と或る会話


「寒い。さむいよ。
ここえてしまいそうだ・・・・・・」


「本当に、さむいよね。

でも、このさむさがあるから
春 花がきれいに咲く

きみが持ってるつぼみも きっと
すごく きれいに咲くだろうね」


「重い。おもいよ。
どうして こんなものを
どうして わたしが・・・・・・?」


「本当に、おもいよね。

でも、もうすぐむこうに着く
この山をこえられたら
きっと この重さの意味がわかる

そしたらきみは
いままでより ずっとつよくなれる」


「痛い。いたいよ。苦しいよ・・・!!」

「だいじょうぶ?」

「ううん」

「ココから 外に出られる・・・?」

「ううん」

「わかった。じゃあ、休もう。
いたみがおさまるまで。」

「うん
    でも、みんな、こういってるよ?
『行かなきゃダメだ、まけたらダメだ』って   

「むりしないで。
がんばれそうなら、すすもう。
でも、くるしいなら、むりしないで。
ゆっくり、ゆっくりなおそう。
出発は、それからでもおそくないよ。」



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