは、この数年後の事です。

(以上、このページはガンダムネタで片付けさせて頂きました)

 

もちろん、このようなちゃんとしたページも ほんの数ページですが 存在します

ただし我々、アホ男子小学生にしてみれば頭のしくみからだのしくみなんてどうでもよくて、女の子のあそこからだのしくみ的な、、、

もしくはウンコのしくみ(どんなしくみだ)などを期待していたが、結局最後までそんなページには出会えません。

というか、読み進めて行くウチにこの本、ハナから編集スタッフには、からだ系学習図鑑を作る気がなかった事に気付きます。

 

そうこうしているウチにこんな衝撃的なページに到達!!

人間のからだ 

キ、キショい。。。

人間の内臓の場所や大動脈、大静脈を図解したイラストページだが、スチュエーションが掴めません。

下の説明文では人間の体を機関車に例え「機関車の石炭が人間の食べ物にあたります、、、」などと、余計に混乱する文章で人間の生命活動について描き綴ってます。

しかし結局、最後までイラストがなぜ宇宙飛行士なのかは解りませんでした。。。

もしもからだの中にはいれたら…

人間が小さくなればイラストのように人間の体内で血管を繋げたりできるよ。って事だそうです。。。

小学館編集部の中で「こんなんでいいんじゃね?」みたいな腐の空気が蔓延してたのでは。。。と感じるのはオレだけ?

もうこの辺りから「からだのふしぎ」はおろかふしぎでも何でもないよな。

 

透明人間 だれが足を(左のランニングのオッサンが透明人間です…)

こ、これは、、、どうみてもミスターじゃありませんか!!

しかしスーパースターのミスターも人間です。

この本が出た翌年に体力の限界を理由に引退する事となるミスター。

そんな晩年の彼のプレーを見兼ねた熱狂的ファンが透明人間となって手助けしちょります。。。

もしかしたらこのページは、透明人間が主題ではなく、人は誰しも老いるという悲しい性(さが)を伝えるページだったのかも知れません。

なぜなら、このページに透明人間の可能性を科学的に言及するくだりは一切ありませんから。。。

いずれにしても透明人間以上に存在感を出すところなど、当時のミスターの人気が伺い知れます。

って言うか、からだのふしぎというテーマはどこへ、、、

 

人間は、しぬ と、どこへいくのでしょうか

人は死ぬとどうやら、ほぼもれなく地獄へ行くみたいっす。。。悲しすぎる。。。

すみません、からだのふしぎというテーマはどこへ、、、

 

イルカがせめてきたぞっ(これこそなぜなにです、、、涙)

一聞するとバカバカしいタイトルも我らがなぜなにワールドにかかれば見事に世界の終末を見せてくれます。

こりゃもう、のんきにイルカショーの写 真なんか出してる場合じゃないっす!

なんせイルカが光線銃を人様に向けて打ちまくってますから。。。

イルカは動物にしては頭良いよ。って事実をこのように ネジ曲げる 表現するあたりは、我らが愛する「なぜなに学習図鑑シリーズ」なのです。

イルカは貝殻の戦車を駆って、酸素ボンベを背負って不馴れな地上攻撃によって地球侵略を企てております。

たぶん地球人の圧勝でしょう。。。残念。。。

あの〜、、、からだのふしぎというテーマはどこへ、、、

 

人工えらで 海の中を 魚のように およげるよ

科学の進歩で人間も人工えらなどによって海を自由に泳げるようになるんだって。。。

なぜオッサンのイラストなんでしょう?何でオオカミなん?

ここは若く美しい女性のイラストでしょう。。。なんて大人の常識は小学館には通じません。

えらは人工なのに足ヒレは普通に足につけるんだ、、なんてツッコミも置ときましょう。

じゃあその「人工えら」って何やねん!?

なんてイラストを観た子供が当然言うであろう疑問に答える事もなく、説明文では人工臓器について延々説明してます。

結局、いくら読み進めても「人工えら」の説明は一切ありませんでした 。。。

ま、そういうテクノロジーが整えば、そんな事も可能かも…言いたいのでしょう。

(って、なんでワシが小学館のフォローをせないかんの。。)

 

海の中を自由に泳いでるかと思えば、、、

 

はやく たすけてっ  、、、って

どないやねん。。

おもっきり溺れとるやないかっ!

溺死寸前のなんとも残念な東洋人を横目に現地人らしき人 は呑気に素潜りを楽しんどるし。

まあ、無防備できったないダルダルの白パンツ(おトンがよう履いてたわ)で海に入るような奴は、シャコ貝からキツ〜イ、お灸が据えられるって事なのでしょう。

(ブラックジャックでもこんな話あったな。。。)

 

結局、からだのふしぎというテーマはどこへ、、、

などと、意固地にテーマを追求しないところがこの本の良いところなのだろう。

子供だった我々にとっては、突拍子もないイラスト、テーマから掛離れた着眼点が、何より未知へのロマンや夢を掻き立てられたところであるわけだしね。

イイ意味でも悪い意味でも、幼少期のオレにトラウマを植え付けてくれたこの「なぜなにシリーズ」に感謝し、恩返しの意味を込めてこのエッセイを綴っている訳で、数々の無礼なコメントは寛大にお許し願いたい。

と言う事で、また機会があればこのシリーズについて語りたいと思います。